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2010年8月24日 (火)

楽園の生活案内

貴族の美

 人間は、見目の美しいものにはとても弱いように見えます。
 長い歴史のなかで、美姫に心を奪われ、必ずしも意図したものではなかっただろうに、持てる権力の大部分を彼女のために注ぎ込んでしまった君主は一体どれだけいることでしょう。
 誰にとってもきっと一度は心当たりがあるのではないかと思いますが、そのように美しいものに弱い心というのは、現代においてもやはり同じです。

 さて、君主専制の時代は、王権は見た目よりもずっと脆弱なものでした。
 家臣たちは王を目の前にすると頭をたれ、言葉もそれに相応しく慎みますが、これらは本当に王が偉かったために尊敬の証として自然に現れた態度なのではなく、むしろ逆のものでした。
 つまり王権は不安定だということを王は十分に承知していたために、王の偉さをこれでもかというくらいに周りにわからせる必要があったのです。
 王は周りのものに王に対する尊敬を強要し、彼らには王や宮殿のアクセサリーとなることを要求していきました。
 その意識が定着して初めて、世の中に平和が訪れたのです。
 そういうわけで君主専制の時代は貴族の反乱を避けるために、これ以上ないくらいに特権階級とそうでないものとを区別する必要がありました。

 そのようなとき、人々の心を狙った方向に導いていく良い方法があります。

 それが、「」というもの。
 王権はそれまでの時代とは異なった新しい美の基準を生み出し、その理想像を特権階級独自のものと結びつけることによって、人々の憧れの心を自動的に自分のものとすることができるように仕込みました。

 こうして王を頂点とする形で出来上がったものが、特権階級特有の「貴族の美」です。
 貴族にとっての美のキーワードとは、「労働に適さないもの」

 何故なら「労働しなくても良い」ということは、特権階級ならではの特権だからです。
 彼らはそれらをたくみに利用して、新しい美の基準を生み出したのでした。

 このキーワードは、楽園において「美しい」とされていた色々なものの根拠となって、君臨しているのです。

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『秘密の花園』貴族たちの日常や文化がいっぱいなブログ。ベルばらKids関連話も更新していく予定です。よかったら是非、遊びにきてくださいね!」

 

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《ベルばらKidsぷらざスタッフより》
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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2010/08/24 11:00:00 楽園の生活案内 | | トラックバック (0)

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