中本千晶のヅカ★ナビ!
《初級編》ジャパンキッチュなタカラヅカ
レベル:★☆☆(初級編)
分野:国際文化交流
対象:日本の文化についてもっともっと深く知りたいと思ってる人。
この夏、東京・日比谷ではエリザベート人気が最高潮♪でしたね。
音月ルキーニが銀橋で歌う「キッチュ」を聞きながら、タカラヅカこそキッチュの最高峰なのでは? と、ふと思った。
「キッチュ(kitsch)」という言葉を広辞苑で引いてみると、
「1.まがいもの。俗悪なもの 2.本来の使用目的から外れた使い方をされるもの」
とある。
『エリザベート』のなかでは、異常なまでに美貌磨きに執着するエリザベートのことを「キッチュ」と冷やかし、形だけで心はちっとも通い合っていない皇帝夫婦を「100年後には珍しくもないけど、当時はキッチュな夫婦だった」と表現している。
だが、ファッションや文化の世界における「キッチュ」という言葉は、上品さ、高級さに対抗する「チープだけど、遊び心や意外性、現代感覚のあるもの」を意味する。どちらかというと良いイメージだ。
考えてみれば、タカラヅカの舞台には「キッチュ」が溢れている。
たとえば、その衣装。フィナーレでスターが背負う「羽根」や、キラキラのスパンコールはいうまでもなく、
・「青のスーツにオレンジのインナー」といった大胆な色合わせ
・エリマキトカゲ風の不思議な襟元
・裾が極端に広いラッパズボン
・男役がよくつけている孫悟空風の金の輪
などなど、観れば観るほどタカラヅカの舞台はキッチュのオンパレード。
これらのアイテムはいずれも、冷静になって考えると変!なのだが、舞台でスターが着こなすのをみると何故か「素敵~!」に転じてしまう魔力をもっている。
逆にいえば、キッチュアイテムを着こなせることがスターの証ともいえる。
そして忘れてはならないキッチュは「ヅカポスター」である。
とくに東京在住のファンの皆さん。駅貼りされているヅカポスターにぎょっとして、「私とは無関係です」というフリをしながら前を通った経験を誰しもお持ちなのではないかと思いますが、いかが?
どう考えても現代の感覚からはズレているとしか思えないヅカポスター。
「何とかしてくれ」というファンの声も少なくはない。だが、これが不思議と阪急沿線には映えるのだ。これを現代的シックなデザインに変えてしまったとしたら、地元宝塚のファンの皆さんは案外寂しいんじゃないかと思いますが、どうでしょう?
ファッションの世界では、上品さやシックさをちゃんと理解した人でないとキッチュは演出できないのだそうだ。そうでないと、単なる下品な悪趣味になってしまう。
タカラヅカのキッチュも、これと同じことがいえるのではないだろうか?
宝塚歌劇団の創設者、小林一三が唱えた「清く正しく美しく」の伝統が根底をしっかり支えているからこそ、数々のキッチュで観客の目を楽しませることができるのだ。
今、日本の若者文化は「ジャパンクール」といわれて海外で人気を呼んでいる。「ジャパンキッチュ」なタカラヅカも、もっともっと海外に自慢してよい文化なのではないかと思う。(中本千晶)
☆ステップアップのための宿題☆
歌舞伎や文楽、能・狂言などの古典芸能もまた、ジャパンクールの一端として海外で認知されつつあります。宝塚大劇場もそのうち海外からのお客さんがどっと押寄せたりして!? そんな時代に備えて英語も勉強しておきましょう。
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投稿者 ベルばらKidsぷらざスタッフ 2007/08/24 11:00:00 中本千晶のヅカ★ナビ! | Permalink | トラックバック (0)
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