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2011年2月17日 (木)

楽園の生活案内

修道院と女性

 楽園に生きる女性たちにとって、修道院とはただの宗教施設ではありません。
 それどころか楽園の女性たちは、何も宗教に身を捧げなくても、生涯にわたって修道院とは身近な関係であり続けるのです。
 良家の子女たちは一定の年齢に達すると、今まで育ってきた自分の邸を離れ、修道院で生活を送るようになります。
 彼女たちはここで、生まれてからずっと、自分の邸で養育係や家庭教師の手によって与えられてきた教育を、今度は社交界に出ても恥ずかしくないようなところにまで引き上げ、完成させるのです。
 そして彼女たちは、ついに結婚に相応しい年齢にまで達すると、修道院を去り、夫のもとへと嫁ぎます。
 けれども、修道院を去ったとはいえ、修道院とはこの先まだまだ沢山、生活をともにする機会に溢れているのです。

 ここ楽園では、修道院は社会的に必要とされるあらゆることに対応し、とても広い用途に応えてくれます。
 あるときは人々を救済する家でもあり、あるときは女性にとって格好の隠れ家にもなる。
 そしてあるときは、家具付きのホテルにもなり、あるときには男性が自分の恋人を世間からの誘惑から守るために幽閉する場所にもなる。
 また、楽園の世で流行していた天然痘で不幸にも顔に欠陥ができてしまった場合にも、女性を世の目から遠ざける壁となってくれる、など。
 このように、女性がその一生の中で何か困ったことがあったときには、避難所として機能してくれるもの、それがまた修道院でもあるわけです。
 ですから修道院はこういった意味でただの宗教施設なのではなく、もっと身近で人間的な、俗世界のことについても良く機能してくれる、とても有り難い施設なのだといえるでしょう。

 ところで、現代に生きる私たちが「修道院」と聞けば、まず世間と隔絶された、厳格で静謐なムードを思い浮かべがちのように思います。
 けれどもこういった様々な人間的なことに対処できる機能を持っていたせいでしょうか、どうも楽園の修道院とは私たちが思い浮かべるほどには厳格でないようにも思われます。

 実際、成人して一度世の中に出た女性よりも、おそらくより厳格に生活をしているであろう、思春期に教育のためとして預けられた少女たちは、どのような生活を送っていたのでしょう。

 ここで社交界を夢見る少女たちは、将来訪れる素晴らしい毎日に相応しい自分になるように、女性としての優雅さや魅力を身につけるように努力を重ねます。
 基本的に陽気でのんびりとした生活、授業の合間にはちょっとしたお祭り騒ぎも楽しむことができるし、刺繍や編み物、友達と一緒に作る美味しいケーキ、福引き、占い、コンサート。
 作ったお菓子は、上手にできたらときには両親に届けてみたり。
 とりわけお行儀の良い子には、深夜に大人についてミサに出席できるという特権まであります。
 それどころか修道院内には、ヴェルサイユパリで起こったことも、きちんと伝わってくるのです。
 彼女たちはそれを聞きながら、この先自分に訪れるであろう楽しみに胸をわくわくさせ、そして修道院にいながらにして流行の感覚を学び取り、結果的にそれらは、ある意味では将来への重要な糧にもなるのです。

 このような修道院教育について、確かに、「お嬢さんたちがそこから出てきた頃には、そこで受けた教育の欠点を矯正するためにまた、もう一つの新しい教育が必要となることだろう」といったことを言う人々もいるし、小説などには、自分の意に反して修道院に入れられたという、悲痛な声を描写した作品も多く存在しているようです。
 しかし一方では、自分が受けていた修道院教育を、のちのち晩年になって懐かしむ女性たちも多いのだとか。

 家具付きで泊まれ、落ち着いていて、ヴェルサイユやパリの華やかな空気をどこかに感じながらも、牧歌的な印象さえ受ける修道院生活。
 少し極端な考え方かもしれませんが、もしかしたら私たちが想像するよりは、はるかに快適だったのかもしれません。

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『秘密の花園』貴族たちの日常や文化がいっぱいなブログ。ベルばらKids関連話も更新していく予定です。よかったら是非、遊びにきてくださいね!」

     

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《ベルばらKidsぷらざスタッフより》
 コラム『楽園の生活案内』を連載中のmashironさんが書籍・『宮廷マダムの作法』を出版しました。
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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2011/02/17 11:00:00 楽園の生活案内 | | トラックバック (0)

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