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2006年4月13日 (木)

花咲けるやまとなでしこ絵巻

片手に剣 片手に恋 巴御前

 女が男になりたいと思うのはどんな時だろうか?マリーアントワネットの「男にならね・・・ば・・・」という言葉や、オスカルの軍服が示すように、それは闘うときだ。権力に立ち向かうために、あるいは愛しい人を守るために。逃げるという選択をしなかった女たち。自分の信念を貫くために、自ら男装して戦った女性達を訪ねてみたい。

男装の麗人(1) 『平家物語』巴御前(ともえごぜん)

 「あなたの帰りをじっと待つなんてイヤ。私も一緒に戦う!」
戦場に赴く木曽義仲(きそ・よしなか)に、巴御前はそう言って従った。
姿かたちこそ美しかったが、木曽の大自然の中で育った巴御前は、奔放で激しい気性の女性だった。美しい白い肌に、長い髪のたぐいまれな美貌。険しい道でも荒馬を乗りこなし、剣をとっては一騎当千の武人で、戦いのときは必ず指揮官を任された。軍装が似合う凛々しい美人という「平家物語」の描写は、さながらオスカルそのもの。

 おごる平家を倒し、朝日将軍と呼ばれた義仲だが、源頼朝との戦いに敗れてしまう。もはやこれまで、と思った義仲は、「女なのだから逃げよ」と巴御前に告げる。さんざん戦わせておいて、女だから去れ、というのはあんまりだと思うが、「木曽殿が最後に女を連れていたというのは恥になる」。そう言われて巴御前は泣く泣くそばを離れる。

 「では、最後の活躍をお目にかけましょう」と言ったあとの巴御前の活躍がすごい。相手の武将を馬から引き落とし、「頸(くび)ねじきってすててんげり」と、首をねじ切ってしまったというのだ。ほんの数十行の記述なのに、義仲への愛に生きた巴御前はインパクトを残している。

 そんな巴御前だが、実はよくわからない部分が多い。後半になって突然登場し、あっという間に退場する巴御前は「平家物語」の創作という説もある。しかし、架空の人物にも関わらず、読者の心を捉え、後世に語り継がれた。オスカルが架空の人物でありながら少女たちの心をつかんで離さなかったように。(さち)

     ※      ※     ※

●参考文献
「平家物語」日本古典文学全集 小学館 注釈・現代語訳つき
「男は美人の嘘が好き ひかりと影の平家物語」大塚ひかり とっつきやすく古典を紹介
「新・平家物語」吉川英治 颯爽と巴御前が登場する小説

●巴を訪ねて
大河ドラマ「義経」では、小池栄子さんが演じていた巴が活躍。
「巴が淵」
 長野県木曽郡木曽町(旧日義村)には、巴が水浴びをしたという伝説があります。木曽義仲が生まれ育った土地として、義仲ゆかりの史跡がたくさんあります。
「義仲館」
 同町にある資料館。義仲と巴の生涯を展示しています。

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読者ライター、さちさんによる連載コラム「花咲けるやまとなでしこ絵巻」が始まりました。
「男装の麗人」や「乳母・乳兄弟」などのモチーフをキーワードに、「ベルサイユのばら」と日本の歴史エピソードや王朝文学を読み比べます。(このコーナーは毎月第2、第4木曜に更新します)

執筆者紹介
Icon07 さちさん
北アルプスを縦走したり、北海道をヒッチハイクしたり、歌舞伎を観たり、ロンドンにミュージカルを観に行ったり、奔放な学生時代を送る。
「日出処の天子」「あさきゆめみし」「大奥」など歴史漫画を愛読。
立教大学文学部日本文学科卒業。卒業論文は、源氏物語『六の君・密通の可能性』。
現在は、新聞社校閲記者アルバイト。

ベルばらで好きなキャラクターベスト3は?
…マロン・グラッセ(オスカルのばあや・アンドレの祖母)
マリア・テレジア(アントワネットの母)
オスカル

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2006/04/13 12:10:00 花咲けるやまとなでしこ絵巻 | | トラックバック (0)

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