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2010年10月21日 (木)

楽園の生活案内

香りのみだしなみ ~前編~

 れっきとした紳士淑女にとって、香水を用いていつでも素晴らしい香りを漂わせておくということは、みだしなみとして必須なこと。
 楽園では様々な香りが流行しましたが、それには大きく分けると2つの動きがありました。
 今日はその、前半期にあたる流行についてのお話です。

 楽園の前半期は、主に動物性の、強烈な香りが好まれました。
 このとき使われていたアンバーシベットムスクなどの香料は、現在でも使われてはいますが、鼻が曲がってしまうくらいに強烈な香りなので、調合するときにはごく少量にします。
 しかしこの頃の貴族たちは、これらがもともと少量しか手に入らないような高価なものであるにもかかわらず、これらを濫用したのです。
というのも、彼らはこの糞臭にも似た強烈な匂いの香水にも増して、ものすごい体臭だったから。
 毎日肉は食べるし、その上入浴は体に害があると思われていたため、体の清潔については亜麻布やコロンを用いて拭くということでしかケアされていませんでした。
従って水を用いて体を洗うことなど、何ヶ月かに一度、それも医療行為として仕方なくのことだったのです。
 高貴な方々の健康日誌などを見ると、一生のうち一度くらいしか入浴しなかった人の例も、ちらほら見当たるくらい。
 入浴とはそれほど異例なことだったわけですから、彼らの体臭といったら、これまた鼻が曲がってしまうほどだったに違いありません。

 さて、これらの匂いがどれほど強烈であったのか、ほんの少しだけその様子を垣間見せてくれるエピソードが今にも伝えられています。
 ヴェルサイユ宮殿をつくった偉大なる太陽王、ルイ14世と、その寵姫モンテスパン夫人が、ある日馬車に同乗したときの会話です。
 ルイ14世は寵姫に、腹立たしげにこう言いました。

 「香水の量を減らせと余はそなたに何度も言ったはずだ。その匂いには全く気分が悪くなる」

 すると寵姫は負けずにこう答えます。

 「わたくしは、強い香水をつけずにはいられないのです。陛下がちっともお風呂に入ってくださらないので、遠慮なく言わせていただきますと、たまらなく臭いのですわ」

 こうして二人はこのことについてしばらくの間馬車の中で怒鳴りあっていたのだとか。

 ところで、いくら愛人とはいえ、恐れ多くも国王に「臭い」などと言うのは大丈夫なのかとハラハラしてしまいますが、ルイ14世自身はこの気の強い寵姫と喧嘩をするということがどうも楽しかったようなので、このことによって彼女が罰せられるようなことはなかったようです。

 しかし、強烈な匂いに慣れきっていたはずの彼らでさえ、「臭い」と感じてしまうこの強烈さ。
 もし現代に暮らす私たちが嗅いだら一体どうなってしまうのでしょう。
想像するだけでも鼻が曲がってしまいそうです。

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『秘密の花園』貴族たちの日常や文化がいっぱいなブログ。ベルばらKids関連話も更新していく予定です。よかったら是非、遊びにきてくださいね!」

     

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《ベルばらKidsぷらざスタッフより》
 コラム『楽園の生活案内』を連載中のmashironさんが書籍・『宮廷マダムの作法』を出版しました。
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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2010/10/21 11:00:00 楽園の生活案内 | | トラックバック (0)

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