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2009年1月 9日 (金)

神々のプロフィール―ばらに宿った神話―

恋のハンター、オリオンの物語

あけましておめでとうございます。
3回目の新年を迎えた「ベルばらKids」でご挨拶ができ、とても幸せです。
今年もよろしくお願いします!

冬の夜空にひときわ目を引く星座といえばオリオン座
それは、海神ポセイドンとミノス王の娘エウリュアレの子どもである狩人の姿だ。このオリオンはたくましいだけでなく、美貌にも恵まれた青年であった。
オリオンの右肩にあたるベテルギウス、左足首にあたるリゲル。この2つの星はいずれも1等星で、都会であっても肉眼で見ることができる。
この存在感バツグンの星座となったオリオンは、英雄というより、とことん“ハンター”だ。
オリオンが狙うのは動物だけではない。女性も彼が大いに好む獲物なのだ。

男は誰もがハンター、男に愛されたくば追いかけさせろ」などと書いてある女性向けの恋愛指南本もあるが、オリオンのハンターぶりはそんな生易しいものではなかった。
たくさんの怪物たちの親玉でもあるポセイドンから受け継いだ並外れた腕力と、神を父に持つ誇り高さからくる、絶対に妥協しない執拗さでもって、半ば力づくで女性を征服するのだ。

オリオンはあるとき、キオス島の王女メロペに恋をした。
彼の強引な求婚に困ったメロペの父オイノピオンは一計を案じた。オリオンを酒で酔わせ、眠ったところをその両眼をつぶして、海へと放り捨てたのだ。
しかし、オリオンは海の神ポセイドンの息子、水中でも歩ける能力を授けられていたため、九死に一生を得た。
盲目になった不屈のハンターは、音をたよりに、ヘパイストスの鍛冶場に行った。そして、ヘパイストスの弟子である少年を奪い、その子を肩に乗せ、太陽神ヘリオスの居場所まで案内をさせた。オリオンはつぶされた両眼に太陽光を受け、どうにか視力を取り戻した。

こんな目にあえば、少しは懲りると思うが、オリオンはちっとも懲りない。
天を支える巨人アトラスの娘たち、プレイアデス7人姉妹に夢中になり、5年もの間彼女たちを追いかけ回す。見るに見かねて、神々の王ゼウスが彼女たちを天に上げたのがプレイアデス星団だという。自らも星座になった今、オリオンはこのプレイアデス星団を追うように昇るのだから、恐るべき執念だ。

しかし、この無敵のハンター、オリオンの命運も尽きるときがきた。
オリオンの死にはいくつかの説があるが、いずれにしても狩猟の女神アルテミスがからんでいる。
一説では、オリオンがある乙女を犯したため、アルテミスの矢で射殺された。あるいは、アルテミス自身を犯そうとして彼女からサソリを送られ、それに刺されて死んだ。
オリオンは暴力的なハンターであったためその報いを受けたかたちだ。
しかし、おもしろいのは、オリオンとアルテミスは相思相愛だったという説も同時に存在するということ。
この場合、アルテミスの双子の兄弟アポロンがふたりの仲をよしとしなかったという。そのため、アポロンは策略によってアルテミス自身がオリオンを射殺すようにしてしまったという。
結局、あまりに乱暴で直情的なハンターはいくら美青年であっても嫌われてしまったようだ。

『ベルサイユのばら』の男性たち、とくにフェルゼンアンドレアランジェローデルといったイケメンたちを理想的でステキな男性と思う女性はたくさんいると思う。
それはいずれも情熱的ではあるが、「男らしさ=腕力の強さ」という勘違いをしていないというのも一因であるだろう。
みんな忍耐強いし、紳士的であろうと常に努力している。
かといって、弱くはない。本当に女性にもてるには、身体も精神も両方強くなくてはいけないようだ。(米倉敦子)

《参考文献》
『ギリシア・ローマ神話辞典』 高津春繁著 岩波文庫
『ギリシアの神話』中公文庫 カール・ケレーニイ著 植田兼義訳
『もう一度学びたいギリシア神話』 松村一男監修 西東社

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2009/01/09 11:00:00 神々のプロフィール―ばらに宿った神話― | | トラックバック (0)

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