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2008年3月27日 (木)

ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美

池田理代子先生講演会レポート

 「アニばら不思議発見」の読者ライター智里chisatoより、3月7日(金)に行ってきた池田理代子先生の講演会をレポート。印象的だった先生のお話や、とっておきの「ベルばら」エピソードを、ほんの一部ですがお届けします!

■たとえ漫画でも
 講演会はまず、「ベルサイユのばら」連載開始当時の話から始まった――。集英社の少女漫画雑誌「週刊マーガレット」で「ベルばら」の連載が開始されたのは1972年。当時の「マーガレット」の編集者は全員が男という時代。しかも、本当は文学がやりたくて入社してきた彼らにとって、漫画、しかも少女漫画の部署に配属されたことは大変ショックなことだったらしく、お先真っ暗という心境の人もいたという。

 まだ駆けだしで、初めて長編を描くチャンスがやってきた池田先生は、たとえ漫画であっても、読み捨てられるものではなく、後世まで長く読み続けられるものを描きたいと強く思った。そして、その熱い思いとともに「ベルばら」の連載が始まったのだ。

 当時は地位が低かった漫画だが、最近では、現代日本を映し出す意義深い文化として認められ、世界にもブームを広げている。そうした背景もあって08年度からは国立大初のアニメ専攻科が、東京芸大の大学院に設置される。池田先生も教えに来てほしいと誘われたそうだ。それに対し先生は、本来漫画はサブカルチャーであり、アカデミズムの中に入ると力を失う、サブカルチャーだからこそ発揮できる力がある、そういうわけで芸大からのお誘いを断っているという。確固たる信念をもって「漫画のあるべき姿」を語る先生のお姿に、さすが漫画界の巨匠…と、圧倒されてしまった。

■台湾ブックフェアで先生が見たものは…
 最近、台湾のブックフェアに招待された先生は、会場でたくさんのアントワネットとオスカルのコスプレをした人々を見て、世界に広がる日本の漫画ブームを体感したという。台湾でも、ファンからの熱いメッセージが次々と先生に寄せられた。日本の漫画がもっと読みたい一心で日本語を勉強している、という人もいたとか。

 もうひとつ先生を驚かせたのは、滞在中のホテルで見かけた貼り紙で、そこには、「○月○日~○月○日、あの、『ベルサイユのばら』の作者が当ホテルに滞在中」と書かれており、さすがの先生もうっかり出歩けない…と話していた。

■先生の感じた、アントワネットの魅力
 先生が「ベルばら」を描くきっかけとなったのは、高校の夏休みにツバイクの「マリー・アントワネット」を読んだことだった。アントワネットがその資質を開花させたのは、フランス革命が起きて囚われの身になってから。そんな彼女の人生が、「こうならないようにしよう」と“反面教師”として先生の心に強く刻み込まれたのだ。

 一方でアントワネットの人間像にも感動を受けたという。かわいらしく魅力的で平凡な女性だったが、革命が起こってからはりりしい女性に変わっていき、ハプスブルク家の皇女としての誇りに目覚めていく。その過程は、一人の人間の生き様としての迫力に満ちている。「彼女は自分が歴史に残ることを自覚していた、そこで立派に死んでいこうと思ったのだろう」、と先生はおっしゃった。

■オスカル様の誕生 
 さて、ツバイクの「マリー・アントワネット」を読んだ先生は、フランス革命の漫画を描くべく、革命について調べていると、7月14日のバスティーユ攻撃で、フランス衛兵隊が寝返り、武器の使い方がわからない市民軍を助けて戦ったという史実を見つけた。この寝返りを決断した隊長はどんな人物だったのだろうと興味をもって調べたが、資料がなくわからない。でも、この人物のことをぜひ描いてみたい。わからないなら自分で作ってみようと思い、まだ若かった自分には男性を描くのは難しいと考え、女性にし、さらに、最後まで王家に忠誠を尽した実在の人物、ジャルジェ将軍の後継ぎにしようという設定を思いついた。

 こうして、オスカル様が誕生したのだった。

■昔からいた?ベルばらKidsキャラ
 Kidsのかわいい三等身キャラの面々は、朝日新聞beでの連載が始まる前から存在していたらしい。「三等身だったら、こんな感じ?」と想像しながら、仕事の合間に描いていたのが今のKids達なのだそう。気分転換に、自分の漫画のキャラクターを三等身にして遊ぶというのは、漫画家にはよくある“癒し”行為らしいデス。

■オスカル様のドレスがついに!
 只今全国各地で開催されている「永遠のベルサイユのばら展」。300枚を超える「ベルサイユのばら」の原画展示が見どころだが、もうひとつの目玉はオスカル様が着た、あの舞踏会でのドレス。文化服装学院の生徒が1年がかりで再現した作品が展示されているのだ。もともと実在しないドレスではありますが、ファンのわれわれにとってはまさに、200年のときを超えた、ジャルジェ家のお宝“復元”。ぜひとも見てみたい!

■質問コーナー
 「質問コーナーでは気後れしちゃってだめでした…」とアビさんからお便りがきていましたが、果敢に手を挙げたファンの方からは、原作についての質問から社会問題まで、先生をドッキリさせる難問が投げかけられた。例えばこんな質問だ…

Q:原作では、アンドレが死んだ日からあくる日の朝まで、オスカルがどう過ごしていたのか、その間が描かれていませんが、これは演出上、先生があえてお描きにならなかったのでしょうか、それとも、集英社の締め切りとかページ数の関係で描けなかったのでしょうか?(女性)

さすがの先生もそんな昔のこと聞かれて困るんじゃ…?と、会場一同、じっと先生の反応を見つめていると、「おそらくオスカルには想像を絶する苦痛だったと思われましたので、あえて描きませんでした」と、にっこり笑って答えられた。それにしても質問者は、原作を読んで以来ずーっとこの疑問を持ち続けて生きてきたのだろーか。そんな歴史を感じさせる質問だった。

ほかにも、連載当時の苦労話、漫画以外にもさまざまなジャンルにチャレンジしている先生の最近のご活動など、たくさんのお話を聞くことができました。何よりも、先生を間近に感じることができて、感激です~。先生、編集Oさん、ありがとうございました!(智里chisato

お便り募集このコラムをお読みになった皆さんの感想や質問をお待ちしています。 ⇒こちらの「ベルばらKids専用フォーム」からどうぞ。

投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2008/03/27 18:41:31 ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美 | | トラックバック (0)

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