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2009年8月 6日 (木)

楽園の生活案内

貴婦人の午後

 何かと忙しい朝のお化粧を終えると、集まっていた訪問客たちもすっかり退散。
 貴婦人たちは楽器のお稽古を始めます。
 先生をお招きしてレッスンなどをするのですが、当時貴婦人方に人気のあった楽器は、ハープ
 そういえばマリー・アントワネットの得意な楽器もまた、ハープでした。
 アントワネットはさすが、流行を取り入れていたわけですね。

 そのほかにもこの時間、貴婦人方は読み方のレッスンを受けることもあるし、乗馬をしてブーローニュの森を散策し、同じように乗馬姿でやってきた紳士たちと挨拶を交わしたりなどもします。
 貴婦人方は少し男装めいた乗馬服などをお召しになっていたようですが、これがまた、女性のするこの姿からはなんともいえない妖しい魅力が発散されるらしく(まさにオスカル様の魅力ですね!)、紳士方はそういったものを目の保養として楽しんでいたようです。

 そのほかにもこの時間帯には、手紙を書いたり、読書に耽ったり。
 当時の手紙は、「精神にお化粧を施す技芸」だとされていましたから、宛先の人物の他にも、沢山の人々に読まれることを意識して書かれていました。
 このような手紙が当時はものすごく大量に書かれていたようですが、それらの手紙の数々がこの時間帯に熱心に創作されていたのかもしれません。

 それらが終わると、今度は正餐です。
 正餐の時間は、もともとルイ14世の頃は正午でしたが、次第に時間はどんどん後ろにずれていき、3時、もっとひどいときには4時か5時にまでずれこんでいったようです。 きっと早朝にまで及ぶパーティーが、そうさせてしまったのでしょう。
 貴婦人たちは正餐の時間になると夫の待つ屋敷に帰ります。
 夫はいつも、健気にも妻の帰りを待ち受けているのですが、これが当時の習わしでした。

 お食事のあとは、社交訪問やショッピング
 社交訪問は貴族の義務です。
 ちなみにルイ14世の時代には、貴族達はもっと宮廷に密着した生活を送っていましたから、宮廷とは別の「社交界」という考え方が生まれる隙間もなかったようです。
 そのような考え方が生まれるようになったのは、続く摂政時代、あるいはルイ15世の時代になってから。
 とはいえ、これが貴族にとっての仕事みたいなものでしたから、貴族たるもの、これをさぼることなどできませんでした。
 この時代の社交訪問の様子を伝えてくれる文章がありますので、ここにあげてみたいと思います。

 「上流社交界の人々は、週に2、3回、4~5時間を挨拶まわりにさいている。
 市内や域外区の街路という街路に馬車を走らせる。
 何度となく進み過ぎてはまた後ずさりを繰り返した後で、『記帳をさせていただく』ために、20軒もの戸口で立ち止まる。
 半ダースばかりの家には、15分ぐらいずつ顔を出す。
 今日は元帥夫人と長官夫人と公爵夫人のところに行く日だ。
 サロンに顔を出して、挨拶してから、空いている肘掛け椅子に交代で座らなければいけない。
 そんなことで160人から180人の知己をつくることができると、本気で信じている。」
~『18世紀パリ生活誌』 メルシエ著/原宏編訳より~

 これを見ると、いかに多くの時間と労力を社交訪問に費やしていたかがよくわかります。
 たったの15分の訪問を繰り返すなど、交際の密度としてはたいして親密ではないことが予想できますが、貴婦人にとって大切なことは、とにかく自分の崇拝者を増やすこと。 もちろん、どんな人に崇拝されるかも大事なことではありましたが、このようにまずは沢山の人々と出会うことによって自分の名声をできるだけ拡げる努力をし、するとその後にやっと何人かの重要人物との貴重な出会いが訪れた、といったような具合だったのかもしれませんね。

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『秘密の花園』貴族たちの日常や文化がいっぱいなブログ。ベルばらKids関連話も更新していく予定です。よかったら是非、遊びにきてくださいね!」

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2009/08/06 11:00:00 楽園の生活案内 | | トラックバック (1)

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今日はベルばらkidsぷらざのmashironのコラム、「楽園の生活案内」の更新日です 第4回は、「貴婦人の午後」。 朝の面会を終えたあと、次第にお日様が傾いてくるまでの貴婦人の日常をおっていきます。 詳しくはそちらを参照していただくことにして、こちらでは貴婦人の昼食について、少し書き加えておこうかと思います。 狩猟服に身を包んだアントワネット。 乗馬服を着て公園を散歩する貴婦人たちの魅力とはどのようなものだったのだろうか。 ルイ14世の頃の昼食は、こちらのブログでも前に触れ... 続きを読む

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