2013年2月末をもってブログの更新を終了いたしました。 ⇒詳しく
e-book Japan ベルサイユのばら

0228delete -->

« 今週のベルばらKidsは「連綿たる女装男性史」 | トップページ | ベルばらカルタ2 »

2010年11月29日 (月)

ベルサイユの音楽会

オスカルの弾いているヴァイオリンとはどんな楽器?(4)

こんにちは。急に寒くなってきましたが、最近は紅葉が美しいですね。風の冷たくない日はお散歩をしたくなります。

さて、今回の「ベルサイユの音楽会」では、オスカルの弾いているヴァイオリンという楽器についてのお話しの4回目です。

今回のお話しは、ヴァイオリンに塗ってあるニスについてのお話しです。
ニスといっても、ヴァイオリンにとっては、ただ楽器が美しく見えるためのつや出しではないのです。ヴァイオリンを作るにあたって、銘器になるかどうかは、ニスにかかっていると言っても過言ではありません。それだけ「ニス」は、重要なのです。

<ニスの役割>
ヴァイオリンに最初にニスを塗った目的はイタリアでの伝統的家具や調度品を美しく見せるために塗った、トルコ原産のニスがヴァイオリンにも塗られた。というのがヴァイオリンにおけるニスの扱いの有力説です。もちろん、楽器に傷が付かないように、汗などの水分や汚れなどが木材にしみ込まないように、という保護の役割もあるでしょう。また、木材の強度を増す役割もしています。
しかし、その他に、ニスを塗る事によって、音の振動が塗らない時とは違い、格段に音色が違う事に制作者が気づき、研究が進められてきました。
そのため、ヴァイオリンの制作者は、本体の木の扱いももちろんですが、同じぐらいに、ニスをどう扱うかにも相当注意を払っています。

<銘器もまた>
まだ謎につつまれていますが、アマティや、ストラディバリ等の銘器と言われる楽器は何が現代の楽器と違い、現代では同じように作れないのかというと、その時代にイタリアのヴェネツィアには良質のニスが集まっていたからという理由から、現代のヴァイオリンとは、ニスが違うのではないかと言う説が有力です。
また、ニスの調合は制作者の腕の見せ所でもありますし、昔はとても秘密裏に行われていました。ストラディバリが息子にさえニスの調合を教えなかったという話もあります。それほどニスは重要視されていた事が伺えます。

<ヴァイオリンの制作過程と種類> (制作者によって多少違います)

ヴァイオリンの表面に塗るニスには、大きく分けると、樹脂をアルコールで溶かす「アルコールニス」と樹脂をテレピン油で溶かす「オイルニス」があります。
それらを数十回塗ります。
一回ニスを塗ると、季節や風土によって少し違いますが、一週間前後乾かすので、何ヶ月もの期間をかけて手作業にて丁寧に何度も何度も塗っていきます。ニスは何層にもなりますが厚塗りにならず透明になります。

白木を磨き、無色のニスを塗ります。
  ↓
その後色が付いている制作者のオリジナル調合のニスを塗ります。
  ↓
無色透明のコーティングニスを塗ります。
  ↓
また色のついたニスを塗る。

<謎だらけのニス>
ニスについては、いまだ現代の科学的技術を用いても、アマティやストラディバリの時代のニスの成分はわかっていません。オイル系を使ったのかアルコール系を使ったのかもわかっていないのです。
ニスについては、未だに謎に包まれています。
この事から、謎が謎を呼び、ストラディバリは悪魔からニスを手に入れただとか、ニスの魔力や神話の話は意外に沢山あります。(Eriko)

<主要参考文献>

音楽之友社編 『音楽中辞典』 音楽之友社 2006
緒方英子   『楽器のしくみ』日本実業出版社 2008
奥田佳道   『バイオリンおもしろ雑学辞典』 2009
HMミラー  『新音楽史』東海大学出版社 1996

お便り募集このコラムをお読みになった皆さんの感想や質問をお待ちしています。 ⇒こちらの「ベルばらKids専用フォーム」からどうぞ。

投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2010/11/29 10:00:00 ベルサイユの音楽会 | | トラックバック (0)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/165303/50137785

この記事へのトラックバック一覧です: オスカルの弾いているヴァイオリンとはどんな楽器?(4):