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2008年10月24日 (金)

神々のプロフィール―ばらに宿った神話―

ピュグマリオン効果―ル・ルーをオスカルのような美女にする方法

アンドレファンの私だが、今回はあえて大好きなアンドレに物申したい。
オスカルの姪っ子ル・ルーは、「自分はオスカルの血をひいているのだから、自分もいまにオスカルのような美女になる」 と思っている。そのことについてアンドレは、幼少時代のオスカルとル・ルーがあまりにも似ていないので、「そりゃあむりだと思うよ……」 とそっけない。
アンドレのこの言葉。ル・ルーのためを思うと、とってもよろしくない。
なぜかというと、それは“ピュグマリオン効果”に著しく反するからである。

ピュグマリオン”とは、ギリシャ神話上に登場するキプロスの若い彫刻家の名前を指す。
このピュグマリオンは元は大変な女嫌いで、頑なに妻をめとろうとしなかった。
ところが、彫刻家として天才的な才能のあるピュグマリオンは、生身の女ではありえないほどに美しい象牙の乙女をつくりあげた。
そして、こともあろうに自分の作品である象牙の乙女に恋してしまった。
象牙の乙女にピュグマリオンは、愛をささやいたり、抱きしめたり、口づけをしたり、贈り物をしたり、ついには、その冷たい身体を自分の寝所に横たえて、添い寝までした。
恋に狂う若者は、愛の女神アフロディテに熱烈に祈った。
「どうぞ、象牙の乙女を私の妻にしてください!」

象牙の乙女は、美の女神アフロディテを模したものであったため、乙女の美しさに大変気をよくしていた女神はピュグマリオンの願いを快く聞きいれてやった。
あるとき、ピュグマリオンがいつものように乙女に口づけすると、その唇は暖かく感じられた。手や胸も、ピュグマリオンが触れるとやわらかい肌に変わった。彼女は、本当に命を吹き込まれたのだ。
晴れてピュグマリオンは愛する乙女と結婚し、1人の女の子をもうけたという。

さて、“ピュグマリオン効果”とはなにかというと、この若い彫刻家がやったように、周囲の人間、教育者が子どもにたいして期待し、慈しみ、褒めて育てる。すると、長じて子どもが期待通りに育つという、このことなのである。

かのオードリー・ヘップバーンが主演したミュージカル映画『マイ・フェア・レディ』は『ピグマリオン』というバーナード・ショーの戯曲が原作だ。この物語は、ギリシャ神話のピュグマリオンに基づき、言葉のなまりの強くて粗野な貧しい花売りだった娘が、独身主義の教授の教育により、見事美しい淑女に変身するのである。

確かに、「お前はダメな子」と言われるよりも、期待されて褒められるほうが良いというのは、正しいように思える。自信と幸福感があふれるような子どもは、能力が高いことが多いように思える。
だから、ぜひともアンドレもル・ルーがオスカルのような美女になるよう、できるだけ彼女を褒めたたえてほしい。しかし、まあ、すでにあれだけ自信があって、あれだけ幸福そうなら、そんな必要もないのかもしれないけど。(米倉敦子

《参考文献》
『もう一度学びたいギリシア神話』 松村一男監修 西東社
『変身物語』 オウィディウス著 中村善也訳 岩波文庫

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2008/10/24 11:00:00 神々のプロフィール―ばらに宿った神話― | | トラックバック (1)

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