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2010年5月20日 (木)

楽園の生活案内

不倫の論理

 楽園での結婚とは、とても合理的なものです。
 合理的だと思えるポイントはいくつかありますが、まずは物理的なものについて。
それは称号と財産に関することです。
 楽園の住人たちが手にしている貴族の称号とは、なりたい者が欲しいと思ったときに突然実力で手に出来るようなものではありません。

 それは家単位で、その血統によってしか存続出来ないものなのです。
 血統が絶えてしまって、せっかく自分が手にしていた地位が消滅などしてしまっては大変ですから、貴族たちにとって跡継ぎ問題とはとにかく重要なもの。
 それに加えて貴族は財産を沢山持っています。
 これらをどう維持し、できるだけ発展させていくかというのがまた貴族の人々の関心事なのですから、貴族にとって結婚とは、自分の称号を維持し、場合によっては家の存亡にまで関わってしまうという重大事ということになるのです。
 そういうわけで、貴族たちの結婚はできるだけ家の発展に対して貢献すべきもの、あるいはハプスブルク家のように、家を大きく発展させるチャンスだとまで思われることになりました。

 家柄はあるが財産の足りない者は、家柄はなくても財産のある者と。

 財産はあるが家柄のない者は、財産はなくても家柄のある者と。

 こうして貴族の家はできるだけ拡大していけるように、家長による理性的な判断によって最良の相手を結婚相手として選ぶというのが当たり前となったのです。

 さて、ここまででも相当合理的だと思いますが、しかしそのような世の中では、何と言ってもつまらない。
 地位や財産のことにばかりかまけて恋愛のない世の中など、何の楽しみがあるというのでしょう。
 特に楽園の人々は、何をおいても快楽に身を捧げることをモットーとしているのです。
 このような真面目で退屈な世の中など、とても耐えられたものではありません。
 そういうわけで、楽園の人々はこの対策として、貞操観念というものを社会全体で軽視することにしたのです。
 つまり彼らは精神的な方面においても利益を得られるように工夫をしたのです。

 娘たちは跡継ぎを産まなければならないことから、結婚前の男女交際は基本的に禁じられていましたが、結婚したらむしろその禁は解除されました。
 結婚したら娘は初めて一人前の女になったことを社会から認められ、夫ではない男性と恋愛することを奨励されるようになるのです。
 結婚して相手に執着などする者は、男であろうと女であろうと社会全体の財産を独り占めしようとする不届き者として、むしろスキャンダルの的になりました。
 夫婦はコの字型の屋敷の両端にそれぞれ住み、お互いの生活には干渉することなく暮らすのがスマートだとされたのです。

 こうして楽園では、結婚によって家の繁栄を応援しながらも、それによって快楽を犠牲にしない、よい方法を発明したのでした。
 娘たちは父親に、何の愛着も持てないような結婚を強いられはしましたが、これからやっと始まる華やかな社交界や蜜のように甘い恋愛生活に期待を膨らませ、その自由への切符を喜んで手にしたのだといいます。
 すべての男女はすべての男女のものであり、快楽を共有する相手は、結婚によって減ることもない。
 物理的な面においても精神的快楽の面においても、全くもって合理的なシステムではないでしょうか。

 ちなみに恋愛の大芸術家として名を馳せたマダム・デピネイは、彼女のサロンの中で貞操についてこのように語っています。
 「美しい貞操ですって。そんなものはからだにピンでとめたようなものですわ」
 つまり、ピンでとめてあるだけなのだから、いつでも簡単にからだからはがしてしまってもよい、というわけです。

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『秘密の花園』貴族たちの日常や文化がいっぱいなブログ。ベルばらKids関連話も更新していく予定です。よかったら是非、遊びにきてくださいね!」

     

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《ベルばらKidsぷらざスタッフより》
 コラム『楽園の生活案内』を連載中のmashironさんが本を出しました。
 題名は『宮廷マダムの作法』で、「ロココ・ヴェルサイユの宮廷に出入りしている『貴婦人』」に的をしぼって、彼女たちの生活や慣習、人生などについて、彼女たちの目線を通すようにして描いているそうです。くわしくはこちらで⇒

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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2010/05/20 11:00:00 楽園の生活案内 | | トラックバック (2)

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今日はベルばらkidsぷらざの、mashironのコラム、『楽園の生活案内』の更新日です 第22回は、「不倫の論理」です。 やんごとなき方々にあっては、結婚後に不倫をすることなど当たり前。 むしろ美しい夫婦間の愛情は、世間ではスキャンダルになる有様です。 一体何故、そんなことになったのか。 今回はそれについて、知ればなるほど最もだと思われるような、楽園での事情についてのお話をしています。 それについてはそちらを参照していただくことにして、こちらではその「不貞」が一体どのように奨励されていたのか、結婚... 続きを読む

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