2013年2月末をもってブログの更新を終了いたしました。 ⇒詳しく
e-book Japan ベルサイユのばら

0228delete -->

« 「帝王」とのすれ違い★6/3の感想 | トップページ | 処刑台のある風景 1772年 »

2006年6月 5日 (月)

ベルばらの娘たち

「身分違いの恋」は、周囲に反対されればされるほど燃えるもの。

それゆえ昔から創作のテーマになってきた。「ベルサイユのばら」では、貴族のオスカルと平民のアンドレが愛し合う。そう、平凡な私を見初めてくれる王子様は魅力的だけれども、お姫様の私に影のようにいつも寄り添う従者というのも、女の子にはあこがれの存在なのよね~。

「姫と従者」の組み合わせ、最近は見あたらないな~と思っていたら、あったあった。兄妹ラブコメ「そんなんじゃねえよ」(小学館漫画賞受賞)の作者、和泉かねよしの「二の姫の物語」(小学館)。

表紙画像古代中国をイメージしたファンタジーで、黄国王の次女・二の姫が主人公。才色兼備の長女、愛らしさのある三女に挟まれて、「愚図姫」と呼ばれる二の姫だが、聡明な少年・青推が教育係につくことで転機が訪れる。青推に思いを寄せる二の姫は、彼に報いようと勉学に励み、ついには隣国との戦争に勝ってその実力を王に認めさせる。「隣国の王子と結婚して次期王に」と王に提案されたとき、二の姫が選ぶのは・・・。

「二の姫の物語」の姫は、すべての動機が好きな男のためであって、人生を選ぶ基準はそこにある。青推も、姫が王となるならばそばを去ろうとする。「一生影のままで」とは思わない。一方、オスカルは思想に目覚め、命を賭けて市民のために立ち上がり、アンドレはオスカルの選択に従う。もしベルばらの2人を「二の姫の物語」に置き換えたら、オスカルは隣国の王子と結婚せずに王になり、アンドレは一生、彼女のそばにとどまったのではなかろうか。というか、そこで思想を捨ててアンドレに従ってしまうようなオスカルならば、アンドレは恋をしなかっただろうと思う。

身分違いだけでなく、「歴史物」というのもベルばらとの共通点。作者が「描く作業が一番楽しかった読み切り」というだけあって、古代中国らしい豪奢な衣装から建造物、装飾品に至るまで、画面全体が美しい。しかし、その描写のためには「資料費だけで軽く数十万。いろんな雑費をふくめたら、描くだけでワタクシ赤字確実」だったという。歴史物ってやっぱり描くのは大変なのね。しかも、掲載誌は学園漫画中心の「Betsucomi」だから、作者は「これはアンケート最下位になるかもな でもまいっか」(後書きより)と覚悟していたのだそう。予想に反して好反応だったようで、よかったよかった。

しかし、身分違いの恋といえば「チャタレイ夫人の恋人」をまっさきに思い出してしまった私って・・・。次に浮かんだのは「エマ」(エンターブレイン)表紙画像。自分の血中オタク濃度の高さをまざまざと感じた一瞬だった。

お便り募集このコラムをお読みになった皆さんの感想や質問をお待ちしています。 ⇒こちらの「ベルばらKids専用フォーム」からどうぞ。

投稿者 松尾慈子 2006/06/05 14:02:11 ベルばらの娘たち | | トラックバック (0)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/165303/10401181

この記事へのトラックバック一覧です: 「身分違いの恋」は、周囲に反対されればされるほど燃えるもの。: