『ベルサイユのばら』の魅力の一つは、史実と創作との絶妙な融合でしょう。
実際のフランス革命期に存在した人物や事件に、作者の池田理代子氏が新たに創造したキャラクターをおりまぜて、ぐいぐいと読者をひきこんでいきます。
『ベルサイユのばら』には、数々の悪女が登場します。ルイ15世の愛妾デュ・バリー夫人、首飾り事件を画策したジャンヌ、そしてアントワネットにとりいって数々の特権をほしいがままにしたポリニャック伯夫人。彼女たちは、作品の中でそれぞれ強い印象を残しています。
… (07/01/19)それは、クリスマス・イブのこと。
たまたま新宿に出る用があった私は、たいへんな人混みに遭遇し、思わずこう口走りました。
「きょうは…新宿はたいへんな人ですこと!」
… (07/01/05)歴史音痴の私ですが、この長~い名前だけは少女時代にばっちり暗記。それから早20数年、ヘタすると先週はおろか、昨日のこともおぼつかない、そんな記憶力に不安を感じまくる現在にいたっても、このフルネームは忘れることなくしっかり記憶しているのでした。
私が、サン・ジュストのフルネームを言える理由。
それは当然、「ベルばら」で彼を知ったからなのです。
会社に勤めていた頃、新入社員が入ってくると二言目には「で、好きなマンガは?」とマンガ話をしようとするので、「マンガ」というあだ名をつけられていたわたくし。そんな筋金入りのマンガ好きとしては、最近のマンガの社会的な地位の向上には、感慨深いものがあります。
… (06/12/01) 累計で1500万部を越え、いまだ熱烈に読み継がれる「ベルサイユのばら」。
この名作を作者の池田理代子氏が描こうとしたとき、掲載誌「週刊マーガレット」の編集部からは「待った」がかかったそうです。理由は「少女マンガで、歴史ものは当たらない」から。
しかし、絶対に面白いものを描けると確信していた池田先生は、「当たらなかったら打ち切り」という約束で、「ベルばら」の連載をスタート。
結果はもちろん皆さんご存じの通り、読者の圧倒的支持を得るのでした。
私がマンガを読み始めた70年代後半。それは、まだかなり明確に「男子向け」「女子向け」のマンガが分かれていた時代でした。
いまでこそ少年マンガを女子が読むことはまったく珍しくなく、絵柄も内容も男女ともに楽しめるようになってきています。
でも当時の少年マンガは、線が太くあらあらしい描線のマンガが主流で(と記憶しています)、小学生女子だった私にはなんとなく近づきがたく、かわいいラブストーリーが多かった2大少女誌「りぼん」「なかよし」の発売日を毎月楽しみにしている、スタンダードな少女マンガ好きだったのでした。
「ベルサイユのばら」の連載が週刊マーガレット誌上で始まったのは1972(昭和47)年のこと。
それから34年(!!)の年月がたちますが、何度も版を変えて出版され、今日にいたるまで、新しい読者を獲得し続けています。
連載開始当時4歳だった私の「ベルばら体験」は、当然、かなり後になってから単行本でまとめて読む、という形で始まりました。
もちろんそれは私なりに幸せな出あいでしたが、でもときどき、「リアルタイムで雑誌連載を読んでいた、(自分にとって)おねえさん世代読者の『ベルばら体験』」について、ふと思いをはせることがあります。
「ベルばらKidsぷらざ」のなとみみわさんの「ベルばら絵日記」、前回は「ベルばらイケメン談義」でした。
前回の私のコラムを発端(?)に、読者の方が「ジャニーズでやるなら、配役は?」というおたよりをくださり、ありがとうございます!
… (06/10/06) マンガ好きの性(さが)で、同じくマンガ好きの友人たちとふだん、
「スマップでは誰が好き?」
「私はむしろオダギリジョーかなぁ」
くらいのナチュラルさで、
「『ベルばら』では誰が好き?」
「私はなんといってもアンドレ!昔からずっと好き!」
「そうなんだ。いや、アンドレもいいけど、ワイルドなアランも捨てがたいですよね」
ってな会話を日常的にしている私です。
でも、このコラムをお読みになってるみなさんも、「どのキャラが好き?」談義、しますよね?
…あれっ!?しませんか?
以前、村上春樹氏の「村上朝日堂の逆襲」(朝日新聞社)というエッセイを読んでいたら、村上氏の奥さんのお姉さんが学生時代、堀辰雄の『風立ちぬ』を読んで、「健康というのは大切なものだと思いました」という読書感想文を書いて先生に大笑いされた、というエピソードが紹介されていました。
… (06/09/01)「なぜ…神は…わたしという平凡な女にふさわしい平凡な運命を与えてくださらなかったのだろう…」
これは悲劇の王妃、マリー・アントワネットの「ベルサイユのばら」での独白です。
マリー・アントワネットといえば、フランスの王妃として栄華を極めた人生の前半と、革命によりすべてを剥ぎ取られ断頭台の露と消える人生後半とのあまりの落差ゆえに、そのドラマチックな生涯に興味をもたずにいられない人物です。
「ベルサイユのばら」。この名作は、1968年生まれで大のマンガ好きの私にとっては、もはや「基礎教養」のような作品です。雑誌連載をリアルタイムで読んでこそいませんが、小学生のときに友達の家にあったコミックスでその華麗な世界にひきずりこまれて以来、自分でコミックスを買い何度も何度も読み返してきました。
… (06/08/04)「いつも心に少女マンガ」内容紹介
私たちの人生にとって欠かせない「マンガ」。勉強も恋愛も仕事も家庭も、大事なことはみんなマンガに描いてあった気がします。このコラムでは「ベルばら」を始めとする70年~80年代のマンガ(少女マンガに限らず)を中心に、「ベルばら」との比較も交えて読み解きます(このコラムは第1、第3金曜に更新します) 。