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2008年1月15日 (火)

世界史レッスン

ココアだけでは癒されず――ルイ14世妃   1683年

  ~アントワネット生誕72年前~

 「王妃になって以来、幸せな日はたった1日しかなかった」--死の床で、ルイ14世妃マリー・テレーズはそうつぶやき、1683年、43歳の短い生涯を終えた。 

 確かに最初から最後まで夫に顧(かえり)みられることなく、宮廷人からは無視され続けた哀れな妻、惨めな王妃ではあった。あまりにないがしろにされているため、寵姫(ちょうき)モンテスパン夫人が王に、「もっと大事にしてさしあげて」と忠告したほどだ(夫の愛人から憐れまれるとは、こんな侮辱もない)。

 スペインから嫁いできたのが22歳と遅く、いつまでもフランス語が下手だったのと、容姿に恵まれていなかったせいで、このフェリペ4世の娘はヴェルサイユの奥の間に引っ込んでほとんど出てこなかった。

 子どもは3男3女を産んだが、ひとりを残して皆、早世している。異母弟カルロス2世(「血族結婚くり返しの果てに」参照)と同じで、遺伝的要因から健康な子どもを産めなかったのかもしれない。

 とにかく全く存在感の薄かった王妃だが、ひとつだけフランス宮廷に定着させたものがある。ココアだ。

 ココアの原材料カカオ豆は、16世紀初頭、探検家コルテスによってメキシコからスペインへもたらされた。以降、スペインの独占的輸入品となり、非常に高価なため他国にはなかなかひろまらなかった。

 しかしスペイン育ちのマリー・テレーズは大のココア好き。輿入れにあたって、わざわざココア専門家を連れてきたので、フランス宮廷にも愛飲者が増えていった。

 ところで当時のココアは砂糖だけでなく、場合によってはコショウ、卵黄、ヴァニラなどを混ぜて(18世紀にヴィーンへ入ると、マリア・テレジアはワイン入りとかバラの花入りココア)飲んでいた。

 「国王とココア、それがわたくしの2つの情熱」と、けなげに笑っていたマリー・テレーズだが、人生最後の言葉を聞くと、甘いココアだけで虚しさを癒すのは不可能だったことがわかる。(中野京子)

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投稿者 中野京子 2008/01/15 8:49:12 世界史レッスン | | トラックバック (1)

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