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2007年4月26日 (木)

天の涯から―東欧ベルばら漫談

Shall we ダンス?~一度、あなたと踊ってみたい~

 ポーランドでの結婚式は、私にとって、決して甘美なものではありませんでした。なぜかと言えば、ポーランドの披露宴は一晩中続く上(地域によっては三日三晩ぶっ通し)、新郎新婦の愛のダンスを披露しなければならないからです。

 タカラジェンヌじゃあるまいし、「二人でダンスを踊れ」と言われても、そう簡単に踊れるものではございません。式の前夜、ダンスが得意な知人夫婦に教えを乞いましたけど、いざダンスが始まってみると、ドレスの裾は踏むわ、ハイヒールは脱げそうになるわで、私も夫も穴があったら入りたい心境でした。
 記念のビデオには、相撲のがぶり寄りのようなダンスの映像が残っていて、今思い出しても恥ずかしい出来事の一つです。

 しかも花嫁は、男性の招待客に誘われたら必ずお相手をするのが礼儀で、席でゆっくり休んでいる暇もありません。次から次にダンスのお相手をして、午前4時に最後の招待客が帰った時には疲れで朦朧とし、ドレス姿のままホテルのベッドに倒れ込んだものです。

 夫曰く、「招待客は、ダンスぐらいしか花嫁に触れるチャンスがないからね。それに花嫁をダンスに誘うのも、男性の礼儀なんだよ」。

 つまり、女性をダンスに誘うのは、相手の魅力を讃えてのこと。女性がお年寄りだろうが、好みの女性じゃなかろうが、声もかけずに放っておくのは、騎士道に反することなんですね。

 ちなみに、ポーランドのおじさま方は、ダンスを申し込む時にはちゃんと腰をかがめ、手の甲にキスをして、「一曲、お相手を」 と品よく誘います。これはもう一朝一夕には身につかない身のこなしで、どんなに若くてハンサムな男性でも、こればっかりはそう簡単に真似できないんですよ。

 ポーランドでは、新年や祝賀パーティーなど、何かの催しには必ずといっていいほどダンスが踊られます。お年を召した方でも、それはそれは皆さんお上手で、「ほうっ」と見惚れてしまうほど。とりわけ、結婚して何十年も経つような高齢のご夫婦のダンスは、共に重ねた年月がにじみ出すようで、本当に美しく感じます。

 「ベルばら」では、オスカルマリー・アントワネットもダンスの名手でしたが、そんな華やかさとは無縁の男性が一名おりました。それはルイ16世陛下、妻マリーを誰よりも愛しながら、冴えない自分に強いコンプレックスをもち、ダンスを申し込むことさえ出来なかった、内気で控えめな男性です。

 「ダンスぐらい誘えばいいのに」――若い女性はそう思うかもしれません。でもコンプレックスを抱えた男性の心理は、女性が思い描いている以上に複雑でデリケート。なけなしの勇気を奮い立たせて声をかけても、冷たくあしらわれたり、鼻先で嗤われたりしたら、もう二度と立ち直れないぐらい落ち込み、傷つき、恐怖してしまうのでしょう。

 陛下だって、愛する妻とロマンチックに踊ってみたかったでしょう。他の男性のように、彼女の魅力を崇め、賛美し、その愛を思いきり伝えたかったに違いありません。
 でも怖かったのでしょうね。「自分なんか」という気持ちが歯止めをかけて、遠くから見つめているのが精一杯でした。

 マリーだって、心底陛下のことを嫌っていたわけではなく、自ら勇気をもって誘えば、きっと応えてくれたでしょうに、彼にはあまりに眩しい存在だったのかもしれません。

 ダンスというのは、単に踊りを楽しむだけではなく、男性が女性に歩み寄る一つのきっかけになるものだと思います。憧れの女性にいきなり話しかけることはできなくても、「一曲、踊って頂けますか」 というダンスの申し込みなら、会話のきっかけになりますものね。

 「ベルばらKids」では大活躍のルイ16世陛下。せめて陛下の夢の中では、最愛の妻マリー・アントワネットとロマンチックに踊る場面を見せてあげたいなあと思うのです。(優月まり)

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2007/04/26 11:00:00 天の涯から―東欧ベルばら漫談 | | トラックバック (0)

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