エリザベートの魅力
麻薬のような『エリザベート』の音楽―姿月あさとさんインタビュー
宙組の初代トップスターとして人気を誇った姿月あさと。すでに退団して8年が経つが、男役時代も今も、彼女の歌声は聞く人の心をつかんで離さない。
その姿月あさとにとっても代表作の1つが『エリザベート』のトート。去年12月には、ウィーン版『エリザベート』の来日記念コンサートに出演、ウィーン版のキャストと共演し、コンサートの一部とは思えない迫力の場面を見せてくれた。
そしてこの春は、サントリーホールでのビッグなコンサートを予定している。退団して8年目、ますます意欲的に仕事に取り組む彼女に、『エリザベート』の音楽や歌うこと、演じることについて話してもらった。
元宝塚トップスターで、現在はヴォーカリストとしてコンサートやミュージカルなど音楽活動を中心に活躍する姿月あさとさんが、宝塚プレシャスインタビュー「エリザベートの魅力」に登場します。前編、後編と2回に分けてお届けします。
姿月あさと
しづき あさと。ヴォーカリスト。元宝塚歌劇団宙組主演男役。大阪市出身。
87年、宝塚歌劇団入団。98年、宙組初代主演男役に就任。
宝塚在団中の主な舞台に『風と共に去りぬ』(94年)、『ミー&マイガール』(95年)、『バロンの末裔』(97年)、『エクスカリバー』『エリザベート』(98年)、『激情/ザ・レビュー'99』(99年)ほか。00年、『砂漠の黒薔薇/GLORIOUS!!』を最後に退団。
退団後はヴォーカリストとしてコンサートやミュージカル、CDリリースといった音楽活動を中心に、TVやラジオ出演などの出演など様々な分野で活躍中。
06年4月には自身の夢でもあったサントリーホールでのフルオーケスト演奏によるコンサート「誘惑宮へ」に出演し、オペラのアリアを中心とした楽曲構成で、新境地に挑んだ。そして07年3月には再びサントリーホールで、自身の芸能生活20周年記念コンサートを開催する。
⇒姿月あさと公式サイト
⇒姿月あさとの独り言:asahi.com で連載中のコラム
(インタビューより)
―― ウィーン版来日記念コンサートで、トート役の姿月さんとルドルフのルカス・ペルマンさんの「闇が広がる」のデュエットに、すっかり魅了されました。
ルカスさんって、見た感じからいってもルドルフにぴったりな方ですよね、繊細な感じで。でもやはり迫力があって、歌稽古やオケ合わせのときも、とても歌い甲斐がありました。
宝塚の舞台で演じた『エリザベート』は、相手も私も女性ですから、パワーやテクニックに限界があるんです。それがルカスさんとの「闇が広がる」は、私がいくら出しても出しても大丈夫という感じで、迫力というか歌のテクニックとかパワーとか、自分もすごいものを出すことができたし、彼からもたくさんもらいました。本当に思いっきり歌えて、いい時間を過ごさせていただきました。
―― デュエット自体が、まず難しいですよね。それが外国の方ですから、よけいたいへんかと思ったら、まさに『エリザベート』の世界がそこにありました。
「闇が広がる」は、ルカスさんが日本語で歌ってくださったんですが、言語や国境を越えて、持っているものを出せる相手だったし、バランスを考えつつ自分を思い切り出せて、それが音楽として成り立っていたというのは、貴重な経験でした。
いま思うと、私たちの「闇が広がる」の前に、トートのマテ・カマラスさんとエリザベートのマヤ・ハクフォートさんが「私が踊るとき」を歌っているんです。そのマテさんのトートの魂(ソウル)を、私が引き継いで歌うことができた。もし、あの来日コンサートの中で、私がトートとしてパワーを持つことができていたとしたら、それはマテさんの力のおかげでもあるんです。
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インタビュー前半では、昨年12月の『エリザベート』来日記念コンサートに出演したときのこと、宝塚宙組時代に『エリザベート』の音楽と出合ったときのことなど、『エリザベート』のお話を中心に伺いました。インタビューの全文は「宝塚プレシャス」でご覧いただけます。また動画メッセージつきの後半は3月24日に公開予定。お楽しみに!
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■レポート・ウィーン版『エリザベート』来日記念コンサート(07/1/10)
投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2007/03/17 6:30:00 エリザベートの魅力 | Permalink | トラックバック (0)