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2010年4月29日 (木)

楽園の生活案内

性別の境界線

 ヴェルサイユの楽園では、「男らしい」とされるものと「女らしい」とされるものにあまり距離がありません。
 法律では確かに男女の身分の違いは明確にあったのですが、全体をぱっと見回した感じでは、きっちりとした明確な性差を感じさせないような印象を受けることが多いように思います。

 例えば、衣装の色ひとつとっても、男女にはそう違いが見受けられません。
 現代の私たちには「男の色」「女の色」といった区別の仕方があるということを、子どもでも知っていますが、楽園ではそれらが区別されていたのかどうか、ぱっと見ではよくわかりません。

 衣装の華やかさをとってもそうです。
 女性はもちろん、凝った刺繍やリボン、レースなどでとても美しく装飾的に着飾っていましたが、これらの素材については男性でも同じように用いられます。
 男性もやっぱり、芸術の域に達したような刺繍であったり、リボン、レースなど、私たちの間では「女の子のもの」とされるようなものを、女性と同じように身にまとっていました。

 それどころか、男性は刺繍を楽しみ、耳の上まで巻き毛を垂らし、犬とふざけ、鏡の中の自分と話し、レースをもてあそび、装飾品がこわれたといって腹をたて、オウムが病気になったからといって気絶し、旅にはコスメボックスが欠かせなかったのだという。
 どうも楽園の男性は、女性化しているといっていいようです。

 反対に、女性はとてもしっかりとたくましく生きていました。
 貴族たちの社交の中心であるサロンでは、主人は女性が勤めました。
 そして彼女たちは政治にも介入し、権力を持っていたのです。
 アカデミーの会員になるのにも、高級官僚になるのにも、こうした有力な女性たちの推薦がなければなることができませんでした。
 私たちが知っているような啓蒙思想の思想家たちも、彼女たちにゴマをすることによって有名になったといってもいいほどです。
 さらには、『ベルサイユのばら』ではオスカルが男装していますが、この男装は、一時的なことであるならば、特別珍しいわけでもなかったようです。
 女性たちは旅行や乗馬を楽しむときなど、必要に応じて男性の格好をしました。

 とはいえ、女性たちは本当に男性のようになってしまったわけでは全くなく、あくまで女性としての魅力を保っていました。
 それどころか、恋愛では男性に快楽を与えることがマナーとされていただけのことはあって、快楽を与えることにかけては右に出るものがいないほどの腕前でしたから、とても色っぽく、彼女たちは可愛らしくあることをいつも忘れませんでした。
 よく現代では、これらの女性らしさと男性のようなたくましさとを両立することは、矛盾するので難しいと言われがちです。
 けれども楽園の女性たちはこれを実現することができていたように見えるのです。
しかし逆に男性のほうはとても無気力な風潮になっていましたから、男性については「両立」とは言いがたいかもしれません。
 これらから思うに、この楽園では、本来の性からもう片方の性に向かって歩み寄っていったのは、どちらかというと男性のように思えるのです。

 そういえば現代日本では「草食男子」なるものが流行していましたが、これらはもしかしたら、この楽園の男性と少し似ているということかもしれません。
 物に満たされた場所ではいつも、男性が女性化するものなのでしょうか。
 それとも現代はヴェルサイユの楽園のように、「楽園」に近い世の中だと考えてもよいのでしょうか。
 性別の特徴というものは一見固定されているもののようにも思えますが、このように色々と変動するもののようです。

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2010/04/29 11:00:00 楽園の生活案内 | | トラックバック (2)

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