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2008年12月 9日 (火)

世界史レッスン<映画篇>

アメリカの地名に残る王たち 1757年

  ~アントワネット2歳~

 髪の真ん中だけ残し、左右を丸刈りにするヘアスタイルは「モヒカン刈り」といって有名だが、どこから生まれたかといえば、名前どおり、アメリカ・インディアンのモヒカン族戦士の髪型だった。

 モヒカン族の名を高からしめたのは、ジェイムズ・クーパーのベストセラー小説『モヒカン族の最後』。何度も映画化されており、一番新しい『ラスト・オブ・モヒカン』(マイケル・マン監督。1992年公開)がなかなか面白い。

 舞台は1757年のアメリカ東部。まだ独立前の新大陸は、イギリスとフランスの領地分捕り合戦が熾烈(しれつ)で、インディアンもそれぞれの部族でそれぞれの軍に味方し、命をかけて戦っていた。

 ヒロインは英軍将校の娘。渡米してきたばかりの彼女が、仏軍側インディアン、ヒューロン族に襲われたのを助けたのが、ホークアイ(鷹の眼)と呼ばれるモヒカン族の青年。実は彼はイギリス開拓団の孤児で、幼いころモヒカン族酋長に拾われ育てられたのだった。

 イギリス貴族のお嬢さまと、姿は白人でも心はモヒカン族の若者――この美男美女の大恋愛が、複雑な歴史と雄大な自然を背景に、ドラマティックに描かれる。

 原作の古めかしさが、逆に幸いしたといえよう。女性はあくまで美しくたおやかで、男はあくまでストイックで凛々(りり)しい。「何年たっても必ず迎えにゆく!」といったロマンあふれる台詞もたっぷり。何より主要人物たちは誰も皆――たとえ一時的に嫉妬したり迷ったりすることはあっても――、最後は人間として正しい道を選びとる!

 ちょっとだけ残念だったのは、ヒーローがモヒカン刈りではなくロングヘアだったこと。またこのタイトルでは、まるでモヒカン族は絶滅してしまったかのような誤解を与えてしまうこと(現在もちゃんと生活している)。

 さて、アメリカが英仏などヨーロッパ各国の植民地だった痕跡は、地名に残る絶対君主たちの名前からもわかる。たとえば――

 バージニア州は「バージン・クィーン」と呼ばれたエリザベス1世に、ジョージア州はジョージ2世にちなんでいる。ジェームズタウンは、当時のジェームズ1世から。

 ルイジアナ州はルイ14世、オハイオ州にあるルイビルはルイ16世の町(フランス語ville=ビル=町)を意味する。サウス・カロライナSouth Carolinaは、チャールズ1世Charlesとシャルル九世Charlesのふたりにちなむ。

 ついでにニューヨーク。これは王の名ではないが、チャールズ2世が弟のヨーク公にここを与えたことからきている。 (中野京子)

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投稿者 中野京子 2008/12/09 8:49:12 世界史レッスン<映画篇> | | トラックバック (1)

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