感激!観劇記
樹里咲穂さんの舞台2本で歌声にはまる★スウィートチャリティ、花嫁付き添い人の秘密
昨年宝塚を退団した樹里咲穂さんの舞台2つを観ました。スラッとした立ち姿が格好いい元男役スターの樹里さんですが、宝塚時代は「ME AND MY GIRL」のジャッキーや「WEST SIDE STORY」のアニタなど女役の評判がよかったとか。宝塚で男役があえて女性を演じる場合、「ベルばら」のオスカルや「十二夜」のように男装していたり、「風と共に去りぬ」のスカーレットのように勝気で男勝りの性格だったりということが多いですよね。ジャッキーやアニタも、宝塚の男役が演じて面白いキャラクターだと思います。
そんな樹里さんが今回演じた女役は「少しトウがたった花嫁」と「姐御肌のホステス」(身も蓋もない言い方だ)。宝塚時代にはありえない役柄だと思いますが、踊りと、立ち姿と、何より歌声!どちらも樹里咲穂さんの魅力が十分楽しめた作品でした。役者の持ち味が発揮されていれば、男役、女役なんて関係ない、そう感じました。
「姐御肌のホステス」とは、ミュージカル・コメディ「スウィート・チャリティ」(9月17日までル・テアトル銀座。以降、大阪、愛知でも上演)のニッキーのこと。主人公チャリティ(玉置成実)の同僚ホステスで、もう一人の友人ヘレン(初風緑)と、無邪気なチャリティをからかったり、励ましたり、幸せを喜びあったり。「WEST SIDE STORY」のアニタに近いかもしれません。
「キャバレー」や「シカゴ」でおなじみのボブ・フォッシーの作品だし、場末のダンスホールのホステス役なので、衣装も踊りもセクシーです。だけど全体の雰囲気は色気だとか退廃的とかいうより、何だかはつらつとしていて、健康的な「エロ可愛さ」を感じました。
樹里さんの歌唱力を堪能できるナンバーは2曲。写真(photo/大高隆)はその1つで、ホステスなんて仕事は辞めて、もっといい職につくわ!というシーンです。もっと歌って欲しかったけど、次のミュージカル出演を期待しましょう!(12月のディナーショーでも堪能できそうですしね!)
1幕目で映画俳優ヴィットーリオ、2幕目冒頭の怪しげな教祖ビッグ・ダディの2役を演じる石井一孝さんがかなりの怪演!特にビッグ・ダディは笑えます。
☆ ☆
その1カ月前に主演第1作「花嫁付き添い人の秘密」で樹里さんが演じたのが、30を過ぎてようやく理想の男性と巡りあい、明日は結婚式を迎えるという花嫁メグ。母親役の安奈淳さんほか宝塚OGが脇を固める、安心して観られるウェルメイドなコメディでした。もっとも内容は安心して観ているどころじゃないんですけど。セットも衣装もとてもスイートでキュートなのに、一皮剥けば苦くて刺激的なスパイスが詰まっている、ワサビ入りシュークリーム?みたいなお芝居でした。
☆この戯曲を書いたエリザベス・コールマンはオーストラリアの橋田壽賀子か内館牧子と言えるかもしれません。登場する4人の三十路女が上手く書き分けられ、リアルなセリフの応酬に深くうなずいた(特に女性の)観客も多かったのでは。単純なハッピーエンドというわけでもないし、すごく悲劇的というわけでもない。ただ現実があるだけ。後味の悪さではありませんが、観客の心には何かひっかかるものが残ります。
☆登場人物1人1人が見せ場で歌うミュージカル・ナンバーがとてもよいのです。母親の安奈淳さんは自分の結婚式がいかに悲惨だったかをブルースで語り、最後に樹里さんが歌うナンバーは切ないバラードで、信じていた恋人に裏切られた哀しみが胸に切々と迫ります。音楽にのせられたセリフは歌となって、観客に、よりエモーショナルに伝わります。この音楽は日本版オリジナルで「スウィート・チャリティ」で怪演をみせている石井一孝さんの作曲です。すごい才能だ!
かなり面白い芝居だったので、いつかまた再演して欲しいですね!樹里さんのウェディングドレスもステキでした~。
(おまけ)「花嫁付き添い人の秘密」で樹里咲穂さんの歌にはまりました。「スウィート・チャリティ」でも樹里さんの声を聞き逃すまいと必死。宝塚時代の宙組「ファントム」で演じたキャリエールのあのシーンが観たいとか、「WEST SIDE STORY」の「アメリカ」ゼヒ聴いてみたい!とか。ほんと、こういうときはずっとファンだった方がうらやましいです。(オノ)
投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2006/09/14 13:00:00 感激!観劇記 | Permalink | トラックバック (1)
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