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2010年3月16日 (火)

世界史レッスン<映画篇>

真実の愛を見つけたら 1753年

  ~アントワネット生誕2年前~

 プレイボーイのタイプは、ドン・ファン型とカサノヴァ型に分けられるそうだ。前者は狩りと同じで、相手を追いかけ追いつめ捕まえるまでが花で、ベッドへもぐり込むという目的を達したら急速に醒(さ)め、あとは手の平を返す。後者は、相手に年齢性別美醜を問わず、誘惑するのもされるのも好きで、誠心誠意尽くし、自分も相手も共に楽しむため情事後も怨まれない、全方位もてもてタイプ。

 1753年のヴェネチアを舞台にした『カサノバ』(ラッセ・ハルストレム監督、2005年公開)は、かろやかなロマンティック・ラブコメディのしあがりになっている。

 そもそもドン・ファンは、スペイン伝説上の架空の人物(フランス語ではドン・ジュアン、イタリア語ではドン・ジョバンニ)。一方、ジャコモ・カサノヴァは、ヴェネチア生まれの実在の人物だ。

 カサノヴァは外交官・哲学者・ヴァイオリニスト・軍人・魔術師・商人・作家として(!)ヨーロッパ中を転々とし、行く先々で姦通・決闘・異端行為・追放・投獄・脱獄と、スキャンダラスな話題を提供し続けた。

 モーツァルトがプラハで『ドン・ジョバンニ』を初演したとき、カサノヴァも――そのころはすでに60歳を超えていた――聴きにきたことがわかっている。ふたりが言葉を交わしたかどうかは、不明。

 カサノヴァがプレイボーイの名を不滅のものとしたのは、晩年フランス語で書き記した『回想録』による。冒険と漁色(ぎょしょく)に満ちあふれたこの自伝には、彼と愛し合った、貴婦人から下女にいたる夥(おびただ)しい数の女性たちが登場する。

 さて、映画にもどると、これは若きカサノヴァがいくつもの情事を重ねるうち、ついに真実の愛に目覚めるという、完全なフィクション。

 主演のヒース・レジャーはすばらしく魅力的なのだが、どうもカサノヴァのイメージと違うなあ、と思っていたら、それがラストにうまく生きる。なかなか気のきいたひとひねりがあるのだ。

 シェークスピアが引用されたり、ディズニーランド風のヴェネチアも楽しい。脇役がまたそれぞれに見せ所があり、紆余曲折の末、みんなが自分に一番ぴったりの恋人を見つけるので、とても後味がいい。

 歴史上の誤りだのなんだのと固いことは言いっこなしで、クスクス笑って楽しみましょう。(中野京子)

movieカサノバ

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監督: ラッセ・ハルストレム
出演: ヒース・レジャー、シエナ・ミラー他
公開: 2005年

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中野京子さんのテレビ出演情報をご案内します。

★番組名:「知る楽―探求この世界」(NHK教育テレビ)
★放映日時:月曜夜10時25分~(2月と3月で全8回)

第7回 死を忘れるな ~死と乙女~
本放送:3月15日(再放送:3月22日)

第8回 癒やす力 ~イーゼンハイムの祭壇画~
本放送:3月22日(再放送:3月29日)

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2010/03/16 8:50:05 世界史レッスン<映画篇> | | トラックバック (1)

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