榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー
轟悠自身の変化が見える 第3回個展『心の旅』
※写真をアップしました(07/17)
第3回轟悠個展『心の旅』(7月13日)
田崎真珠銀座店タサキホール
宝塚歌劇団専科・轟悠が描き続けている、油絵の個展が始まった。今回は3度目、東京のオープン日である13日朝には、銀座の田崎真珠銀座店のタサキホールに轟悠も姿を現し、囲んだ記者たちの質問に答えた。
──今回の展示作品の点数は?
いつもは30点ほどあるのですが、今回は少なくて25点です。ただ、初めて50号という大きさに挑んだ『七日目─なのかめ─』もありますし、また3、4点は一度描いたものが気に入らなくて、それをつぶして描き直したりしているので、少々時間がかかりました。
──色使いとかが、やや変わってきたような気がしますが?
これまでのモチーフはヨーロッパ、とくにイタリアが多かったのですが、この個展を意識して南の島、ハワイやバリ島、フィジー、マレーシアなどに行きました。旅行先には、絵を描く材料は持って行かないんですよ。大荷物になるので。写真に撮ったり、スケッチブックでデッサン画を描いておいたり。それをあとで思いだして、自分のイメージに置き直して描いていきます。
南の島を描いたせいか、全体的に少し色が明るく、鮮やかな印象が強くなったと言われますし、自分でも思います。このタサキホールさんの印象も、少し違って見えますね。
──繊細な筆致が特徴ですが、『渓谷』などはエネルギーが出てますね。
『渓谷』は、この個展の案内ハガキにも使ったのですが、だいぶ前に行ったところで、荒々しい岩肌などが見える渓谷だったのを、少し草などで私風にイメージしてあります。私にしては少し雑に描いたのが、かえってよかったかもしれません。
画風もそろそろ別のタッチを発見したくなってきて、その1つ目が『未知の夢』という、ただ想像だけで描いた絵なのですが、描いてみたらあまりタッチは変わってないようです(笑)。
──タッチもですが、描く対象や色などにも変化がかなりあったのでは?
そうですね。前は風景画ばかりでしたが、今は、ちょっと抽象的な感じも入ってきています。『未知の夢』は、その1つと言ってもいいかもしれません。
風景画の『夕陽に染める』も、あのオレンジ色などは、前だったらあんなふうに描けなかったかな。そういう意味では少し成長しているかもしれません。
『夕陽に染める』
──描いている時間は、舞台との比率はどのくらいですか?
舞台もそうですが、集中力のある時間というのは決まっているんです。ですからわりと短い時間内でわーっと仕上げてしまいます。前の個展から2、3年の時間がありましたから、その合間に少しずつ用意して、出すと決めたものに関しては意外と少ない時間で全部描き上げました。
──轟さんにとって絵を描くこととは?
始まりは専科になって、1年に1作出るほかにできることは?と考えたときに、幼い頃から習っていた絵を描きたいなと思ったんです。私は舞台に関しても絵に関しても、同じスタンスですし両方必要です。中途半端にしたくないですね。舞台に集中していると絵を描きたくなるし、絵ばかり描いていると舞台に出たくなります(笑)。
★ ★ ★
バリ島の音楽が流れるギャラリーに飾られた25点の作品群は、落ち着いた色彩と繊細な筆使いが特徴だ。だが、なかには猛々しいエネルギーが前に出ているものもあったり、これまであまり描かれていなかった人影がさりげなく置かれているものがあったりと、轟悠自身の変化が見えるようで興味深い。
またこれまでは、いっさい買いたいという声には応えなかった轟だが、これからは「倉庫もいっぱいになってしまったし、どうしてもほしいというお声もいただくので考えていきたい」と前向き。まもなく始まるという日生劇場『キーン』の稽古についても、「その期間は、絵のことは封印します。谷正純先生の稽古は、生やさしいものではないとわかっていますから」とストイックな顔を見せていた。
この第3回轟悠個展『心の旅』は、東京・銀座の田崎真珠銀座店8Fタサキホール(7月13日~16日)、大阪・ホテル阪急インターナショナル5Fチャペル(7月23日~25日)で開催。なお25日の14時からは轟悠のトークショーも行われる。問合わせ先は、06-6377-2946。(文・榊原和子)
⇒【イベント情報】第3回轟悠個展「心の旅」&トークショーのご案内(宝塚クリエイティブアーツHP)
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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2007/07/14 15:26:51 榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー | Permalink | トラックバック (0)