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2008年8月19日 (火)

世界史レッスン

マッチ売りの「少年」 1827年

  ~アントワネット没後34年~

 童話「マッチ売りの少女」は、アンデルセンが自分の母親をモデルに書いたと言われている。極貧の生まれだったアンデルセンの母は――このお話の哀れな少女と同じく――、幼いころ道ばたでマッチの束を売っていたという。

 摩擦によって簡単に火のつくマッチは、意外や歴史が浅く、19世紀の発明品である。イギリスの科学者ジョン・ウォーカーが、1827年、頭薬に塩素酸カリウムと硫化アンチモンを使って作ったのが始まりだ。

 1930年代には黄リンマッチができ、早くも実用化される(年代的にみて、アンデルセンの母親が売っていたのはこれだろう)。しかし頭薬に黄リンでは自然発火の危険性が高く、また有毒な煙が出て身体に悪いのとで、改良が進められ、48年に無害な赤リンによる安全マッチが考案されて、今に至っている。

 今に至る、とはいうものの、安価なライターや自然発火装置がふつうになった現在、マッチの出番は少ない。かつて日本はスウェーデン、アメリカと並ぶ三大マッチ生産国だったのだが・・・

 ところでスウェーデンといえば、ノーベル賞。世界でもっとも権威あるこの賞を創立したのが,スウェーデン人の科学技術者で事業家のアルフレート・ノーベル(1833~1896)だということは、知らない人はいないだろう。

 さて、ここからがまるで三題噺(さんだいばなし)みたいだけれど、このノーベル氏、少年時代にマッチを売っていたことがあった!

 破産した父親が債権者から逃れるためロシアへ逃げ、母親が女手ひとつで4人の子どもたちを育てていたので、少しでも家計の足しにと、兄といっしょに「マッチ売りの少年」をやっていたのだ。なんと健気だろう。 (中野京子)

《関連コラム》
アンデルセン、占い師のもとへ行く
ナポレオンの兵隊さん

《関連BOOK》
「メンデルスゾーンとアンデルセン」:同時代に生きた作曲家メンデルスゾーン、作家アンデルセン、ソプラノ歌手リンドーの3人の出会いと別れを描く。(中野京子著・さえら書房刊)

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投稿者 中野京子 2008/08/19 8:38:19 世界史レッスン | | トラックバック (2)

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