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2007年4月24日 (火)

由美子へ・取材ノート

第5章 宝塚音楽学校

Yumiko09  「宝塚随一の美女」と称された元タカラジェンヌ北原遥子(本名・吉田由美子)の生涯を詳細な資料と証言でつづるノンフィクション『由美子へ・取材ノート』

 第5章では、宝塚音楽学校の2年間を描く。由美子たち67期生には、のちに男役でトップになった涼風真世、真矢みき、娘役トップになった黒木瞳や毬藻えりを始めとする優秀な人材が数多くそろっていた。中で、音楽学校時代からスター候補と言われた2人―由美子とショーコこと黒木瞳は特別な親しさで結ばれていた。厳しい2年間を終え、由美子たちは卒業、晴れの初舞台を迎えることになる。

☆        ☆        ☆

望郷

  「ガラス細工さん」

 宝塚音楽学校から雪組まで、由美子の近くにいた同期生の“りんご”こと小乙女幸は、由美子をそう呼んでいた。

「大滝先生のバレエ教室でも一緒でしたが、その時から、この人は絶対に入れると思ってました。一番印象に残っているのは、すそにフリルのついた長袖のレオタード姿。すごく素敵だった。そのかっこうで、お稽古場に入る前の身体をならすところで、大胆に開脚とか始めるんです。見た目が上品で楚々としているだけに、そのギャップが面白かった」

 由美子たち67期生には、のちに男役でトップになった涼風真世、真矢みき、娘役トップになった黒木瞳や毬藻えり、ほかにも新人公演やバウホールで活躍した優秀な人材が、数多くそろっていた。小乙女の目から見ても、

「ショーコ(黒木)ちゃんと由美ちゃんはとくに目立っていて、音楽学校時代からスター候補だとみんなが思っていました」

☆        ☆    (中略)  ☆      ☆

親友・黒木瞳

  音楽学校のクラスは、A組B組20名ずつに分かれていた。小乙女幸や、真矢みきはA組、由美子や黒木瞳、涼風真世はB組だった。

 “由美ちゃんの親友はショーコちゃん”と、周囲の誰もが証言する江上昭子こと黒木瞳とは、特別な親しさで結ばれていた。のちに朝日放送の朝の番組にも一緒に選ばれ、アシスタントを経験するなど、似たような立場で、いわば“戦友”だけに、互いをよく理解できたのだろう。小乙女幸も2人がよく一緒に行動する姿は目にしていた。

 「本科のときから、よく2人で旅行にも行ってましたし、梅田とか神戸とかも一緒に出かけていました。一度西宮で2人に出会ったことがあるんですけど、普通の私服で、白いブラウスに紺のスカート、カーディガンという格好なんですけど、男の人がみんな振り返るんです。釘づけというか、そういう感じで見てました。(中略)」

 音楽学校とは言っても、宝塚の舞台に立つための養成機関である。誰がスターになれるか、互いに無関心ではいられなかった。

 「予科の後期に噂があって、私たちの期のなかから、各組のトップさんの相手役が選ばれると。ショーコちゃんはまちがいないよね、由美ちゃんは男役志望だけど綺麗だしそうかもしれないねとか、あとはシギちゃん(毬藻えり)かなとか。そして、あと1人がわからなかったんですが、初舞台後の組配属で、ショーコちゃんが月組、由美ちゃんが雪組、シギちゃんが星組、そして花組にはタラちゃん(水原環)が行ったので、そうかタラちゃんなんだ、って」

 周囲では将来のトップ娘役かと想像をめぐらし、本人もそのことには十分気づいていたはずだが、それでも由美子は、まず男役として舞台に立つことをこの時点では希望していた。

☆        ☆    (後略)  ☆      ☆

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『由美子へ・取材ノート』は、ブログ『宝塚プレシャス』でその一部を紹介しています。全文は会員サイト『宝塚プレシャス』でお読みいただけます。

《関連情報》
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《バックナンバー》
もうひとつの『由美子へ』―若くして逝ったある宝塚女優の記録
第1章 見果てぬ夢
第2章 誕生と家族
第3章 体操する少女
第4章 宝塚との出あい

投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2007/04/24 7:00:00 由美子へ・取材ノート | | トラックバック (0)

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