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2007年5月 2日 (水)

エリザベートの魅力

制約を逆手にとった宝塚版 ― 小池修一郎さんインタビュー後編

Koike03  6度目の再演となる『エリザベート』演出を手がける宝塚歌劇団演出家の小池修一郎さんへのインタビュー後半では、同時期に来日公演中のウィーン・オリジナル版ミュージカル『エリザベート』について思うこと、宝塚版『エリザベート』のよさを、アニメをたとえに解説、また和央ようかさんの退団公演で、06年度のさまざまな賞を受賞した宙組『NEVER SAY GOODBYE』のお話を伺いました。動画メッセージもあわせてご覧いただけます。

⇒小池修一郎さんインタビュー前編はこちら

(インタビューより)

―― 今回、ウィーン版が同時期に来日公演することについては?
 よいカンフル剤だと思っています。やはり宝塚では6度目で、ある種のマンネリ感が出てきそうでしたから。
 出演者のモチベーションは舞台に出るもので、それがお客様に反映されるというのは、これまでの経験でわかっていますし。ウィーン版と宝塚の『エリザベート』と、どちらがいい悪いとかではなくて、世界的な規模の公演と向かい合う機会という意味では海外公演に近いものがあるから、それをまたバネにジャンプできるのではないかと思っているんです。

―― 前向きな捉えかたで行こうと?
 例えば宝塚の男役の声は、男性の声のボリュームとは生理学的にかなわないわけです。具体的にいうなら骨格が違うわけで、だからこそ宝塚の男役は自分たちの表現方法において、いかに作っていくかということが大事なわけです。

 昔は宝塚は“現実の男性よりきれい”と言われて、それだけでよかったんですが、今は現実の男性には及ばないところを別の技術でカバーするところまでいっている。
 またマンガとかアニメの話に戻りますが、世界中の本屋やDVD店に日本のマンガやアニメのコーナーがあって、パリでさえ「ベルサイユのばら」は、「レディ・オスカル」というタイトルで、フランス革命が題材のマンガで、オスカルという実在しなかった人物が主人公であると紹介されているし、宮崎駿さんのアニメはディズニーと同じくらい有名ですからね。

(中略)

―― 最後に、宝塚入団30年ということ、また、昨年の宙組公演『NEVER SAY GOODBYE』が、さまざまな賞を受賞したこともおめでとうございます。
 あの公演は、主演の和央ようかが、公演初日の3カ月前に事故に遭ったりして、準備期間は本当に短かったんです。でも私としては若い頃から温めていた題材で、頭に入っていたことと、作曲のフランク・ワイルドホーンさんが、たいへん積極的かつスピーディに作ってくださったのが救いでした。もうダメかなというときって、余計なことを考えなくなるんですね。その結果、必要なことだけで埋めていくことができたんです。

 それと和央さんが本当に出られるかどうかギリギリまでわからないという状態で、大劇場は休演かという話も聞こえてきていたんです。実はこの1月の彼女のコンサート『YOKA WAO CONCERT』で、和央さん自身が話しているのを聞いて初めて知ったのですが、本人も稽古初日は歩くのがやっとという状態だったそうです。それをすごい意志の力と驚異的な回復力でなんとか休演しないで幕を開けることができた。でもあらためて思い返すと、なんと危ない橋というかリスキーなことだったんだなと。

(後略)

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 インタビューの全文と動画メッセージは「宝塚プレシャス」でご覧いただけます。

宝塚歌劇雪組『エリザベート』-愛と死の輪舞(ロンド)-

 2年ぶり6度目の宝塚上演は、雪組の新主演コンビ、水夏希と白羽ゆりの大劇場お披露目公演にあたります。

宝塚大劇場公演: 2007年5月4日~6月18日
東京宝塚劇場公演: 2007年7月6日~8月12日
主な出演:水夏希、白羽ゆり、彩吹真央、音月桂、凰稀かなめ 他
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽:シルヴェスター・リーヴァイ
潤色・演出:小池修一郎
※詳しくは⇒宝塚プレシャス公演情報へ

投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2007/05/02 10:26:15 エリザベートの魅力 | | トラックバック (0)

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