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2007年6月20日 (水)

榊原和子のSUMIREジャーナル

鳳蘭、麻路さき、星奈優里…星組カラーで華やかに レビュー・タカラヅカ『ドリーム・オン!』

レビュー・タカラヅカ『ドリーム・オン!』~メロディー・アンド・メモリー~
梅田芸術劇場 5月25日~26日、ほか

 宝塚OGによる楽しいショー『ドリーム・オン!』が、5月25日の梅田芸術劇場を皮切りに、6月26日の滋賀県での千秋楽まで、全国16個所を巡演中である。
 メインに鳳蘭麻路さき星奈優里と並べば、やはり色濃く出てくるのは星組カラー。他のメンバーも、千珠晄真織由季久城彬朝澄けいなど元星組の人気男役が入っていたり、娘役も含めると星組率がかなり高い。そんな顔ぶれを中心に、世代の違いはあっても鳳蘭を中心によくまとまった華やかな舞台となった。

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 監修に植田紳爾、構成・演出は三木章雄。第1部は、星組00年の三木演出作「グレート・センチェリー」をもとに作られ、年代記やお国めぐり的に宝塚の誕生からこれまでを、変化に富んだ場面構成で紹介していく。

 その第1部で、宝塚誕生の演目『どんぶらこ』が観られたのはうれしい驚きだった。「どんぶらこ、どんぶらこ」という桃の流れていくようすを千珠晄真織由季などが歌い踊る。素朴さのなかにもどこかモダンな香りがするのが、当時はセンセーショナルだったのだろう。そのあとは初期の作品メドレーから『モンパリ』へと賑やかに展開。

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 そしてまた次のシーンにはサプライズがあって、麻路さきがなんとチャップリンに扮しての『ライムライト』、盲目の花売り娘(星奈優里)とリリカルな一幕を繰り広げる。2人はそのままアステア&ロジャースとなり、現役時代と変わらぬ、なめらかな「ナイト&デイ」が圧巻だ。

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 続いて鳳蘭「夜のタンゴ」をドラマティックに歌ったあとはタンゴの世界。羽山紀代美振付のダンスの名場面「マケドニア」は、革命兵士の戦いを迫力と叙情でみせてくれる。

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 一転すると紫城るい「ブギウギパリ」で賑やかな舞台に。続「ヴィヴァ・スター」というコーナーの皮切りは久城彬朝澄けい「監獄ロック」。前シーンのチャップリンの麻路と同じように、“銀幕女優”がテーマのこのコーナーでは、紫城るいがオードリー・ヘプバーンに、モンローには星奈優里、そしてピアフになった鳳蘭が見ものだ。

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 次のコーナーは50年代の名作からスタート、『高校三年生』の主題歌に始まり、「望郷の琵琶歌」「花の中の子供達」など懐かしい曲が並ぶ。その流れのなかで、宙組にいた祐輝薫「夜霧のモンマルトル」で久しぶりに歌を聞かせてくれる。そして柴田侑宏鴨川清作の名作シーンを経て70年代の『ベルサイユのばら』へ。朝澄けい「愛の巡礼」久城彬「心の人オスカル」に、舞台上は『ベルばら』色に染まった。

 いよいよ第1部も大詰め。80年代の『丘の上のジョニー』千珠晄が熱唱し、「フォーエバータカラヅカ」「夜明けの序曲」、そして麻路さきがお披露目公演『国境のない地図』「風になりたい」を、壮大に歌いあげたあとは、鳳蘭『風と共に去りぬ』から「さよならは夕映えの中に」を朗々と歌い、全員で幕を閉めた。

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 第2部は、まずは麻路を中心に「宝塚我が心の故郷」でオープン。「ハロータカラヅカ」に始まり「パレード宝塚」まで、タイトルに“宝塚”が付く9曲が並ぶ。鳳蘭が司会者になってのトークコーナーもあり、第1部での“銀幕女優”で1人だけ喜劇王チャップリンに扮した麻路さきにツッコミが入ったりして笑わせる。
 ポピュラーな音楽を集めた「ラテン・メドレー」では麻路の客席降りもあり、「ザ・タンゴ」では鮮やかなダンスを見せるなど、このへんは麻路さきの独壇場。

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 再び宝塚メロディに戻ると、今度は鳳蘭のコンサートのようなコーナー。「愛のフェニックス」「白夜我が愛」「愛あればこそ」、最後は千珠晄以下の若手?たちの「ベルばらロケット」もあって盛り上がる。

 そして第2部もいよいよ大詰め。今度は鳳蘭が客席降りでエンターテイナーらしい客いじりを見せてくれる。そして「歌い続けて」を熱唱。その熱気もさめやらぬまま「すみれの花咲くころ」をテーマにしたエレガントなフィナーレになる。

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 出演メンバーは、これまでに名前をあげた人のほかに、妃宮麗子美苑えりか瑠菜まり水原まどかかずゆうと愛田芽久光海晶帆汐夏ゆりさ、総勢17名。中心となった鳳蘭麻路さきをはじめ、どのスターたちも宝塚らしい華やかさや品のよさを失わず、踊りも歌も満載のハードなこのステージを見事にこなし、本人たちも楽しんでいることが十分に伝わる楽しいショーだった。(文・榊原和子/写真・平田ともみ)

レビュー・タカラヅカ『ドリーム・オン!』~メロディー・アンド・メモリー~

 梅田芸術劇場(5月25日~26日)を皮切りに、滋賀県での千秋楽(6月26日)まで、全国16個所を巡演中 ⇒詳しくはタカラヅカクリエイティブアーツのHPへ

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投稿者 宝塚プレシャススタッフ 2007/06/20 13:22:02 榊原和子のSUMIREジャーナル | | トラックバック (0)

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