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2007年3月16日 (金)

エリザベートの魅力

水夏希、うめだ阪急「エリザベート展」でトークショー

うめだ阪急(3月14日)
ミュージカル『エリザベート』展テープカット&トークショー 水夏希

 うめだ阪急百貨店では、阪急創立100周年を記念して、ミュージカル「エリザベート」展を7階イベントホール「ミューズ」で、3月14日から20日まで開催している。その初日である14日の朝9時半から、宝塚歌劇団雪組の主演男役水夏希を招いて、会場入り口にてテープカットの儀式を行った。

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エリザベート展の入り口で、阪急百貨店執行役員の並松誠氏と水夏希

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見事にテープカット

会場にはウィーンオリジナル版の舞台写真が飾られ、またこれまでの5組の宝塚版の写真や衣裳が並べられている。

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宝塚『エリザベート』初演のフランツ(高嶺ふぶき着用)の衣裳に見入る

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月組公演の衣裳を背に記者団に答える

 さまざまなコーナーを楽しそうに見て回った水夏希は、記者団の質問に次のように感想を語った。

 「いろいろな方の衣裳があって、これはどなたが着たもの?などと思いながら、興味深く拝見しました。
 ウィーン版の写真がたくさん展示してあるのも、たまたま先日、ツアーでウィーンに行って、来日する公演のお稽古を見せていただいたばかりなので、嬉しかったです。
 その稽古場では、みなさん個性的で迫力があってダイナミックさに圧倒されました。そしてとても刺激を受けました。
 3月のウィーン版はリアルで迫力いっぱいの舞台、5月に宝塚大劇場で幕を開ける私たちの雪組版は、扮装やビジュアルを生かした宝塚ならではの夢の世界、両方の公演を楽しんでいただければと思っています」

      ★       ★      ★

 続いてその日2回行われた「水夏希トークショー」の第1回目(10:30~11:15)の内容を紹介しよう。

 座席数70名、立見数20名という会場に観客が入場、なかには前日夜からの徹夜組も10人以上いるという熱心なファンたちで、会場は熱気がいっぱいだ。司会は元宝塚歌劇団の沼田由樹。盛大な拍手で迎えられて水夏希が登場。約45分間のトークがスタートした。

◆シシィ、シシィ、シシィ、フランツ

──展覧会を見ての感想は?
 楽しいですね。まだお稽古が始まってないので、“ファン”モードで見せていただきました。これは誰の衣裳だろうかとか。宝塚の舞台写真も、あ、これ観たなとか、懐かしいなと思ったり。

──宝塚版には水さんは出てない?
 初めてなんです。観るのは全部観せていただきまして、麻路さんの分など一階の立ち見で。一回観たあと、もう一度観たくて。

──今は有名な作品ですが、最初は「なんだろう、これは?」と思いましたよね。
 いちばん覚えているのは、電車の吊り広告に『エリザベート』とだけ書いてあって、写真がない広告で「どんなミュージカルなんだろう?」と思って観に行ったら、……圧倒されました。歌で綴るミュージカルって初めてだったので。

──水さんはウィーンに行ってこられたとか。
 実は中日公演を終えてすぐにあちらに。すごかったですね、(登場人物が)実在した方たちですから。トートはもちろんいないのですが(笑)、どこを見てもシシィ(エリザベートの愛称)、シシィ、シシィ、フランツ! シシィばかりでたまにフランツで、トートゼロ(笑)みたいな。
 実際に使っていたお部屋なども見て、ここなんだと思うと、作品と歴史の大きさに圧倒されますね。バックボーンが大きいだけに、上辺だけでなく中身もしっかり演じていきたいなと。私のトートは実在ではないんですが(笑)。

──ゆかりの地とかに行かれたんですか?
 皇帝フランツが住んでいた宮殿と、夏の離宮のシェーンブルン宮殿『ベルサイユのばら』にも出てきましたけど。それにシシィ・ミュージアム。宮殿内にあるんですが、すごーく広かった(笑)。

──そこはエリザベートに関するものが?
 そうです。(彼女が)刺し殺された凶器とか。たしかスイス警察だったかな?ウィーンの所蔵物ではなくて、お借りして展示してあるんです。ヤスリなんですよ。ナイフではなく。細いヤスリで、ポールペンみたいな。それで写真があるんですが、黒いドレスに穴が空いている写真があって、びっくりしました。
 それにシシィが旅に持っていったトランクとか、美容セットとか。フランツのためのテーブルにエリザベートの写真が飾ってあったり、お風呂も「これ絶対ミルク風呂だよね」というのがあって、壁の色が「ミルク風呂で薄くなった」みたいに、くすんでるんですよ。

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◆黄泉の帝王ではない?

──ウィーンオリジナル版の『エリザベート』はご覧に?
 ビデオで見せていただいただけです。(ウィーンに)行ったときはミュージカルもオフシーズンでしたけど、来日版の稽古場で、ちょうどオーケストラと合わせているのを、全部見せていただきました。すごかったですよ。内蔵マイクですね。みなさんマイクつけてないのに。

──向こうのトートの方って、たしかロック歌手ですか?
 そうです。彼(マテ・カマラス)がまたすごい迫力なんですよ。スタンドマイクが立っていて、みなさんそこで歌うんですが、マイクをそこ(スタンド)からはずして歩きながら歌ってました。オーケストラ合わせですからもちろん私服で、セットも振りもないんですが、マイク片手に、スピーカーに脚をかけんばかりの勢いで(笑)。
 聞いてて1曲だけでもすごく盛り上がるんですが、それが何曲もあるので、本当に素晴らしいミュージカルなんだと思いました。

──「ガラコンサート」が昨年あって。
 はい、見せていただいたし、お会いしました。もちろん言葉の壁はありますけれど、長くトートをやってらっしゃる方なので、ご自分の理想像とか考えとかいろいろ話していただいて、すごく勉強になりました。

──宝塚とウィーン版はいろいろ違うみたいですね。
 トートをやるにあたって、私は、黄泉の帝王が、どうしてエリザベートのことだけ迎えにいくのか? いや全員を迎えにいくのかな? と思ったので、マテさんにうかがったら、ウィーン版は黄泉の帝王ではなくて、死の国の使者なんですって。死んだ人を連れて行くっていう役割りで、あ、黄泉の帝王じゃないんだと。ちょっと作品の捉え方が違うんだなと思って。
 ウィーン版はそれで納得がいくんですが、宝塚版は黄泉の帝王なので、そこをどう演じていこうかなと思ってます。人間じゃない存在が人間的な感情が湧くというのを、どんな風に表現しようかな、でも人間くさくなってはいけないし、人間的な感情がみえないとつまんないしとか考えてます。

──歌のナンバーも少し違うんですか?
 そうですね、「愛と死の輪舞」は宝塚版だけです。曲の長さも短かったり長かったり、ウィーン版には宝塚にない曲があったり。東宝版もそうですが、宝塚版も元のミュージカルからの抜粋で出来ているので、あ、こんな曲もあったんだと思いました。

──実際にウィーンに行かれたから、また感じるものがあったみたいですね。
 行きと帰りの飛行機のなかでは、台本を読んでいても変わりました。

──持って行かれたんですか?
 持って行きましたよ(笑)。あと、外国に行くと宗教画というのがたくさんあって、その宗教画を見ていると、なんかキリスト教の世界と似ているところがあるのかなと考えたり。本当に行けてよかったなと。
 あちらの人って好きな服を好きに着ているんですよね。日本はどんなに寒くてもスプリングコートにしなくては!みたいなところがあるけど、そんなことなくて、ちょっと寒かったんですけど、毛皮を着てる人もいればノースリーブみたいな人もいて、でもそれでいいじゃないって。その個人個人が人生を楽しんでいるのがすごく感じたし、もっと自由になっていいなと。

──ウィーンの街並みとかどうですか? 『エリザベート』の仕事以外に何かされました?
 空き時間に美術館に行ったりお食事したりしました。でもどこを観ても絵になるんです。市庁舎も美術館みたいで、美しくてお洒落でした、それに音楽家がたくさん出てらっしゃる街なので、あちこちに胸像があって、街全体が美術館みたいでした。
 やはり、実在の方のいろいろなものに触れられて刺激的でした。一緒に行った白羽ゆり彩吹真央が、すごく役の人物からエネルギーをもらって、すごく身になってるなというのをそばで感じたし、それをまた刺激的に見ている自分がいて、トートって客観的に全部を観ているわけですから、それと同じものに感じていましたね。

──旅をしながら、『エリザベート』を演じていたようなものですね。
 2人はすごく気持ちが高揚しているなと思いました。それに2人とも出演しているので、曲もすごく詳しくて、「あ、この場面はどこだ」とか言ってるそばで「ちょっとちょっとそれ、どこ?」と私ひとり聞いてて、「私、大丈夫?」みたいな(笑)。遅れを取っていたんですけど。逆に新鮮な気持ちでやりたいなと思いました。

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◆鳥のような爪

──制作発表で、すでに歌も歌われたとか?
 すごい緊張しちゃうかなと思ったんですが、緊張してもいいことないと思って、意外と緊張しなかったんです。制作発表用だけの稽古でしたから、まだわけも分からずという感じで、もっともっと掘り下げてやりたいなと思いましたね。『星影の人』の沖田総司の稽古をしながら歌の稽古をしていたので。

──今も曲の稽古を?
 若干、しています。家でばりばりやるタイプで、稽古中などとくにやってますので、ご近所さんごめんなさい(笑)。ウィーンでも、お部屋でシャワーを浴びながら歌ってたんですよ。そしたら隣の部屋の方に「ねえ、昨日歌ってた?」って。「あ、聞こえましたか」(笑)。
 自分では役に影響されないタイプかと思ってたんですが、影響されると最近気づきました。悪役をやっているときに、間に旅行してきたら、「顔つきが柔らかくなりましたねえ」と(笑)。悪役だったとき険しい顔をしていたみたいです。

──トートというとヘアメイクとか工夫しますよね。
 ポスターの髪の色のグリーンが雪組のカラーですし、これでいくかなという感じです。小池修一郎先生が最初に言われた色が抹茶みたいな色で、「私の辞書のなかにはこういう色はありえないんです」と言って(笑)、ちょっとブルーがかったグリーンにしてもらったんです。一応“死”の役ですし、日本の幽霊って「緑」って感じがしませんか?こじつけかな(笑)。

──ヘアスタイルとかも皆さん違いますよね。
 基本的なデザインを衣裳の有村淳先生やみなさんと打ち合わせて、ポスター用に作ったんですけど、これでまた本番に向けていろいろ試行錯誤していこうかなと。メイクもプロのかたにやっていただいたんですが、舞台用にはどうしようなとか、考え中です。

──メイクとかはこだわりタイプですか?
 そうですね。これもまつげがいつもと違って特殊なんです。普通はまっすぐなんですが、これは斜めに。となみ(白羽ゆり)の写真もそうですが、切れ長になってます。トートは役も特殊ですし、特殊メイクでやってみようかなと。やっぱり目が大事ですから

──メイクもそうですがネイルも。
 ポスターでもつけています。『スサノオ』のときもそうですが、同期の花組の絵莉千晶に「作ってほしいんだけど」と頼んで(笑)。
 (爪の)アイデアは小池先生で、カメラマンが宮原夢画さんという方なんですが、小池先生が「夢画さんは鳥が好きなんだよね。鳥みたいにしたら?」って言うんですよ。私はそれは違うんじゃないかなと(笑)。でも爪をちょっと鳥のイメージに。先が細くなっていて特殊な爪です。でも本番でこんなの付けていたら引っかかりますから。このポスターを撮るときも、たいへんでした。「あ、爪取れた、爪!爪!」みたいな感じで(笑)。ですから本番もつけかえるか、ジェルのネイルにしちゃうか考えてます。でもウィーン版を見て「いやービジュアルより中身だよ」と、ちょっと思ったんですけどね(笑)。

◆世界観が見えてきた

──でもビジュアルでいえば宝塚はピカ一ですね。
 ウィーン版ばりの中身があり、なおかつ宝塚のビジュアルなら、向かうところ敵なしといった感じですね。でもこの作品は衣裳も豪華だし、宝塚っぽいですよね。

──今日も素敵なブーツですが、普段から役を意識されますか?
 わりとビジュアルから入るほうなので、オスカルも「白じゃなきゃだめ!他のシャツではできない!」みたいな(笑)。フリルもついてたし。今回は普段から黒が多くなりそうです。

──ピンクとか着たことないですよね。
 ピンクはたまーに着ることはあります。だいたい暖色系はあまり着ないんです。黄色とか着ない。うちの同期に黄色が大好きな人がいますけど(笑)。元気が出る色とかいうけれど、本当に元気ですね。

──『ベルサイユのばら』もされてるから、(『スサノオ』で)アオセトナをされたときは『エリザベート』も見たいなと。
 私もトートはやりたいとは思いましたが、主役ですからね、やりたくても。それにタイミングですから。それが廻ってきたことも嬉しかったし、たまたまトートをやれるタイミングに出合えたことも幸運だったなと。

──人間ではない役が似合うんですよね。出ているなかで一人だけ色が違うみたいな。
 このあいだ考えていたら、人間じゃないから絡む人がいないんです。エリザベートとルドルフくらいですね。『星影の人』が、みんなと絡んでみんなと作っていくという感じだったのに、今回は私一人からんでないんです。でも、みんなでスクラム組んで、みんなで力を合わせていかないと、太刀打ちできないような作品なので、雪組が新しくなって、いいタイミングにいい作品に巡り合えたなと思っています。

──17日から稽古だそうですが、行ってきてまた違いました?
 全然違いました。行きは台本を眺めて、出番のところを折って、歌詞を読んで、こういう歌詞だったんだとか思っていましたが、帰りは世界観とか流れがちょっと見えてきたような気がしました。
 トートが最後に、結ばれるのではないけど、エリザベートが死ぬことに対して、そのエリザベートの死とトートの“死”という図がちょっと見えたような、目指したい方向性がちょっと見えてきたような気がしました。

──ウィーンに行かれてよかったですね。
 もう、すごくよかったです。やはり日常と違う環境に行くっていうのが刺激的ですよね。帰ってくると宝塚はいつもと変わらず動いていて、昨日も星組さんは稽古の佳境で、花組さんは舞台で千秋楽近いけど楽しそうにやってて。そういう日常からちょっと出るだけで、また別の刺激が得られるんだなと思うと、エリザベートのように旅をしたいなと思っちゃいますよね。

──いよいよ3月からウィーン版が始まりますが、お客様にはウィーン版と宝塚版の違いを楽しんでいただいて。
 セットも違うんですよ。(ウィーン・オリジナル版は)向こうと同じ物で大がかりで、斜めに上がっていく大階段があったりします。スタッフの方とかオーケストラの方とか、このへんがドイツの方たちでいっぱいになりますね(笑)。ルキーニが1人イタリアの方で、そちらも素晴らしいんですよ。

──もちろん公演をご覧になるんですよね。
 みんなで観ます。まだ稽古しない段階であちらでお稽古場を見せていただいたんですが、これで稽古が始まったら、自分がどうしようと思っていることに答えが出たり、細かい部分が見えてくるので、すごく楽しみにしているんです。でも迫力に圧倒されて意気消沈しないようにがんばります。みんなで入魂でいきたいと思っています。

──役なんですが、やっぱりトートがいいですか? 1日やらせてあげると言ったら?
 ええっ、エリザベートもやりたいですよ。扮装写真くらい撮りたい。素晴らしい豪華なドレスでしたから、着せてもらいたいですね。

──では最後に改めて一言。
 6回目の『エリザベート』ということも、いい意味でバネにして、ウィーン版が来ることもこのタイミングということをチャンスと捉えて、参考にさせていただき、雪組の一人一人が今まで以上に力が出していくと思いますし、日々進化する組ですので、初日から楽まで何度もいらして、見守っていただきたいなと思っております。見れば見るほど素晴らしい作品ですから。

(文・榊原和子/写真・岸隆子)

⇒ミュージカル『エリザベート』展(3月14日から20日まで・うめだ阪急)の情報はこちら

《ウィーン版》ミュージカル『エリザベート』

 日本初演から11年。ウィーンからオリジナルのスタッフ・キャストを揃え、初来日。大阪と東京、2つのバージョンがお楽しみいただけます。

ウィーン・オリジナルバージョン: 2007年3月28日~4月30日 大阪 梅田芸術劇場メインホール
ウィーン・コンサートバージョン: 2007年5月7日~20日 東京 新宿コマ劇場
主な出演:マヤ・ハクフォート、マテ・カマラス、ルカス・ペルマン 他
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽:シルヴェスター・リーヴァイ
※詳しくは⇒宝塚プレシャス公演情報へ

宝塚歌劇雪組『エリザベート』-愛と死の輪舞(ロンド)-

 2年ぶり6度目の宝塚上演は、雪組の新主演コンビ、水夏希と白羽ゆりの大劇場お披露目公演にあたります。

宝塚大劇場公演: 2007年5月4日~6月18日
東京宝塚劇場公演: 2007年7月6日~8月12日
主な出演:水夏希、白羽ゆり、彩吹真央、音月桂、凰稀かなめ 他
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽:シルヴェスター・リーヴァイ
潤色・演出:小池修一郎
※詳しくは⇒宝塚プレシャス公演情報へ

投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ  2007/03/16 11:44:20 エリザベートの魅力 | | トラックバック (0)

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