由美子へ・取材ノート
第8章-1 舞台1983~1984
「宝塚随一の美女」と称された元タカラジェンヌ北原遥子(本名・吉田由美子)の生涯を詳細な資料と証言でつづるノンフィクション『由美子へ・取材ノート』。
第8章では入団3年~退団までの北原遥子(本名・吉田由美子)の舞台活動を描く。
この頃、由美子が新人公演で、その役をやらせてもらうことが多かった雪組トップ娘役の遥くららは、同じ横浜出身ということもあり、由美子を妹のように可愛がっていた。遥はこう語っている。
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「由美ちゃんとは、彼女が研1で抜擢されたショー『サン・オリエント・サン』で、私にいつも付いてくる妖精スーフィーを演じたときから、仲良しになって、出番の合間などよく話をしていました。私たちは、いろいろな点で共通点があったんです。横浜出身だったり、男役を経験していたり、早くから役がついて必死だったことも、歌があまり得意ではないことも一緒でした。私も不器用でしたから努力するしかなかったんですが、由美ちゃんにも、同じ道を見ている子という、共感のようなものを抱いて接していた気がします。それに私は一人っ子でしたから、ちょうど妹ができたみたいな気持ちもありました。
私の部屋には、しょっちゅうというわけではないのですが、わりと来ていました。甘えるという感じは全然なくて、上級生と下級生という感じで、お芝居や舞台についての話をすることが多かったです。でもプロ意識とか、お客様に見せるものなんだという気持ちは、すごく持っていた人でもありました。ですから私からではなく彼女のほうから、もっと知りたい、もっと出来るようになりたいという気持ちで来てくれて、だからこそ教えてあげられる、そういう関係でした。
☆ ☆ (後略) ☆ ☆
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《関連情報》
☆『由美子へ・取材ノート』について
☆2007年春の御巣鷹行
《バックナンバー》
☆もうひとつの『由美子へ』―若くして逝ったある宝塚女優の記録
☆第1章 見果てぬ夢
☆第2章 誕生と家族
☆第3章 体操する少女
☆第4章 宝塚との出あい
☆第5章 宝塚音楽学校
☆第6章 娘役北原遥子
☆第7章-1 舞台1981~1982
☆第7章-2 舞台裏
投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2007/05/22 7:00:00 由美子へ・取材ノート | Permalink | トラックバック (0)