公演情報エトセトラ
湖月わたる、キュートでセクシーな魔女に変身
5月25日、東京・青山劇場でブロードウェイ・ミュージカル『Damn Yankees~くたばれ!ヤンキース~』が幕を開けた。
1955年初演、1956年度トニー賞7部門を受賞。当時、新進振付師だったボブ・フォッシーが手がけた作品で、その斬新なダンスが多くの観客に受け入れられた。1958年には映画化もされた。
1958年のワシントンD.C.。大リーグ、セネタ―ズの熱狂的なファンである中年男性ジョー・ボイドは宿敵ヤンキースを倒すために、悪魔と契約して野球選手に変身。セネタ―ズに入団し優勝へと導くというストーリーに、彼を誘惑しながらも逆に恋してしまう魔女、彼をスターに仕立て上げようとする女性記者、彼の妻らが絡んで展開する。
ジョーを誘惑する魔女ローラを演じる湖月わたるは宝塚退団後の初舞台&初主演作。ジョーと契約する悪魔アップルゲートに川崎麻世、悪魔との契約で変身したジョーに大澄賢也、セネターズ付きの新聞記者グロリアに矢口真里、ジョーの妻メグに杜けあき、と魅力的なキャストがそろう。
開幕当日の午後、公開舞台稽古があり、その後行われた囲みインタビューで、主演の湖月わたるは初日を迎えての感想を「ローラに向け色々稽古を積んできたが、(数日前の稽古で)舞台に立った時男役に戻ってしまいそうになり、これはまずいと気持ちを落ち着かせた。誘惑のシーンはセクシーに、マンボのシーンは元気に。ローラの思いを観客に伝えたい」と笑顔で話した。
宝塚出身女優として先輩にあたる杜けあきは「不思議なあたたかい気持ち。矢口さんが凄く元気なので、オジさん、オバさん、いや、お兄サン、お姉サンも頑張りたい(笑)」と話した。
身長差30cmの矢口に対して湖月は「かわいくて。かわいい体からエネルギーをいっぱい出している」、それに対して矢口は「かっこよくて、目がハートマークでした」と。
劇中、男性に扮するシーンについて湖月は「水を得た魚のようだと言われました(笑)卒業したばかりなので、そんな自分もありつつ、色々なローラを楽しんでほしい」と話した。
最後に、湖月は「出演者一丸となっている。客席に来てほしい」。杜は「ご家族皆さんで、野球好きの人にも観に来てほしい」と意気込みを語った。
☆ ☆
湖月わたるが宝塚退団後の初ミュージカルで、キュートでセクシーな魔女役を演じると聞き、どのような「変身」がみられるか楽しみにしていた。
きらびやかなドレスに身を包んだ初登場シーン、なんとも悩ましげな表情の魔女ローラをみて心が躍った。登場の度に「これでもか」と言わんばかりの色っぽさを振りまくのだが、そこにキュートさが同居して、コミカルに仕立て上げている。
ダンスシーンは長い手足が艶かしく、またダイナミックにと様々な表情をみせる。
また、男性に扮する楽しいシーンも。コミカルでありながらもバッチリきまった姿に「カッコイイ!」の一言。生き生きと楽しんで演じている様子が嬉しい気持ちにさせる。ファンへのちょっとしたプレゼントだった。
シーン毎に変わる衣装も楽しみの一つ。キュートでセクシーな魔女にピッタリの、女性らしい曲線を強調した衣装がスタイル抜群の湖月によく似合う。ジョーの一途さや野球に対する純真さに魅かれ、だんだんと人間の心を取り戻していくローラの心情を表すかのように、衣装も鮮やかな色のセクシーなドレスから淡い色のシンプルなものに変わっていく。ジョー・ハーディ(大澄賢也)と、お互いを想いながら踊る最後のダンスシーンで見せた色の淡いワンピースの華奢なプリーツが、振り付けに合わせ踊るように見えるのが美しかった。
最後、アップルゲートの魔法が解け、妻メグの元に戻るジョー。それをそっと見守るローラの優しくも切ない表情が印象的だった。
ローラ以外の登場人物も魅力にあふれている。
冒頭、ジョー・ボイドの青山明の伸びやかな歌声と、彼の妻メグの杜けあきのあたたかく包み込むような歌声で一気に物語に引き込まれた。いつまでもその歌声を聴いていたかった。歌声だけでなく、杜がたたずむだけで、その周りは陽だまりのようなフワッとした空気に変わる。主婦メグのおっとりとした優しさがにじみ出ていた。
ジョー・ボイドと契約する悪魔アップルゲートの川崎麻世。悪魔なのにどこか人間くさく、憎めない姿が楽しい。妻への愚痴をこぼす台詞が笑いを誘う。
悪魔との契約で変身したジョーに大澄賢也。妻をそっと見守る優しい笑顔が魅力。かと思うとダンスではダイナミック。特にローラとの最後のダンスシーンは迫力。
セネターズ付き新聞記者グロリアの矢口真里は小さな身体を生かしコミカルに表現。身長差30cmの湖月とのシーンは見もの。元気いっぱいに舞台をとび回っていた。
登場人物と言えばもう一つ。
二幕目冒頭、「Take Me Out To The Ball Game」の曲と共に、劇場の客席は「球場の観戦席」へと変わる。客席に座る一人一人が、「球場の観戦者」役となり作品に参加する仕掛けが楽しい。
最後まで目が離せない展開に、魅力的な歌とダンスが満載。楽しくて、ちょっぴり切ない、男女年代問わず楽しめるステキな舞台だ。
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投稿者 宝塚プレシャススタッフ 2007/05/27 19:04:20 公演情報エトセトラ | Permalink | トラックバック (0)





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