楽園の生活案内
幸せのしくみ
もし自分の運命が生まれたときからすでに決まっていたとしたら、人はどうなるのでしょう。
すでに自分のいる立ち位置が決まっていて、自分の限界も初めからわかっているのなら、それはもういくら努力をして高みに上ろうと思っても、まったく無駄なこと。
何故なら、どんなに頑張ってももう、すでに定められた枠線を超えることは決して有り得ないことなのだから。
さて、まさにそんな人生の悩みに直面していたのが、楽園の都の人々でした。
彼らは強力な絶対王政のもとで、野心という野心を綺麗に削がれ、生れ落ちたときから手にしていた身分の枠を超えることは許されませんでした。
けれども彼らはどこかでやるせない気分を感じつつも、そのようなことには負けずにたくましく生きる術を編み出しました。
彼らの論理は、こうです。
「どうせ自分たちの運命が固く定められているならば、その限られた狭い枠の中で、出来る限り面白おかしく過ごせばいいじゃないか!」
そういうわけで、楽園の都では何でもかんでも面白いことが第一の関心ごとになりました。
つまり、面白ければ何でも良し。
真面目なことは地味なわりに時間と手間ばかりかかるので、一切無し。
出来るだけいい気持ちでいたいから、とにかく見た目は大事。
裏を返せば見栄えさえ良ければ何でも良し。
何故ならそれが、一番効率良く快楽を味わえる方法なのだから。
真実の追究なんて効率の悪いことは、まったくもって野暮の極み。
そんな崇高なものを追い求めても、どうせ枠を逸脱するような悪い考えが出てくるばかりです。
というわけで、彼らはとにかく、これでもかというくらいに「快楽を味わう方法」について追求することになりました。
おそらく歴史的に、ここまで徹底して「快楽」を追求した文化はなかったでしょう。
彼らの楽園には不幸がなかったのではありません。
愛を失うこともあれば、不治の病におかされることもあった。
死亡率はやはり高かったし、定められた運命からは決して逃れられないというあきら
めもあった。
他のどの時代とも同じように、彼らは人類としての不幸をやはり同じように背負っていたわけですが、それでもなお、彼らの住むところが特別「楽園」と呼ばれたのは、何故なのでしょう。
それは、そこに住む人々が一体となって、半ば確信犯的に「楽園」を作り上げたからなのです。
彼ら自身が、世の中の何もかもを「快楽」として読み直し、解釈していったからなのです。
こうして、後世にこう語られることになる至上の楽園は、神から与えられたのではなく、人々の手によってできあがりました。
「自然はこれまでの法則を変えてしまった。
なぜなら、いやらしいものはすべて、輝くような美しさの奥に隠されてしまったからである。
どこを眺めても、目に見えるものは、美しさと澄みきった輝きだけであった・・・人は美しさの中に生き、美しさの中に死んでいった。
美しさは早くも、陣痛に苦しむ人々の枕辺に立ち、また死んでいく人々の手をさえまだ離さなかった。
美しさは沈むことのない太陽であった……」 (~フックス『風俗の歴史』4 安田徳太郎訳 角川文庫より~)
ところで、この真面目嫌い、面白いこと好きな精神にはどこかで見覚えがないでしょうか。
そう、これは若い頃のマリー・アントワネットの精神性とそっくりです。
彼女はまさに、楽園に住むに相応しい資格をもつ、模範的な住人だったのですね。
彼女は王妃でしたが、もし立場が違えば、天晴れなロココ人として、とても人気のある夫人として、社交界に君臨し賞賛されていたのかもしれません。
『秘密の花園』貴族たちの日常や文化がいっぱいなブログ。ベルばらKids関連話も更新していく予定です。よかったら是非、遊びにきてくださいね!」
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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2009/07/02 11:00:00 楽園の生活案内 | Permalink | トラックバック (1)
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今日はベルばらkidsぷらざの、mashironのコラム「楽園の生活案内」の更新日です
第2回は、「幸せのしくみ」について。
楽園というものはそこに住む人々が幸せだから「楽園」と言うのだと思いますが、そんな彼らがどのようにして幸せを掴んだか、という仕組みについてのお話です。
その仕組みについてはそちらに書いてありますので参照していただきたいのですが、ここでちょっと脱線すると・・・・彼らの「楽園創造」と私のブログは目指すところの構造が似ている。
なんてことを、個人的には感じています... 続きを読む
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