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2006年2月17日 (金)

ベルばらの娘たち

闘う少女の変遷―リボンの騎士からセーラームーンへ

 「ベルサイユのばら」が連載をスタートしたのは72年。70年生まれの私は残念ながらリアルタイムでその熱狂に触れることはなかったが、79年にアニメ化され、小学生だった私は毎週テレビにかじりついた。美しさと強さを兼ね備えたオスカルにあこがれ、「こんな風に強くなりたい」と思ったものだった。

 実は少女漫画の原点は「闘う少女」であった。初めてのストーリー少女漫画は、手塚治虫の「リボンの騎士」であるとされている。連載開始は53年。天使のいたずらで男女両方の心を持って生まれてしまったサファイア姫は、女の子でありながら男として育てられる。この秘密を知ったジュラルミン大公の悪巧みや、あま色の髪の乙女に変装して隣国の王子・フランツと恋に落ちるなど、様々なドラマを経て、最後にサファイア姫は男の子の心を返して少女に戻り、フランツと結ばれる。

 最初の少女漫画が男装して闘う少女だったことは、ジェンダーの視点からも非常に興味深い。サファイア姫は、闘うときには常に男の子の心だった。ある時、剣術の最中に男の子の心を抜かれてしまうと、それまで圧倒的優位に立っていた試合にもヘナヘナと負けそうになってしまう。「女のままでは闘えない」というメッセージがそこにはあった。当時の世相から言えば当然だったのかもしれない。

 そして時が流れてベルばらの時代になると、オスカルは「軍服を着ているときは男」といいながらも、女性であることは隠さないままで闘いに挑むことができたのだ。男を装わないと戦えない、というのは70年代日本ではまあ仕方なかっただろう。「リボンの騎士」から約20年たって、ようやく女性たちは「男の心」がなくても戦えるようになったのである。

 そしてさらに20年を経ると「美少女戦士セーラームーン」のように、魔女でなくても女性のままで戦えるようになる。「自立していたい、強くありたい」と願う少女たちの思いを反映した「闘う少女」の姿は、いまようやく少女たちそのままの姿に重なったのではないだろうか。

 人生で何度もベルばらを読み返したが、何度読んでも、見えてくる側面が違ってくる。幼い頃にはただひたすら「オスカル様~」だったが、30半ばの今では、マリー・アントワネットに自らを重ね合わせる。人生の後半でようやく自らの過ちを悟ったものの、37歳で断頭台に散った彼女の人生を思うと、そろそろ彼女の年を越えようとしている私には「もっとちゃんと生きなくては」という思いを強くする。(松尾慈子)

「リボンの騎士」 on BOOK アサヒ・コム

「美少女戦士セーラームーン」 on BOOK アサヒ・コム

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2006/02/17 15:05:00 ベルばらの娘たち | | トラックバック (1)

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