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2006年3月17日 (金)

交換日記

ジャンヌは死なず

なとみさま。

 このアッパーカット(というよりはアッパーストレート。おぉ、「がんばれ元気」の必殺パンチだ)を繰り出しているのはなとみさんご自身でしょうか。

 はい、お怒りはわかります。ひどい女です、ジャンヌは。最低最悪の2歩手前くらいまで肉薄しています。

 しかし……

 ジャンヌを懲らしめるのに、こんな程度では甘いです(キッパリ)。何しろ、ギロチンの刑を首の皮一枚でかわし、焼きごてを押し当てられ、それでもまるっきり懲りずにでっち上げスキャンダル本で大もうけ。この雑草のような、ゴキブリのような女を倒せるパンチなど、マジンガーZでも連れてくるならともかく、生身の人間では繰り出しようがありますまい。

 ジャンヌを筆頭に、ポリニャック夫人、デュ・バリー夫人と、ベルばらには悪女が花盛りです。新聞紙面に書いた記事では、澁澤龍彦の「世界悪女物語」でマリー・アントワネットも悪女に挙げられていることにも触れました。アントワネットも含めて、いわゆる「普通でない女性」が圧倒的に活躍しているのが、「ベルばら」の特徴だと私は勝手に考えています。

 主役のオスカルにしてからが、悪女ではないものの、「女性のスタンダードから外れている」という点では圧倒的ですし。

 「ベルばら」は、とことん女たちの物語だと私は思います。女がまっとうな手段で男と渡り合えなかった時代、自分の望みを実現するために、あるいは生きる力を得るために、ある女は権力者の情婦となり、ある女は同様に権力者のお気に入りとなり、そしてある女はとことん反社会的な犯罪者となった。もっというなら、彼女たちにはそうするしか術がなかった。そういう時代の物語です。 そしてそれはつい半世紀ほど前までの日本とフランスの現実でした。これも新聞記事(「革命のわすれもの」)で触れましたね。

 そのような背景が胸に迫るからこそ、物語の終盤でオスカルが「感謝します。父上」と語るシーンで、私なぞ滂沱の涙を流してしまうのですね。男として育てられたからこそ、自分が自分らしく生きられたのだということを、オスカルは誰よりも強く自覚しています。その凛々しさ、哀しさ。

 オスカルは主役であると同時に、他の「悪女」たちを映し出す「鏡」でもあります。ジャンヌ、ポリニャック夫人、デュ・バリー夫人、マリー・アントワネットらの「悪女」が生き生きと躍動するのは、男性が圧倒的に優位な社会に向かって、彼女たちとは全く違うアプローチで切り込んでいったオスカルという存在が、対極にいるからだと私は感じています。

 ああ、で、ジャンヌですね。まあその、実生活でこんなのに引っかかった日には目も当てられません。あっち行けって感じです。

 ……いやあでも、最高ですね。キャラ立ちまくり。彼女が出てくるたび、「いけ~、ジャンヌ、そこだ、もっとド汚い手を使え~」と声援を送ってしまう私は、やっぱりヘンですか?(ああ、アッパーストレートが飛んでくる……)

 (丹治吉順)

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投稿者 ベルばらKids担当記者 2006/03/17 1:23:42 交換日記 | | トラックバック (1)

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