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2006年5月11日 (木)

花咲けるやまとなでしこ絵巻

誇り高き舞姫 静御前

男装の麗人(3)『義経記』静御前(しずかごぜん)

 平安時代末期の日本には、歌って踊れる男装のアイドルがいた。彼女たちを白拍子(しらびょうし)と呼ぶ。腰に太刀を差し、烏帽子(えぼし)に水干(すいかん)という武士の姿をして人々を魅了した。有名な源義経の恋人静も、そんな白拍子の一人だった。

 1186年、兄頼朝の怒りを買った義経が都落ちした後、静はとらえられて頼朝のいる鎌倉に送られる。都で名高い白拍子の姿を一目見ようと、頼朝は静を鶴岡八幡宮で舞わせることにする。断ることは許されない。覚悟を決めた静は舞のために、一流の伴奏者を要求する。最高の演技をするためには妥協しなかった。白い小袖に白い袴、真っ赤な扇を持ち、華麗に袖を振った。あまりの舞の見事さに、この場にいる者の「あっ!」という感動の声が雲にも届くほどだった。やがて静は歌い始めた。

 「しづやしづ、とあたしを呼んだ義経さま!吉野山でお別れした義経さまが恋しい!」

 頼朝の顔色が変わった。恋人義経を慕う歌ではないか。大人しく恭順の意思を示せばよいものを、あえて「義経さまが恋しい」と歌うとは頼朝をバカにしているのか。

 静は、頼朝におもねる歌を歌うなら死んだほうがまし、どうせなら思うことを歌ってやろうと思ったに違いない。敵前で舞を舞わされるという屈辱に、臆することなく敢然と立ち向かったのだ。

 一差しの舞で権力者に一矢報いた静の勇気は、王妃を出せ!と押し寄せた民衆に向かって、バルコニーで優雅に会釈をし、「王妃ばんざい!」の歓声を得たマリーアントワネットの気概に勝るとも劣るまい。

     ※      ※     ※

●参考文献
「吾妻鏡」岩波文庫 岩波書店(品切れ・重版未定)
「義経記」新編日本古典文学全集(62) 小学館 
「大塚ひかりの義経物語」角川ソフィア文庫 角川書店 大塚ひかり独自の語り口で義経の生涯が語ら
れています。

●静を訪ねて
 歌舞伎の「義経千本桜」では、恋しい義経をたずねる静と、静を守る狐忠信の道行きが描かれます。現
在でも人気がある演目です。

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2006/05/11 8:30:00 花咲けるやまとなでしこ絵巻 | | トラックバック (0)

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