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2007年2月25日 (日)

Kidsのアトリエから

『ベルばら』の原点、ツヴァイクの「マリー・アントワネット」を読んでみた(後編)

 引き続き、「『ベルばら』の原点、ツヴァイクを読む座談会」レポート後編をお届けします。
 この冬はミュージカルや映画などマリー・アントワネットを主人公にした作品の上演が相次ぎ、様々な作家による彼女を描いた小説や伝記も数多く出版されています。それらの中で、池田理代子先生が「ベルサイユのばら」を描いたきっかけとされるシュテファン・ツヴァイクの「マリー・アントワネット」に、「ベルばらKids」ブログのスタッフ・ライターが挑戦。読み終えての感想を言い合いました。

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↑座談会参加者が持ち寄ったベルばら&アントワネット本の数々

    ★    ★    ★
まずはそのツヴァイクの感想から。

序文で感動。アントワネットの平凡さとは
「序文を読んだだけで感動してしまいました」
「ツヴァイクがこの本でアントワネットをどのように描いたかということを述べているところね」
「アントワネットが平凡だって言っても、王族として生まれた時点で普通とはいえない、と思っていたんですが」
「『内面が普通』ということですよね。何もなければただ、ゴータ年鑑(ヨーロッパの王室・貴族名鑑)に名前が記されて、誰もわざわざ記憶にとどめなかったであろう程度の王妃だったと。
それが巨大な歴史に直面したとき、それまでの平凡な前半生が嘘のように、人間的成長を遂げ、フランス革命という事象に対抗するにふさわしい偉大な“悲劇の王妃”となっていく。彼女をそう鍛え上げたのは歴史の力だったとツヴァイクは書いています。」

ぐいぐい引き込まれる面白さ
「読み始めるとツヴァイクの流麗な文体に引き込まれますね」
「うん。一気読みだった。訳文も読みやすいですね」
「旧訳はやはり古めかしくて、感情移入が妨げられるときがある。新訳の方はまるで『ベルばら』を読んでいるようにすーっと入り込める」
「注釈が少ないので流れを妨げられないですね」
「他のマリー・アントワネット本と比較するとツヴァイクは資料の使い方が違いますね。他は調べた資料をそのまま提示していて、物語に入り込むのが難しい。ツヴァイクも同じくらい調べてるんだろうけど、物語として消化しきって書いているので、人物への気持ちの入り方が違う。」
「やはり作家ですよね。伏線も巧みだし。」
「そう、物語なんですよね。面白すぎて『まずい、このままだとツヴァイクに騙される』と思いました」

フェルゼン登場でまた涙
「20章(上巻最後の章)のフェルゼン登場のシーンもよかったよね」
「革命が始まり、ベルサイユから蜘蛛の子を散らすようにみんな去ってしまった、というところでフェルゼンが―。かっこいい!!ですよね!!!」
「最初の方、フェルゼンはパリの仮面舞踏会のシーンで名前が出てくるくらいで、その後しばらく描写がない。読む方も忘れてて。
それで1人残されたアントワネットの前に現れるのでアントワネットの心も読者のハートもグイっとつかむ」
「子どものときはフェルゼンのよさがイマイチわかってなかったんですが、今回ツヴァイクを読んで目がハートになりました」

下巻はますますドラマチック
「下巻は『ベルばら』で言えばオスカルもアンドレも死んでしまってからのお話で、つらいエピソードばかりだし、読む前は気が引けていたのですが」
「そんなことはなかったですね!下巻の方がドラマチックで面白い。愛する人のためにすべてをかけるフェルゼンがやっぱりかっこいい。」
「ルイ16世もアントワネットも革命に直面して、鍛えられ、どんどん立派になっていくのに、待ち構えているのは死なのだ、という運命に泣けました」

登場人物たち
「オスカルやアンドレは出てこないよね。当たり前なんですが」
「でもロザリーやジャルジェ将軍は出てきて、何かほっとする。『ベルばら』ですでに予備知識(?)があるので、ロザリーがどうやって王妃のお世話をしたか、ジャルジェ将軍がどれだけ王家に忠実だったか、勝手に頭の中で補って読んじゃう」
「ローアン大司教は『ベルばら』では丸まっちいお鼻とかに描かれてるけど、モテモテな生臭坊主だったから本当は格好よかったんでしょうね」

『ベルばら』とツヴァイク
「ツヴァイクでは、ルイ16世とアントワネットが正式の夫婦になるまで何年もかかったことや、フェルゼンとアントワネットの関係の有無について、結構丁寧に描いてますね。子どもの頃は理解できなかったと思うので、こういう話は大人になってから知ってよかったな」
「今回、また『ベルばら』を読み直してみて、オスカル死後のストーリーも興味深く読めました。やっとフェルゼンの魅力に気づくことができたのが最大の収穫かな」
「私は『ベルばら』よりもツヴァイクを先に読んでいて。とても感動して大好きな作品だったんです。
その後、『ベルばら』を読んだとき、『ああ、これはまさにツヴァイクだ』と驚きました。オスカルとアンドレは、確かに架空のキャラクターですが、ものすごい魅力的で、違和感なくこの世界にいて、『ベルばら』はそれがすごいと思いました」

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『ベルばら』の原点
「今回の新訳版の帯には池田理代子先生からメッセージをいただいたんです。

『池田理代子、高校二年生の夏、
この本と出あう。
「ベルサイユのばら」はここから始まった。
-池田理代子』」

一同、この言葉を読んで
「池田先生、高校2年でツヴァイク読んで、20代で『ベルばら』描いたんだ…。なんと言うか、やっぱりすごいですね」
今回の参加者は皆30代以上。高校生のとき、20代前半のとき、自分が何をしてたかに思いを馳せて、しみじみしてしまったのでした。

   ★     ★    ★

おまけ1:ほかのマリー・アントワネット関連本について一言評
遠藤周作「マリー・アントワネット」:
 「遠藤周作版はルイ16世に結構同情的な視点。」
 「アントワネットと、架空の人物マルグルリットとの対比がポイント」

フレイザー「マリー・アントワネット」:
 「映画の原作というより原案。映画とは違うところも」
 「マリア・テレジアとアントワネットの関係に注目」

カストロ「マリー・アントワネット」: 
 「ツヴァイクが『ベルばら』の芯だとしたら、カストロは背景や小道具など細部の描写を固めている」

おまけ2:映画「マリー・アントワネット」
皆が観たばかりの映画「マリー・アントワネット」にも話が及びました。

「映像がきれいでしたね。女性監督だなって感じた」
「ファッションもステキだったねー。」
「オーストリア時代のアントワネットの服って簡素すぎないですか?お姫様と思えない」
「馬車もちょっとイメージと違う感じ」
「ちなみにあの時代にマカロンはなかったんですよね」

「王家の食事の様子を見学される場面とか、室内楽の様子とかは『へえ、そうなんだ~』って面白かったね。」
「そうそう、映像で観ると理解しやすい」

「後継ぎ問題は結構身につまされた。日本の皇室事情を重ね合わせたりして」
「ルイ16世はいい感じだったね。今思うとルイって本当にいいダンナさん。この映画でルイのファンになった人もいましたよ。」
「デュ・バリー夫人とポリニャック伯夫人はちょっと品がなさすぎるっ」

そして皆一様に叫んだのは、
「フェルゼン!あれはないでしょ!」

そう、映画のフェルゼンは『ベルばら』ファンにとってはちょっと許せないかもしれません。色男だし格好いいんですが、いちばん大事な“誠実さ”がない。フェルゼンは“恋を知らない若い人妻アントワネットがポーッとなる格好いい男”としての存在で、『ベルばら』ファンをうっとりとさせた忠実なナイトっぷりはどこへ?なのでした。

映画で、本で、ミュージカルで描かれるさまざまなマリー・アントワネット像、でもいちばんキュートで幸せなのは、そう、『ベルばらKids』のアントワネット、なのは間違いないかもしれませんね。

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2007/02/25 6:00:00 Kidsのアトリエから | | トラックバック (1)

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