榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー
安蘭けい初日会見『清々しい気持ちで』-さくら/シークレットハンター
星組東京宝塚劇場公演初日(5月18日)
『さくら/シークレット・ハンター』
東京宝塚劇場で、星組公演『さくら』と『シークレット・ハンター』の初日が幕を開けた。この公演は、主演男役・安蘭けいと主演娘役・遠野あすかのお披露目公演でもあり、東京の観客には新生星組としての初のお目見えとなる。
日本物のショー『さくら』は、谷正純作・演出で、副題に「妖しいまでに美しいおまえ」とあるように、桜をテーマにその美しさや妖しさをさまざまな場面で綴っていく。エピローグで安蘭や遠野が着る衣装“一竹辻が花”の奥深い色合いと、ボレロの総踊りは圧巻だ。
またミュージカル『シークレット・ハンター』は、児玉明子の作・演出。1人の天才泥棒が、とある国の王女をさらうことになってしまい、逃避行を続けるうちに王女と心を通わせていくというラブロマンス。太陽降り注ぐカリブを舞台に、スリルあり、笑いあり、涙ありの物語を、盛りだくさんの見せ場とともにスピーディに展開、最後にはもう一度お楽しみがあるという、サービス満点の仕上がりになっている。
初日を前に、通し舞台稽古を終えた主演男役の安蘭けいが報道陣の前で挨拶をした。
「星組の安蘭けいでございます。宝塚での公演を無事終えて東京にやってまいりました。東京の皆さんにも温かく迎えていただけるのではないかと思っております。千秋楽までとにかく星組全員で、精一杯突っ走っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします」
記者との一問一答が始まる。
――2作品での安蘭さんの見せ場を。
「『さくら』は、五月人形ですね。(笑)。ネズミに追いかけられて(笑)、なかなか面白い場面ですので、素に近い状態でやらせていただいてます。
『シークレット・ハンター』で好きな場面は、一番最初の盗みに入る場面と、要塞の教会で父親のことを話す場面があるんですが。でも本当に一番楽しくやってるのは「クンバンチェロ」です。」
――大劇場でお披露目公演を終えられて、その感想を。
「毎日、あっというまに過ぎていってしまって、千秋楽の挨拶でも言ったんですが、大階段でお客様と星組のみんなに迎えられて降りてくるところは、本当に幸せで。『シークレット・ハンター』なんか走り回っているから、汗だくでクタクタなんですけど、降りてくる時はその疲れも忘れて、本当に清々しい気持ちでやらせていただいてます。東京でもその思いができるのかと思うと、嬉しいことでもあり幸せな気持ちです。」
――今の星組とこれからの安蘭星組の抱負は?
「今、みんなとても元気で、宝塚でも1人の休演者もなく。あちらは130人(初舞台生含めて)いたんですが、みんな元気で千秋楽を迎えられたので、それは組自体がとてもいい状態にあるからかなと思っているんです。これからの星組も今のままで、熱く情熱的で本当にいい組だと思ってますので、今の星組を残しつつ、1つに向かっていくエネルギーがさらにまとまればいいかなと思ってます。そういう方向に軌道を向けて行くのが組長さんとか私の役割りかなと。言えることは言ってあげて、いい組にしたいなと思ってます。」
――2作品そのもののみどころは?
「『さくら』は、一番最後の、辻が花の衣装をきて全員でボレロを踊るところが見どころではないでしょうか。私もモニターでセットの桜を観て、すごく綺麗なので、客席で観てみたいなと思ってますが、それは無理なので(笑)、そのぶんお客様にたくさん観ていただきたいと思ってます。
『シークレット・ハンター』は、最後のどんでん返しが見どころかな(笑)。なんで私はあそこまで騙されていたんだろうって、いつも終わったあとにくやしいんですけど(笑)、そこは(お客様にも)私と同じ気持ちに、「わーっ、騙された!」と思っていただきたいですね。」
最後に「7月1日の千秋楽までよろしくお願いいたします」と挨拶、報道陣の拍手に送られながら、安蘭けいは引き上げていった。(文・榊原和子/写真・吉原朱美)
---------------------
◆星組公演◆
宝塚舞踊詩『さくら』-妖しいまでに美しいおまえ-
作・演出/谷正純
ミュージカル『シークレット・ハンター』-この世で、俺に盗めぬものはない-
作・演出/児玉明子
・東京宝塚劇場公演(⇒宝塚歌劇団公演案内へ)
公演期間:2007年5月18日(金)~7月1日(日)
《関連情報》
■壮麗な踊り絵巻 安蘭・遠野の大劇場披露公演『さくら』(07/03/26)
■安蘭けいが小粋かつ男前に演じる『シークレット・ハンター』(07/03/26)
投稿者 宝塚プレシャススタッフ 2007/05/19 10:16:53 榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー | Permalink | トラックバック (1)