エリザベートの魅力
宝塚雪組全員がウィーン版『エリザベート』の舞台稽古を観劇
終演後、舞台上でウィーン版オールキャストと宝塚版オールキャストが対面。シェーンブルン宮殿の絵幕を背景に、並んでの記念撮影。なかでも3月初めにウィーンツアーで、現地の稽古場を訪れた水夏希、白羽ゆり、彩吹真央はウィーン側のキャストと抱き合ったり握手を交わすなどして、再会を喜びあった。
その後、劇場ロビーにそれぞれメインキャスト、5人ずつが交互に並んで記者団の質問に答えた。(左からルドルフ役の凰稀かなめとルカス・ペルマン、フランツ・ヨーゼフ役の彩吹真央とマルクス・ポール、エリザベート役の白羽ゆりとマヤ・ハクフォート、トート役の水夏希とマテ・カマラス、ルキーニ役の音月桂とブルーノ・グラッシーニ)
──まず宝塚のかたから今日の感想をうかがいたいのですが。水夏希さんから。
水 ウィーンでは、稽古場で見せていただいたり、オーケストラとの音合わせを拝見したりさせていただいたのですが、やはりこのように、装置とか照明とか、全部できあがったものは、迫力が何倍にも増していましたし、男性の力強さはやはり素晴らしいなと思いました。
宝塚は女性だけですけれども、この公演を参考に、今までにないものを今回の雪組公演で出せたらいいなと思っています。
白羽 昨年末のガラ・コンサートのときも涙々でしたが、今日はまたさらにたいへんなことになって(笑)。観せていただいて幸せだなと思ったのと、今、私自身がエリザベートという役に、お稽古中も悩んだりしているのですが、今日観せていただいて、孤独ななかにも1人の女性として必死にたくましく生きていく姿が勉強になりました。また一幕最後のシーンで肖像画のままで出ていらしたマヤさんに感動しました。
彩吹 私も本物を拝見するのは今日が初めてでしたので、感動しました。字幕を見ながらですと、日本で聞き慣れている以外の言葉も含まれていたので、そういうのをまた、自分のなかに取り入れていきたいと思います。そして初めから最後までエリザベートとともに生きたフランツ・ヨーゼフというかたは、本当に素晴らしいと思ったので、それを出せたらと思います。
音月 ひとたび舞台から降りると、皆さん気さくで楽しい方々ですけれど、舞台を観ているとすごく引き込まれるんです。その引き込んでいくトップを切るのがルキーニさんで(笑)。観客というよりその世界にワープする感覚で観ていました。今日はものすごくパワーをいただいたので、そのパワーをお借りしてがんばります。
凰稀 いまだに興奮が冷めないで、ドキドキしてる状態なんですが。宝塚とはまた違う『エリザベート』という感じがして、一観客としてとても楽しませていただきました。2幕のほうでルドルフのところで、(宝塚版とは)まったく違うセリフが字幕に出ているのですが、自分もルドルフになった感覚で涙が止まらなかったです。このルカスさんのルドルフを私も参考にしてがんばりたいと思っています。
──ウィーンの皆さんは、隣の宝塚のかたがたがご自分の役をされることへの印象を。
ブルーノ お知り合いになれてとても嬉しかったです。先ほど舞台上で並んで写真を撮ったとき、まるで鏡を見ているような気がしました(笑)。また、同じ役ということですぐにコミュニケーションができました。とにかく今日はきていただいてありがとうございました。特別な経験になりました。
マテ 私たちはすでにガラ・コンサートのときに、水さんたちとお会いしたり、姿月あさとさんと共演したりして、宝塚の皆さんが私たちとは違うやりかただということを学びました。また今回こうやって皆さんとお会いできて、私たちとは違うけれど、また別の形で『エリザベート』を表現していくという能力を持っていらっしゃることを感じ、そのことを嬉しく思っています。そして今度の新しいプロダクションで水さんがきっと素晴らしいトートをなさるだろうということも確信しています。
マヤ 私たちは女性ですので、女性役をすることに関しては難しくはないと思います(笑)。マテが申し上げましたように、宝塚の皆さんがどんなふうにされるのかということに興味津々ですので、私たちに可能性があるかわかりませんが、客席に座って公演を見せていただきたいですね。そういう意味でも彼女がどう演じるか、興味があります。
マルクス 私は残念ながら、今まで宝塚の皆さんとお知り合いになることができなくて、また舞台を観たこともなかったのですが、この間ウィーンに(水、白羽、彩吹が)きてくださったとき、私と彩吹さんはお互いに知り合うことができました。今も目のなかの輝きで、あなたが特別なことを感じているということを、私も感じることができます。ですから、宝塚の公演を観られるようになることを期待しています。おそらく素晴らしい公演になると思っています。
ルカス 今日は私たちにとっても特別な日になりました、こんなことはこれまでもこれからもないと思っているのですが、ここまで作品をよく知っているかたたち、一つ一つの役割りを観察し、十分研究してくださったかたたちが、客席に座っていたのですから。こういうことはあり得ないことです。そういう意味で、私たちはナーバスになっていましたし、観てくださったことを嬉しく思ってます。初日の1日前に観ていただけたのも、よく知っているかたが観てくださり、またどう感じたかを話してくださったことで、明日の初日もうまくいくだろうという自信になりました。ですからぜひ宝塚の公演も拝見したいし、あなたのルドルフを観ることができたらと思っています。
このあとキャストたちは固い握手を交わし「また会いましょう」と約束、互いの舞台への熱いエールを送りながら、合同記者会見を終了した。(文・榊原和子/写真・岸隆子)
日本初演から11年。ウィーンからオリジナルのスタッフ・キャストを揃え、初来日。大阪と東京、2つのバージョンがお楽しみいただけます。
ウィーン・オリジナルバージョン: 2007年3月28日~4月30日 大阪 梅田芸術劇場メインホール
ウィーン・コンサートバージョン: 2007年5月7日~20日 東京 新宿コマ劇場
主な出演:マヤ・ハクフォート、マテ・カマラス、ルカス・ペルマン 他
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽:シルヴェスター・リーヴァイ
※詳しくは⇒宝塚プレシャス公演情報へ
2年ぶり6度目の宝塚上演は、雪組の新主演コンビ、水夏希と白羽ゆりの大劇場お披露目公演にあたります。
宝塚大劇場公演: 2007年5月4日~6月18日
東京宝塚劇場公演: 2007年7月6日~8月12日
主な出演:水夏希、白羽ゆり、彩吹真央、音月桂、凰稀かなめ 他
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽:シルヴェスター・リーヴァイ
潤色・演出:小池修一郎
※詳しくは⇒宝塚プレシャス公演情報へ
投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2007/03/30 12:39:04 エリザベートの魅力 | Permalink | トラックバック (0)