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2009年7月17日 (金)

神々のプロフィール―ばらに宿った神話―

隠し子騒動~モーリスとパエトン

『ベルサイユのばら外伝』「ジャルジェ将軍の息子あらわれる!?」では、オスカルの父ジャルジェ将軍の前に"隠し子"モーリス少年が現れる。
モーリスの母親フローラは、モーリスを残してこの世を去ってしまったが、彼女は庶民で、彼女が亡くなるまでモーリスも庶民の子どもとして育てられた。この庶民の子どもが貴族ジャルジェ将軍のお屋敷にまでやって来て「はじめましてお父さま」と言うのは勇気がいるのではないかと思う。それとも、少年らしく立派な将軍である父親への憧れに胸を膨らませていたのだろうか。

ギリシャ神話にもモーリスと同じく、まだ見ぬ偉大な父親を訪れた少年がいる。彼の名前はパエトン。このパエトンの偉大な父親とは太陽神アポロンであった。(ヘリオスとする説もあり)
アポロンはジャルジェ将軍と違い少年の本当の父親であり、この息子を愛していたため、自分が父親であることをすぐに認めた。しかもその証にパエトンの望みを何でもかなえてやると冥府の河に誓うまでした。しかし、このことは息子かわいさゆえの愚かな行為であったとアポロンは後悔することになる。
パエトンはよりによって太陽神の馬車に乗せて欲しいとねだったからだ。太陽神の馬車を引くのは火炎を吐く脚に翼を持った馬たちである。恐ろしいほどの速さで疾走するこの馬車こそ太陽光そのものであり、とてもじゃないがパエトンが御しきれるものではないのである。
アポロンは何度もパエトンに思いとどまるように懇願するが、輝ける父親に憧れ、父親そのものになりたいと願う少年の分不相応な願いを静めることはできなかった。誓いを違えることができないアポロンは、泣く泣く息子を馬車に乗せてしまった。
案の定、太陽神の馬車はすぐにパエトンの意志を無視して通るべきいつものコースを外れ、暴走してしまう。本来は天高く駆ける太陽神の馬車が大地の間近を走ったものだからたまったものではない。山は燃え上がり、湖や川は枯れはて、あちらこちらで大惨事を巻き起こしてしまった。それはまさにこの世の終わりではないかという光景だった。
神々の王ゼウスはパエトンの頭上に雷電を投げつけ、パエトンもろとも馬車を打ち壊した。パエトンはもちろんこの一撃で命を失ったが、雷電を投げつける際ゼウスはアポロンにも立ち合わせたという。アポロンはこの光景をどんな思いで見ていただろうか。

一方、モーリスはジャルジェ一家の善意のおかげで本当の父親ビュゾー大佐の腕に無事抱きしめられた。
おそらくパエトンも自分を息子と認めてくれたアポロンの愛情だけを受け取って満足しておけば、モーリスと同じようなハッピーエンドで終われただろう。とても残念に思えてならない。
米倉敦子) 

《参考文献》
『変身物語』 オウィディウス作 中村善也訳 岩波書店
『ギリシアの神話 神々の時代』 カール・ケレーニイ著 植田兼義訳 中公文庫

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2009/07/17 11:00:00 神々のプロフィール―ばらに宿った神話― | | トラックバック (1)

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