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2011年10月11日 (火)

世界史レッスン<映画篇>

ファイティング・ホームズ 1854年

 ~アントワネット没後61年~

 イギリスの作家コナン・ドイルが創造した名探偵シャーロック・ホームズは、小説の中の架空の人物にもかかわらず、あたかも実在していたかのように扱われる。ロンドンのベーカー街221Bの建物には、今もホームズの名を記したプレートが架けられているし、世界中のシャーロキアン(ホームズ研究家)によって、彼の生年月日は1854年1月6日と認定されている。

 とうぜん映像化は数知れず、最新のヒット作はハリウッド製「シャーロック・ホームズ」(ガイ・リッチー監督、2009年公開)。

 ホームズのイメージといえば、ふつうは背の高い典型的なイギリス紳士だが、この映画ではロバート・ダウニーJr.が演じているため小柄で、しかもイギリス人にも紳士にも見えない。その代わり(?)筋肉もりもりで、燃えよドラゴンなみに暴れまくる。

 ファイティングのシーンなど、まずホームズの頭の中で相手の弱点を瞬時に見抜き、ここをこう攻めたらこういう結果になるというシミュレーションがスローモーションで映され、次いでそのとおりのことがスピードアップして行なわれるのでけっこう面白い。

 全体がアメリカン・コミック風アクション映画になっているので、生粋(きっすい)のホームズ・ファンには不満もあろう。とはいえ原作のホームズもボクシングが強いという設定だったし、助手のワトソン博士も退役軍人だから、この程度には敵と戦えたのかもしれない(まさかね)。

 事件は全くの映画オリジナルである。連続女性殺人事件が5件も起き、黒魔術の信奉者たちの仕業(しわざ)と早々にわかるが、しかしベースにあるのはもちろん「ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)」だ。

 ホームズが活躍したのは、産業革命と植民地によりイギリスが繁栄を誇ったヴィクトリア朝時代の只中。文明の恩恵に与(あずか)れなかった貧しいイースト・エンドの片隅で、5人の売春婦がまるで解剖手術のようにばらばらに切り刻まれ、犯人はついに捕まらずに終わった(「世界史レッスン」の<金持ちはビール、貧乏人はジン」参照)。

 この時代はまたーー科学技術の著しい発展とは裏腹にーー怪しい心霊術や似非(えせ)科学が大流行した時代でもあった。映画に登場する秘密結社も、決して絵空事(えそらごと)ではなかったのだ。 (中野京子)

movie シャーロック・ホームズ

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 監督: ガイ・リッチー
 出演:  ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ、レイチェル・マクアダムス、マーク・ストロング
 公開: 2009年

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bell中野京子さんの著書

書名:印象派で「近代」を読む
出版社:NHK出版(216ページ)
発売日:2011年6月8日
価格:1050円(税込)
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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2011/10/11 8:16:50 世界史レッスン<映画篇> | | トラックバック (1)

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