2013年2月末をもってブログの更新を終了いたしました。 ⇒詳しく
e-book Japan ベルサイユのばら

0228delete -->

« 今週のベルばらKidsは「革命画家ダビッド」 | トップページ | ベルばらde告白劇場(2) »

2009年10月27日 (火)

世界史レッスン<映画篇>

パロディ満載のフランケンシュタイン映画  1818年

  ~アントワネット没後25年~

 「フランス革命からフランケンシュタインへ」で書いたように、メアリー・シェリーがゴシック小説『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』を発表したのは、1818年のこと。これほどよく知られていながら、これほど読んだ人の数が少ない小説はない、と言われる一方で、映画化となると40作を超えるのだから驚く。

 数多(あまた)あるそのフランケンシュタイン映画のうち、抱腹絶倒の傑作コメディとして異彩を放つのが、『ヤング・フランケンシュタイン』(メル・ブルックス監督、1974年公開)だ。

 よく間違えられるが、フランケンシュタインというのは「怪物」の名前ではない。いろんな死体をつぎはぎして人造人間を作り上げた、一種のマッド・サイエンティストである博士本人の名前だ。

 名無しの「怪物」は、原作では、醜悪な外見と動物的身体能力を持つものの、知能は常人と変わらない、とされていた。ところが映画になるとーー初期のボリス・カーロフ作品の影響からーー知性の足りないモンスターとして定着してしまった。

 さて、『ヤング・フランケンシュタイン』だが、肉体は墓場荒らしによって調達した、大男の殺人鬼の遺骸。脳は精神異常者のもの(ただしラストでは脳を交換し、インテリ怪物(?)となって、めでたく美女と結婚できた)。

 物語は、かのフランケンシュタイン博士が亡くなって数十年後、彼の遺書が発見され、遺産が曾孫(ひまご)のフロンコンスティン(フランケンシュタインを英語発音しているだけ)に譲られるところから始まる。

 このフロンコンスティンはアメリカで脳外科医をしており、フランケンシュタイン家という自らの血統を恥じていたので相続を拒否する。だが異形の怪しげな使者がやってきて、博士を無理やり故郷トランシルバニアの城へ連れてゆく。

 おや?と思った人も多いのでは。なぜなら原作では、フランケンシュタインの故郷はスイス。トランシルバニアといえば、吸血鬼ドラキュラの土地。そう、この映画は、パロディ満載、各種ホラーのごった煮なのだ。

 博士が霧深い山道を馬車に揺られていると、遠くで人狼の吠え声まで聞こえる(ドラキュラ、フランケンシュタイン、人狼、とくれば近代3大モンスター)。城へ到着すれば、迎えに出たのは必要以上にいわくありげな老女中頭(『レベッカ』を彷彿とさせる)。

 よくまあ、こんな変てこな俳優ばかりを集めたな、というほど、皆が皆ものすごく個性的。登場した瞬間に笑いが起きるほど。

 観客が気づこうが気づくまいがお構いなしの、小さなお遊びも無数にあるーー警察署長の義手が、ある場面では左手に、別の場面では右手になっていたり、外の屋根にいた助手に呼びかけると、瞬間移動してすぐ隣で返事したり等等。

 この映画、ブロードウェイでミュージカル化の予定というので、とても楽しみ。 (中野京子)

movieヤング・フランケンシュタイン

監督: メル・ブルックス
出演: ジーン・ワイルダー、ピーター・ボイル他
公開: 1974年

⇒Amazon.co.jp on asahi.com で「ヤング・フランケンシュタイン」のDVDを検索

karaoke      karaoke      karaoke

★中野京子さんの講演情報をご案内します。

「早稲田大学祭」戸山芸術展講演
「怖い絵―華麗なるハプスブルク家の人々」
場所:戸山キャンパス戸山カフェテリア38号館AV教室
日時:11月7日(土)14時半~16時
定員:400名(入場無料)

⇒詳細はこちら

お便り募集このコラムをお読みになった皆さんの感想や質問をお待ちしています。 ⇒こちらの「ベルばらKids専用フォーム」からどうぞ。

投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2009/10/27 9:01:03 世界史レッスン<映画篇> | | トラックバック (1)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/165303/46595380

この記事へのトラックバック一覧です: パロディ満載のフランケンシュタイン映画  1818年:

» 国立新美術館「THEハプスブルク展」講演会のお礼とお詫び トラックバック 中野京子の「花つむひとの部屋」
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsプラザ」で連載中の「世界史レッスン<映画変>」第25回の今日は、「パロディ満載のフランケンシュタイン映画」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2009/10/1818-5426.html#more  ちっとも怖くないフランケンシュタイン映画について書きました。  メル・ブルックスの映画はいつも泥臭くて閉口しますが、でもやっぱり笑えます。ミュージカル「プロデューサーズ」も、昔、彼が別タイトルで作った映画をブロードウェイで... 続きを読む

受信: 2009/10/27 9:32:19