2013年2月末をもってブログの更新を終了いたしました。 ⇒詳しく
e-book Japan ベルサイユのばら

0228delete -->

« オスカルのまなざしにクラクラ♪おたより | トップページ | うっそお〜〜ん「ばあやの謎…」 »

2008年4月15日 (火)

世界史レッスン

王は歌う? 1698年

  ~アントワネット生誕57年前~

 今回は久々にクイズです。以下の王たちが登場するオペラはどれでしょう?( )内は作曲家。

 ①グスタフ3世 ②ヘロデ王 ③フェリペ2世 ④ピョートル大帝 ⑤ヘンリー8世

 A)『皇帝と船大工』(ロルツィング) B)『アンナ・ボレーナ』(ドニゼッティ) C)『ドン・カルロ』(ヴェルディ) D)『仮面舞踏会』(ヴェルディ) E)『サロメ』(シュトラウス)

 正解はーー①D  ②E  ③C  ④A  ⑤B

 ①スウェーデンのグスタフ3世が、実際に仮面舞踏会で暗殺された事件については、以前「絶対君主たちの臨終シーン」に書いた。オペラでは、堂々の主役テノール。

 ②聖書をもとに、オスカー・ワイルドが妖(あや)しく戯曲化。踊りの褒美(ほうび)に欲しいものは何でもやる、と約束したヘロデに、サロメは「ヨハネの首がほしい!」--全篇これ官能の台詞と音楽がぎっしり。日本人の胃(耳?)には少々もたれるかも。

 ③政略上、息子ドン・カルロの婚約者を奪って妻にし、彼女に愛されないと悩む老フェリペ。ふつうそれは当たり前では・・・? しかし彼が歌う<彼女はわたしを愛したことがない>は、バスの名アリアとして有名。

 ④ピョートル大帝はロシアを近代化するため、ヨーロッパ各地を研修して廻ったが(「ばればれの変装」参照)、オランダでは自ら金槌をふるい、汗を流して、船大工として働いた。これはその1698年の史実を背景に、ピョートルのそっくりさんを本物が救う、というお伽話風コメディ。

 ⑤イタリアオペラなので、イギリス人の名前もイタリア語発音となり、ちょっとわかりにくくなった。アンナ・ボレーナとは、実はアン・ブーリン(ヘンリーに首を刎(は)ねられた、あの「1000日のアン」ですね)のこと。ヘンリー8世も、エンリーコ8世の名で登場する。

 この発音表記に関して常々思うことだが、オペラをあまり見ない人にはきわめて不親切なタイトルではないだろうか。『オセロ』が『オテッロ』になるくらいならまだしも、『シンデレラ』が『チェネレントラ』、『椿姫』が『ラ・トラヴィアータ(=道を踏み外した女性)』、『ロメオとジュリエット』が『カプレーティ家とモンテッキ家』(舌を噛みそう!)ですもん。

 日本は本気でオペラ・ファンを増やしたいと思っているのかしらん。疑問です。(中野京子)

★中野京子さんの新刊情報★
お待たせしました!「怖い絵」第2作が出ました!
「怖い絵2」(朝日出版社/価格1,890円)

 今回登場する絵は、「世界史レッスン」でも登場した『カルロス2世』の肖像画(「血族結婚繰り返しの果てに」)、ホガースの『精神病院にて』(「観光名所だった精神病院」)や、「神々のプロフィール」でおなじみのギリシャ神話のエピソードを描いたルーベンスの『パリスの審判』など20点。あの名画の印象が変わります。


詳しい本の内容はbook.asahi.com でチェック!

お便り募集このコラムをお読みになった皆さんの感想や質問をお待ちしています。 ⇒こちらの「ベルばらKids専用フォーム」からどうぞ。

投稿者 中野京子 2008/04/15 8:18:22 世界史レッスン | | トラックバック (1)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/165303/40885308

この記事へのトラックバック一覧です: 王は歌う? 1698年:

» 狂牛病 - 食人 - 致死性家族性不眠症 トラックバック 中野京子の「花つむひとの部屋」
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン」第108回目の今日は「王は歌う?」(フランス映画「王は踊る」のもじりです)⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2008/04/post_12b6.html#more  ピョートル大帝もヘンリー8世も、オペラに登場していることについて書きました。  この「花つむ」では別の話題。読んだばかりのノンフィクション『眠れない一族ーー食人の痕跡と殺人タンパクの謎』(ダニエル・マックス)についてで... 続きを読む

受信: 2008/04/15 9:59:54