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2007年7月 7日 (土)

榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー

水夏希・白羽ゆり初日会見「険しい山を乗り越えていきたい」-雪組「エリザベート」

雪組東京宝塚劇場初日(7月6日)
『エリザベート』

 東京宝塚劇場で、雪組主演男役・水夏希と主演娘役・白羽ゆりのお披露目公演が、6日、幕を開けた。
 5組を一巡し、これが6度目の『エリザベート』公演。ウィーン版の来日や宝塚大劇場公演中に延べ観客動員数が150万人を超えるなど、いろいろ話題の多い公演である。
 物語は世紀末のウィーン。ハプスブルク家に嫁ぎながら自由を求め旅をする放浪の皇妃エリザベートと、“死”=トートの波乱に富んだ愛を描くミュージカル。

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 6日の朝から行われた通し舞台稽古は本番さながらの迫力。独自の“死”のイメージにこだわった水夏希トートのビジュアルは一段と磨きがかかり、その愛はより繊細に伝わってくる。また、皇妃エリザベート役の白羽ゆりは、華やかでありながら孤独を背負うシシィの心のひだをしっかりと見せてくれた。
 通し稽古が終わったあと2人が劇場ロビーで会見、まず白羽から、集まった記者たちに挨拶がある。

「私は久しぶりに、去年の雪組公演から半年ぶりに東京に来たんですけど、東京はとても刺激的だなと、あらためて東京ならではのよさを感じているところです。
 大阪の公演ではみなさまに温かく見守っていただき、なんとか無事に千秋楽を終えることができましたので、東京も刺激の多い街で刺激を受けながら、さらにさらに進歩していきたいなと思っています」

白羽「大劇場で1カ月半させていただいたのですけれど、その時とはまた違った新たな気持ちで、いろいろ発見しながら、千秋楽まで挑んでいきたいなと思います」

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 その後、報道陣との一問一答が行われた。

──再演6度目の『エリザベート』ですが、雪組ならではのアピールポイントを。
「そうですね、私は雪組にきて3年目になるんですが、群衆の力というかまとまった1つの力が雪組の特色ですから、[ミルクの場面]などはがんばってると思います。大劇場から公演を重ねて、日々ひとりひとりがお芝居を深めて、場面としての力が出てきていますので、注目していただきたいですね。また東京での本公演と新人公演で、おのおのがもっともっと深みを増し、さらに厚みが出せればいいですね。
 私個人としましては、ちょっと大劇場の最初のころは妖しさを出そうとして妖しすぎるかな?と(笑)、自分でも感じたり、観ているかたに言っていただいたりしたので、もっと妖しくていい場面と感情重視の場面というふうに作り直してみました」

白羽「実在の人物ですので、資料を見てそのエリザベートに近づけるのが一番なんですけれど、ウィーン版を拝見しましたらエリザベートはたくましくて魅力的で、そういう強さみたいなものもあって。宝塚の娘役としては幻想的な女性を求めてましたので、今回は地に足がついたエリザベート像というのを私自身は目指しています」

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──相手役の役とふだん、それぞれの魅力を。
「(白羽を見て)そうですねー、ふだんとはまったく違う役なのですごくたいへんそうだし、でもがんばっているなと思います。舞台上で別人であることを感じるので。もっともっと強さも出してほしいし、自分とはまるで違う役を楽しんで。(白羽「はい」)
 もう全然違うから、ふだんは。もうポヤーンとしていますね。なんていうか“出てって”とか“バリッ”というところはない」

白羽さんは、やはりトートは非現実的な役柄ですので、もちろん違うと思うんですけど、私自身の(星組からの)組替えからさんの相手役をさせていただくことになって、さんは色っぽいと思ってましたし、同じようにトートも妖しくて色っぽい。(「変わりません?」白羽「はい」)ふだんもご自身は自分を女性らしいとおっしゃるのですけれど、私から見たらとても男役らしくて、色気のある、大人っぽい男役さんだなと思います。」

──『エリザベート』という大作に取り組む気持ちは?
「もう、たいへんです。なにもかも。本当に『エリザベート』と決まった段階から、絶対にたいへんで、険しい山がバーッと目の前にあって、これを乗り越えるんだというのから始まったんですけど、登り始めたら険しさを実感して、本当に険しかったみたいな感じで、まだまだ険しい山登りなんですが。でも音楽が素晴らしかったり、宝塚ならではの美術の美しさとか、そういうものが本当に素晴らしい作品ですので、作品からエネルギーをいただいて険しい山を乗り越えたい」

白羽「たいへんです」

「でもたいへんだから、とってもやりがいはあって、今この時期に、新生雪組第一作目に、こういう、ひとりひとりが今持っている力では太刀打ちできないような作品にめぐりあえて、ひとりひとりが成長できて、これからまだ千秋楽まで課題は数え切れないのですが。私も成長していきたいなと思います」

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──水さん、左手の甲にあるのはなんですか。
「これはですね、トートの“心の傷”のつもりです。歴代のトートにはなかったんです。アクセサリーを何をつけようかと思っていたときに、爪もそうですが、アクセサリー以外のもので装飾したいなと思いました。この衣装の飾りと合わせてこういう感じになりました」

 写真撮影のあと、白羽「よろしくお願いします」と公演を宣伝して立ち去った。
 東京宝塚劇場『エリザベート』は8月12日まで公演中。(文・榊原和子/写真・岩村美佳)

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宝塚歌劇雪組『エリザベート』-愛と死の輪舞(ロンド)-

 2年ぶり6度目の宝塚上演は、雪組の新主演コンビ、水夏希と白羽ゆりの大劇場お披露目公演にあたります。

東京宝塚劇場公演: 2007年7月6日~8月12日
主な出演:水夏希、白羽ゆり、彩吹真央、音月桂、凰稀かなめ 他
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽:シルヴェスター・リーヴァイ
潤色・演出:小池修一郎
※詳しくは⇒宝塚プレシャス公演情報へ

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(『エリザベート』東京宝塚大劇場公演フィナーレより)

《関連情報》
想像力をいやがうえにもかきたてるウィーン版『エリザベート』東京公演
水夏希、ビジュアルで独自のトート像 雪組『エリザベート』評(その2.出演者編)
新しい地平をめざす 雪組『エリザベート』評(その1.全体編)
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投稿者 宝塚プレシャススタッフ 2007/07/07 22:44:52 榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー | | トラックバック (1)

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