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2008年6月13日 (金)

神々のプロフィール―ばらに宿った神話―

鷹になった高潔な人 ヒエラックスとロベスピエール

 「ベルばらKids」ブログでも最近ちょっと人気なロベスピエール。「ベルサイユのばら」本編では、祖国の先行きを憂い、理想に燃える若者として描かれ、脇役ながらオスカルにも大きな影響を与えている。

また、印象に残るのは、ロベスピエールが王制とは真っ向から対決する立場でありながら、貴族であるオスカルにも礼儀正しく、好ましい若者であったことだ。実際に彼のまじめすぎるほどの高潔さは色々な文献からも読み取れる。
仲間のエベールが裁判で「アントワネットが息子と性的関係にある」 と侮辱した際にも、エベールに対して憤っていたことが印象に残る。
 
 ところが、ロベスピエールといえば、一般的にはどうしてもテルール、恐怖政治という言葉を思い浮かべてしまう。エベールもまたロベスピエールによってギロチンに送られたひとりであり、その他たくさんの人が彼によって死に追いやられた。
 ロベスピエールは、多くの人を救いたいと願って立ち上がったはずなのに。

ギリシャ神話に登場する人物で、そんな悲しい英雄ロベスピエールにそっくりなのが、この“ヒエラックス”だ。

 ヒエラックスは生来、心正しく、優秀な男だった。
ある時、トロイア人が海神ポセイドンを軽んじて、供え物をすることさえも怠った。そのことに腹を立てたポセイドンは、トロイアの大地の恵みを腐らせ、海から怖ろしい怪物をかの地に送り、トロイア人を苦しめた。
トロイア人がヒエラックスの元に助けを求めた時、ヒエラックスはトロイア人に食べ物を与え、彼らの命を助けてやった。
ところが、ヒエラックスの善行は、海神ポセイドンにとっては自分への侮辱以外のなにものでもなかった。
ポセイドンは忌々しいヒエラックスを鷹に変えた。あれほど心正しく、多くの人の命を救ったヒエラックスだったが、鳥となってからは、他の鳥からは最も憎まれ、多くの鳥を殺すのであった。

高潔なヒエラックスにしてみると、トロイア人の命を救い、自分はみんなを助けた救いの神だと信じて疑わなかっただろう。
しかし、その正しいはずの行為こそが、皮肉にもヒエラックスを多くの鳥たちを襲い、命を奪う獰猛な鷹に変えてしまった。

ロベスピエールは、いつから恐ろしい鷹になってしまったのだろうか。鷹にならずに済む方法は本当になかったのだろうか。それとも、歴史にとってそれがどうしても必要だったのだろうか。(米倉敦子

《参考文献》
「メタモルフォーシス ギリシア変身物語集」 アントーニーヌス・リーベラーリス著 安村典子訳 講談社文芸文庫

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2008/06/13 11:00:00 神々のプロフィール―ばらに宿った神話― | | トラックバック (0)

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