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2008年8月28日 (木)

ベルサイユの音楽会

マリー・アントワネットとハープ

マリー・アントワネットは、音楽をこよなく愛し、幼少の頃のウィーン時代には、グルックらから音楽を教わっていました。チェンバロも弾いていましたが、特にハープがお気に入りで、ルイ16世のもとに嫁いでからも、ヴェルサイユ宮殿でハープを愛奏していたといわれています。
そのときに使っていた楽器は、マリー・アントワネット専任のハープ製作者ナーデルマンが作った、華麗で典雅な装飾が施されたハープでした。

ハープという楽器は、アントワネットの時代(18世紀後半)に発達しました。
従来の物は、半音が出せず、和音等の表現面で劣ったものと考えられていましたが、この問題を解決したシングルア・クションのペダル・ハープが、ホッホブルッカー(Hochbrucker)とベター(Vetter)という 2人の楽器製作者によって、1720年頃に発明されました。
この事によって、今までできなかった様々な曲が演奏可能になりましたが、以前よりは改善されたものの、まだまだ自由な演奏が出来るほど十分とはいえないものでした。

アントワネットは宮殿で、このシングル・アクションのペダル・ハープを使用していたと思われます。その後1782年に、クシノー(Cousineau)が、改良型のダブル・ペダル・ハープを考え出しました。やがてフランス革命が勃発し、1792年に国王一家がタンプル塔へ幽閉された際も、ハープが持ち込まれ、アントワネットはその中で演奏していたと言われています。もし、贅沢が許されたのなら、当時最新式のこのダブル・ペダル・ハープを使っていたのかもしれませんね。
その後1820年(諸説あり)に、現在とほぼ同じ型のダブル・アクション・ハープがセバスチャン・エラールによって作り出されてヨーロッパ中に広まり、その後いくつかの改良を重ねながら今に至っています。

noteアントワネットが使っていたハープ
アントワネットが使っていたナーデルマン・ハープはシングル・アクションのペダル・ハープです。シングル・アクションのハープは演奏できる調性が限られ、操作も煩雑で、変化音の演奏には限界があるなどさまざまな難点があって、ダブル・ペダル・ハープ、その後、ダブル・アクション・ハープにすぐに取って代わられます。コンサートで大きな音が出せるように、弦は太く張力は強くなり、現在のハープになっていきましたが、その過程で、素朴で味わい深い音色が失われたともいえます。

18世紀当時、ナーデルマン・ハープは、アントワネットが愛奏してブームになり、華麗で典雅な装飾が施された楽器それ自体が美しい芸術作品だったのですが、残念な事に、彼女の処刑とともに、王族・貴族の象徴として、このハープも破壊されてしまいました。
その破壊を免れたものも、数は少ないのですが現存します。日本では、ハーピストの摩寿意英子氏がナーデルマンの作った、シングル・アクションのペダルハープを所有しています。また、先日終了した東京日本橋の三越での「永遠のベルサイユのばら展」では、その時代のシングル・アクションのペダルハープが展示されており、その繊細で美しい作りを間近で見ることができました。現在開催されているそごう千葉では、開幕日に訪れたところ、見ることができなかったのですが、次回開催のハウステンボスでは、ハープとフルートの演奏会のほかさまざまなコンサートが予定されているようですので、是非足を運んでみてはいかがでしょうか?(Eriko)

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さまざまなハープ。左から2番目がダブル・アクション・ハープ、3番目がシングル・アクションのペダル・ハープ、武蔵野音楽大学 楽器博物館所蔵

<主要参考文献>
音楽之友社編   『音楽中辞典』 音楽之友社 2006
クルト・ザックス 『楽器の歴史 中』 全音楽譜出版社 2002
D.J.グラウト   『新西洋音楽史 下』音楽之友社 2001
H.J.ミラー       『新音楽史』 東海大学出版会 1996

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2008/08/28 9:11:37 ベルサイユの音楽会 | | トラックバック (1)

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