プロの業者やレストラン経営者でなくても生産者からワインを購入できるチャンスがあるこのワイン見本市、ここで出会うワインは一期一会のものばかり。運が良ければ大きなスーパーやワインショップに卸され、そこで購入することができるかもしれませんが、「パリで販売する予定はありますか?」「インターネットでの購入はできますか?」の答えが「ノン!」だった場合、個人で、それも1・2本単位での購入はまず難しいでしょう。
自慢のワインをずらり並べ「試してみる?赤、それとも白?」とボトルを傾けてくる生産者のみなさんの笑顔を見ていると、美味なる世界への誘いに胸が躍らずにはいられません。
さあ、どんどん試して楽しみましょう!
ワインの香りで満たされた見本市会場。アルコールでほんのりと上気した空気を吸うだけで、ほんのりといい気分になってしまいそう。でもベビーカーを押した家族連れの姿もちらほらと…。
これだけの広さがあると、どれから試してみるか迷うもの。シャンパンからはじめて、アルザスの白ワインを試して、それからプロヴァンスのロゼも、軽い赤を試したいからブルゴーニュも、やっぱりボルドーも忘れずに。そんな時にふとフォアグラサンドイッチの屋台が目に入って思わず購入、フォアグラを食べているとやっぱり南西部のワインが欲しくなって…と、あれもこれもと欲張ると広い会場を歩き回っているうちにアルコールが回ってしまって、こんなことになってしまうかも↓
すっかりできあがってしまって会場の一角が宴会状態の若者たち。この後係員に退場を命じられることに。
たくさんのワインを見て興奮してしまうその前に、ざっと計画を立ててみましょう。
以下、3つの方法を例に挙げてみましたので、参考にしてみてくださいね。
その1・生産地域で選ぶ!
表示の右下、赤枠の中に”VAL DE LOIRE(ロワール地方)”の表記。プラカード右下部分は、シャンパーニュなら黄色、ラングドックなら水色…と、それぞれ地域によって色分けされているのでお目当ての地域が見つけやすい。
ボルドー、ブルゴーニュ、プロヴァンス、ラングドック、アルザス、ロワーヌ河流域、ジュラ、サヴォワ、ロレーヌ、コルシカ島、南西地方、シャンパーニュ…、すべてのブースには生産地方が一目で分かるように掲げられています。
お気に入りの、または試してみたい地域が既に決まっているなら、早速ブースのムッシュやマダムに「ジュプグテ?(試してもいいですか?)」と問いかけてみましょう!
ブルゴーニュの辛口白ワインの代表といえば、シャブリ。これから年末に向けて魚介類、特に生牡蠣を食べる機会の多いフランス人のこと、この時期に揃えておきたいワインのひとつではないでしょうか。
上の写真は同じ生産者によって作られた、一見すべて同じものに見えるワインたち。
ラベルを紐解くと、同じ樹齢・同じ種類のぶどうの木でも違う畑に植えられたものからできたもの、同じ種類のぶどうでも樹齢が異なるもの…など、微妙に違いがあることが分かります。細かい話はさておき、同じ地域の同じ生産者によるワインでも実際試飲してみるとそれぞれの個性がはっきりと感じ取れるものです。
こうして生産者に直接一本一本のワインの解説を受けながら試飲できるのも、ワイン見本市の醍醐味でしょう。
金額も一目でわかりやすく。市場価格よりやや割安で販売しているところが殆どでお得。
その2・受賞歴があるワインを狙う!
一定の評価を得ているものを選ぶと、それぞれの味に個性の違いはあるものの「外れた!」と感じるものは少ないのではないでしょうか(先入観もあるかもしれませんが…)。
眼鏡のムッシュの背後のプラカードに注目。
“CONCOURS GENERAL AGRICOLE ” “MEDAILE D’ARGENT PARIS 2009”の文字が記されています。
これは、毎年2月末にパリで開催されている国際農業見本市Salon International de l'Agricultureのコンクールで2009年度に銀賞を受賞しました、という表示です。100年以上の歴史を誇るこのコンクールは、ワインのほかにもチーズ・バターなどの乳製品、フォアグラなどの乳製品など数多くの部門が設けられています。
※ちなみに、“Medaille d'Or”=金賞、”Medaille d'Argent”=銀賞、”Medaille de Bronze”=銅賞。
その3・生産者のキャラクター、ボトルのラベルデザイン…、ピンときたもの試飲してみる!
感嘆詞の“OH!”と、フランス語で「水」という意味の“eau”を掛け合わせた名前がつけられたワイン“OH de muscat”。ショップカードもおしゃれ。
私にぴったりの一本を探してみたい!でもワインのことはよく分からない!それに片っ端から試すなんてとても無理!
でも、ブースに立つムッシュのシャツや、ワインのディスプレイ方法、ラベルのデザイン…。「私の趣味に合ってる!」と思って試してみると、ワインの味も舌にぴったり合うものだった!そんな出会い方もあると思います。
前出の”OH de muscat”を早速試飲。muscatはマスカットのことで、果実味あふれる香りの高さが特徴的なのだとか。
更に「深刻に味の感想を述べなければいけないような、複雑で難しいワインは苦手」だと伝えると、「チョコレートとよく合う」というワインを薦められました。スパイシーで甘めのフルーティーなワインはとても個性的で、クリスマス用のデザートワインに早速購入決定。試飲の際にビター風味のアーモンドチョコが供されていました。
これは別のブースでラベルのデザインに惹かれて試飲した、ロゼの発泡ワイン。炭酸の泡が繊細でやや甘めの軽い味わい。薄いピンクが女の子同士のパーティーにぴったりだと思いませんか?これも即購入決定。
クリスマスに向けて、こんなデザインの箱も。
さて3通りの方法を挙げてみましたが、他にもぶどうの種類を極める、年代で選ぶなど、色いろなプランを立てることができると思います。
パリだけでなくフランス国内で数多く開催されているワイン見本市、とにかくお勧めです。フランス訪問の際にご都合が合えば、是非とにかく楽しんで!頂きたいと思っています。
フランス・ベルギーで開かれるSalon du Vinの日程が掲載されたサイト。要チェック!
Salons du Vin - Calendrier 2009
カートの取っ手よりもうず高く積まれた購入済のワインの箱。このカートを引くムッシュは業者さんかな?と思って聞いてみると、個人で消費されるとのお答えでした。更にこの後、ワンカートンのワインを追加購入しているところに出会いました。凄いです。フランス人のワイン好きは気合が違います。
いかがだったでしょうか?
パリも日本も本格的な寒い冬が訪れますが、是非ワインとともにクリスマス、そして新年を楽しんでくださいね!