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2007年11月16日 (金)

アニばら不思議発見

召使は何人?

~めったにパーティを開かないジャルジェ家には召使があまりいないというお話~

 ジャルジェ家は、代々フランス王家に仕える由緒正しい家柄。お屋敷はロザリーがベルサイユ宮殿と間違えてしまうほどの豪華さ。きらびやかなシャンデリアに大きな暖炉、中庭には噴水に厩舎・・・、でも、何かが足りない、貴族のお屋敷らしさがいまひとつ、と感じるのはなぜだろう??

・・・よく考えてみたら、そう、ジャルジェ家には住人が少ないのだ。旦那様と奥様とオスカルとアンドレとばあや、大貴族のお屋敷なのに5人だけ? 原作では、男女の召使や御者もでてくるけれど、アニメ版「ベルばら」のジャルジェ家に、果たして召使はいないのでしょうか

 ということで、さっそく画面の隅々までジャルジェ家を観察してみたら、いました、召使が

 第1話「オスカル!バラの運命」では、「オスカル様のお部屋にバラの花を飾って」というばあやの指示のもと、楽しそうにお花を手に取るうら若い乙女が2人。彼女たちは服装からいってあきらかに女中と思われる。こんなに素直そうな娘が2人もいるのに、それに目もくれなかったアンドレはやっぱり目が高い…?

 次に登場したのが、第24話「アデュウわたしの青春」ロザリーが「わたし、ポリニャック家に参ります」と言ってジャルジェ家を出て行く時に、やはり2人の女中がロザリーの荷物を馬車に積み込んでいる。ということは、ジャルジェ家には召使が2人?さすがジャルジェ将軍、余計な人材を雇わない堅実な生活ぶりだ。

 とはいっても大貴族のお屋敷、女中ふたりでは、ばあやとアンドレとロザリーにかなりの労働が課せられてしまう。実際、あの3人はワインを運んだり、洗濯物をしまったり、様々な雑用をこなしていた。でも、ご老体のばあやが毎回フルコースを作るとは思えないし、奥様ましてやオスカルが料理をするわけがないから、コックは必要だ。それから、掃除係と庭師、最低限この3名は、画面には映らなかったけれどお屋敷に実在していたに違いない。

 第5話「バラと酒とたくらみと…」で、オスカルの母親が「アントワネット様のお食事係は168人もいる」と言っているように、事実、フランス王妃マリー・アントワネットには大勢の専属の女中がいて、その役割は規則で細かく決められていた。

 例えば着替えでは、まず、着付け係の女官がペチコートを王妃に手渡し、ドレスを差し出し、次に、王妃付きの女官長が手を洗う水を王妃の手に注ぎ、それから肌着を手渡す。ところが、そこに王妃の叔母か義姉妹がいれば、肌着を手渡すのは彼女らの役目となり、もし、王族の皇女がいれば、女官長が肌着を侍女頭に渡し、侍女頭がそれを皇女に渡し、皇女がそれを王妃に着せるという手順になるのだ。その間、アントワネットはじっと待っているだけ

 宮廷文化の影響か、パリ市民のお屋敷でも召使を抱えるのが上流階級の流行だったようで、ある金回りのいい徴税請負人のお屋敷では、皿洗い、料理手伝い、奥様付の6人の小間使いがいて、さらにそれとは別の召使が24人、なんていう記録も残っている。理髪師が奥様の髪型を整えている間、横には3、4人の召使が立ち、おしろいの箱、ピン、アーモンドのお菓子を渡す仕事に専念している、という具合だったのだ。

 ではもしオスカルに、身の回りの世話をする女中が何人もいたとしたらどうか。
 
とりあえず、国中の娘達からの応募が殺到するだろうから人選には事欠かない。この中から10名が選ばれたとして、例えば、朝の着替えにしても、まず、

 オスカルのベッドのカーテンを開ける係、
 パジャマを脱ぐのを手助けする係、
 本日の天候を伝える係、
 軍服にブラシをかける係、
 朝のご機嫌を伺う係、
 軍服をハンガーからはずす係、
 本日のスケジュールを伝える係、
 軍服を広げてオスカルに着せる係、
 本日ブイエ将軍が不意打ちの閲兵に来る確率を告げる係、
 軍服のボタンを留める係、
 昨日のベルサイユのニュースを伝える係、
 靴にブラシをかける係、
 本日の持ち物を読み上げる係、
 靴をオスカルに履かせる係、
 剣をオスカルに渡す係

 ・・・と手順をこなしていくと10名ではとても足りないのだが、これでは毎日、出勤時間に間に合うかドキドキものである。だいいち、こんなに女中に囲まれて育っていたら、オスカルの性格ももっとおっとりとして、「アンドレ行くぞ!」と、自分の準備さえ整えば相手はいつでも付いてくる、というマイペースぶりも発揮されなかっただろう。

<歴史かわら版> 農村からパリへ、仕事を求めて貴族の召使になる人々が増加

 「農村から都会への人口の流出が、農村の生産力減退を招くのではないか」。革命前夜の思想家たちの間にはこういう危機意識があった。「十八世紀パリ生活誌」で、当時のパリに生きる人々の姿を克明に記録した作家メルシェは、革命の原因のひとつが、パリの貴族に奉仕する召使や従僕になった人々だと書いている。 『ただ人に見せびらかすためだけの、あの役立たずな召使の大軍団こそ、都市に侵入しうる腐敗』であり、『農業からの人間盗み出し』であると。

 『奉公人のお仕着には、金モールや銀モールがついているのに、亜麻布の野良着は、かろうじて作男やぶどう作りの体をおおうかおおわないかといった程度』であった。フランス革命では、農村の生産力減退が革命の一因だったという説もある。時代が変わっても解決できない、この地方と都市の格差問題は、もはや世界史の普遍的な課題といえるのかもしれない。(智里chisato)

参考文献
メルシェ著「十八世紀パリ生活誌」岩波書店
別冊歴史読本「マリー・アントワネットとヴェルサイユ」新人物往来社

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2007/11/16 14:31:10 アニばら不思議発見 | | トラックバック (0)

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