由美子へ・取材ノート
第14章 別れの夏
「宝塚随一の美女」と称された元タカラジェンヌ北原遥子(本名・吉田由美子)の生涯を詳細な資料と証言でつづるノンフィクション『由美子へ・取材ノート』。
第14章では、1985年8月、由美子と関わりのある人たちの、それぞれの別れの日のエピソードを描く。
☆ ☆ ☆
その日
兄にとって、由美子との最後の日は8月5日だった。
「黒のボートネックの服を着て、買ったばかりの車を運転して来て、僕を乗せてくれた。そのあと渋谷で夕飯食べて別れたんです。髪が長かったせいか、妹ながら綺麗だなあと。24歳になってましたから、だいぶ大人びてきて、これから男もできるだろうなと、ちょっと寂しい気もしました」
事務所の其田則男と内藤陽子にとっては、苦い別れかただった。
「たぶん実家に戻る前の日でした。私と其田さんとで北原を呼びつけて一晩中叱ったんです。実は、あるプロデューサーのかたに誘われてアメリカに旅行するという。事務所を通しての話ならまだしも、個人レベルの話でしたから、どういう意味なのかわかっているのかと、さんざん叱りました。叱り役は私、其田さんはなだめ役でした。由美ちゃんは大声で泣いてました」
☆ ☆ (後略) ☆ ☆
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《関連情報》
☆『由美子へ・取材ノート』について
☆2007年春の御巣鷹行
《バックナンバー》
☆もうひとつの『由美子へ』―若くして逝ったある宝塚女優の記録
☆第1章 見果てぬ夢
☆第2章 誕生と家族
☆第3章 体操する少女
☆第4章 宝塚との出あい
☆第5章 宝塚音楽学校
☆第6章 娘役北原遥子
☆第7章-1 舞台1981~1982
☆第7章-2 舞台裏
☆第8章―1 舞台1983~1984
☆第8章―2 杜けあきインタビュー 屋上の思い出
☆第9章 メディアへの露出
☆第10章 劇団を去る日
☆第11章 女優への助走
☆第12章 女優修行
☆第13章 夢への一歩
投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2007/07/10 12:24:37 由美子へ・取材ノート | Permalink | トラックバック (1)