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2007年6月 8日 (金)

中本千晶のヅカ★ナビ!

《中級》「若衆萌え」なんです

レベル:★★☆(中級編)
分野:萌えの研究
対象:歌舞伎や着物が好きだけど、ブロードウェイミュージカルもはずせない。そんなあなた、コレはどうですか?

 宝塚ファンは誰でも、「これぞ私のタカラヅカ」とでもいうべき原風景を持っている。

 現在、東京宝塚劇場で上演中の星組公演「さくら」
 チョンパの音とともに舞台がぱっと明るくなり、ズラリと居並んだ若衆姿が目に入ってきたとき「ああ、私の原風景はこれだ!」 と改めて確信した。
 ああ、宝塚といえばやっぱりこれだよ、これ! 「男役といえば黒燕尾」「男役といえば軍服」というファンは多いと思うが、私にとってはやっぱり「男役といえば日本物の若衆姿」なのだ。

 なぜ、これほどまでに「若衆萌え」な私になってしまったのか?
 今と違って昔の宝塚では、日本物のショーをしょっちゅう上演していた。たいていの場合、それは新春の祝舞か「春のおどり」であった。
 子どもの頃、地方に住んでいた私たち姉妹は、宝塚ファンであった叔母に連れられて観劇旅行に連れて行ってもらうのが唯一の楽しみだった。そしてそれはたいてい春休みなどの長期休暇の時期になる。必然、3~4月頃に上演される「春のおどり」の目撃率が高くなり、「若衆姿のお姉さん(お兄さん?)はキレイだなあ」 と憧れる。
 こうして、私と妹(同じく宝塚ファンで日本物好き)は「若衆萌え」に育ったのだ。

 でも、最近は日本物自体の上演回数も減ってきたし、とりわけ今回の「さくら」のようなショーはほとんどなくなってしまった。2003年月組公演「花の宝塚風土記(ふどき)-春の踊り-」(紫吹淳主演)以来、4年ぶりの上演だ。

 若衆萌えな私としては、日本物の実績もある安蘭けいのお披露目公演で若衆姿を堪能できたのは実にうれしい。フィナーレで安蘭けい遠野あすか柚希礼音松本悠里が着ていた一竹辻が花の着物も、いつものお衣装とはまったく違う風合いで、とても美しかった。

 意外と面白かったのが、立樹遥涼紫央による「オペレッタ狂言 花折」の場面。
 もし子どもの頃にこの場面を観たら「なんだこりゃ?」で終わっていたに違いないが、オトナになって本物の狂言も何度か体験した今は、「なるほど、狂言をタカラヅカ仕立てにするとこう変わるのか!」 と感心してしまった。

 もともと、日本物というのは宝塚歌劇の演目のなかの非常に大きな柱のひとつだった。
 宝塚歌劇団の生みの親である小林一三には「日本の伝統芸術を洋楽で上演」し、より一般市民にも親しみやすい舞台をつくっていきたいという信念があった。この考えを劇団は今でも踏襲し、日本物にこだわり続けているのだ。
 だが、こうした歌劇団の思惑と、ファンのニーズが不一致をきたしているのも否めない。

 どうせなら「タカラヅカに日本物ありき」ということを、もっと外向きに知らしめてはどうだろう。とくに今、女性たちの間で起きている古典芸能ブームに乗らない手はない。
 「エリザベート」がミュージカルファンの目を改めてタカラヅカに向けたように、歌舞伎や狂言ファンの女性が宝塚の日本物にも興味を向けてくれればいいと思う。

 日本物の若衆姿をみるたびに、400年前に大ブレイクした「出雲のお国」のことを思い出す。私見だが、お国のいでたちは、宝塚の男役扮する若衆姿に近いものだったのではないだろうか。
 女ではなく、また男でもない妖しの色気を匂い立たせるあの姿は、やっぱりタカラヅカならでは。スターの皆さんには黒燕尾や軍服の立ち姿とともに、若衆姿も日々磨いて欲しい・・・「若衆萌え」の私は切に願っておりマス。(中本千晶)

☆ステップアップのための宿題☆
日本物と洋物ミュージカルではお化粧の仕方がまったく違うため、幕間の楽屋はてんてこ舞い。無事にカリビアンに変身して出てきた生徒さんに拍手を送りましょう!

投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2007/06/08 11:00:00 中本千晶のヅカ★ナビ! | | トラックバック (0)

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