榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー
和で祝う第一部 植田紳爾演出家50周年記念『夢のメモランダム』
宝塚大劇場 (11月27日)
植田紳爾演出家50周年記念スペシャル
『夢のメモランダム』─植田紳爾・魂(こころ)の軌跡─
宝塚を代表する演出家として『ベルサイユのばら』や『風と共に去りぬ』という大ヒット作を生みだし、また日本物のショーやドラマで宝塚の財産となる演目を、数多く作り続けてきた植田紳爾。その演出家生活50年目という節目を祝う催しが、宝塚大劇場で開かれた。全国ツアー中の花組と東京公演中の雪組(白羽ゆりのみ参加)をのぞいて、専科、月・星・宙のメンバー158人に、OGの初風諄、鳳蘭、麻実れい、麻路さきの4人を加えた162人が、二部構成、約2時間におよぶ豪華な一大イベントを繰り広げた。
★第一部
第一部は、専科の松本悠里の「祝舞」によって幕を開けた。下手花道には色とりどりの振袖に緑の袴の、宙組娘役たちが居並ぶなか、本舞台下手で雪組の白羽ゆりがソロを歌いあげる。清々しくも華やかなオープニングだ。
続いて「夜明けの序曲」のコーラスにのって月・星・宙組の主演男役である瀬奈じゅん、安蘭けい、貴城けいが登場。主演娘役の彩乃かなみ、遠野あすか、紫城るいも加わり、続いて出演生徒全員が大階段を埋めての大合唱となる。まさに迫力満点だ。
歌い終わると出演者からの挨拶、まず安蘭けいから、「皆様、ようこそお越しくださいました。星組の安蘭けいです」という星組主演男役としての第一声が発せられ、客席から大きな拍手が寄せられる。続いて瀬奈、貴城も挨拶。植田作品としては101本目になるという『パリの空よりも高く』(07年1月から宝塚大劇場)の宣伝など、なごやかなトーク。そして賑やかな「アイ・ラブ・タカラヅカ音頭」の総踊りで、一気にお祭り気分が盛り上がった。
(↑クリックすると拡大します)
幕が降りると、緞帳にはぎっしりと演出作品のポスターが貼られている。なかでもひときわ大きい『ベルサイユのばら』と『風と共に去りぬ』が目を引く。幕前に登場した司会の初風諄が、次の演目『舞い込んだ神様』を紹介。「植田先生の24歳の作品で、作・演出だけでなく振付も担当。まだ入団1年目でした」
その『舞い込んだ神様』は狂言仕立ての一幕物。轟悠の太郎冠者と白羽ゆりの女房花子の夫婦喧嘩から始まる。やがてこの家を住みかに決めた貧乏神・未沙のえると、貧乏神を追い出したい夫婦の滑稽な攻防が繰り広げられる。物語の途中には、大空祐飛や霧矢大夢、大和悠河をはじめとする人気男役10名が貧乏神仲間として客席を徘徊、楽しさ満点の舞台となった。
第一部の最後は、山村流三代の舞踊家による『舞三代』。かつて天津乙女によって演じられたという懐かしい演目の舞いである。祝舞の歌手は黒紋付きに袴姿の出雲綾と彩乃・遠野・紫城。また各組娘役たちも花道にそろって合唱するなか、植田紳爾(若柳吉紳吾)、子息で上方舞山村流の六世宗家の山村若、息女の山村光、孫の山村侑、山村侃の5人が、せり上がる。宝塚ファンには聞き覚えのある「桜吹雪」の主題歌を伴奏に踊る、地唄舞ならではの気品と力強さの込められた舞いに、客席からは大きな拍手が寄せられた。(文・榊原和子/写真・平田ともみ)
投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2006/11/29 10:45:42 榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー | Permalink | トラックバック (1)
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