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2007年2月16日 (金)

アニばら解体新書

アンドレ、オスカルをグーで殴る(第1話)

 以前なにかで読んだのですが、池田理代子先生は、当初「ベルばら」をあくまでアントワネットの物語として描いていたそうです。最終的にオスカルが第2の主人公になったのは、想定外の出来事だったと。

 たしかに原作初期のオスカルはアントワネットを傍観する立場で、物語を動かす存在ではありませんでした。しかし、アニメでは最初からオスカルが主人公として設定されているため、オスカルの周辺をより細かく描きこむことができました。そのため、原作初期にはあまり描かれずにいたオスカルとアンドレの関係を描くことに成功しています。
 その顕著な例が、第1話「オスカル!バラの運命」での、アントワネットの警護をめぐるエピソードです。

 原作では、異国からの皇女に誇らしげな気持ちで仕えるオスカル。しかしアニメでは、アントワネットの警護を引き受け、軍服を着ることが、そのまま軍人として生きること、つまり“男として生きることを引き受けること”と描写されています。
「アントワネットの警護のために軍服を着るか否か?」が、今後の人生を決定する選択としてオスカルに迫ってくるのです。

 意気揚々とオスカルに警護を任命する父に、「女のお守りはしたくない」と、オスカルは返します。娘の気持ちが見えないジャルジェ将軍は、アンドレに彼女の真意を探るよう命じます。

 父の策略に気づいたオスカルは、アンドレに対し、「はっきり言ったらどうだ。軍服を着ろと。」と叫びます。
しかし、アンドレは「着たくないものを無理に着るな。」と返す。
予想外の反応に驚いたオスカルはつい、「着るなと言えば天の邪鬼のオスカルはきっと着る。そう思っているんだろう」とまさに天の邪鬼なことを言い出します。
ムッとしたアンドレはオスカルに殴りかかります。しかもグーで。負けじと殴り返すオスカル。そして、殴り疲れた二人は地面に座り込みます…。

 こっ、これはどこの「巨人の星」ですか? 
 視聴中、思わず目が点になってしまいました。監督の意図するものをよく理解できなかったので、一緒に見ていた弟に「少年マンガにはよくこういう描写があるが、この描写の意図するものはなにか」と問いかけました。

 「男の子のルールでは、力と力の対決は互いの順位を決めるための行為なんだよ。だから逆に、殴り合いの結果がうやむやになっているときは、二人の関係が対等だって事が明示されるんだよ」との答え。

 なるほどオスカルとアンドレの性差や身分差を超えた対等さが表されているのですね。個人的には気のおけない幼なじみでも殴り合うのはイヤですが…。

 殴り合って落ち着いた様子のオスカルに、「おまえの生き方を規制したくなかったんだ」と語りかけるアンドレ。それを聞いて無言で立ち去るオスカル。
アンドレは「オスカル、これだけは言わせてくれ。そのかわり、もう二度と口にはしない。オスカル!今ならまだ遅くはない。女に戻るなら、今だぞ」と叫び、彼女の背中を見送ります。

 第1話は、軍服を着ることを決意したオスカルが、桜吹雪を背にアンドレとともに旅立つ場面で終わります。男として生きることを引き受け、これからも過酷な運命を引き受けるオスカルと、それをそばで支えるアンドレ。門出の象徴である桜の間を、ふたりで進んでいくというこの場面は、作品全体でのふたりの関係を象徴する、魅力的な場面です。(当時のフランスでも、桜は門出の象徴だったのだろうか、と思いつつ)

 少年少女だったころの、ふたりの絆を新たにかいま見ることのできる第1話のエピソードは、アニメで新しくつけ加えられた魅力と言えるでしょう。(池田智恵)

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2007/02/16 10:40:00 アニばら解体新書 | | トラックバック (0)

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