大和悠河初日会見「新生宙組が始まる」－『バレンシアの熱い花／宙 FANTASISTA!』

宙組東京公演初日会見（８月17日）
『バレンシアの熱い花／宙 FANTASISTA!』

　大和悠河率いる新生宙組の東京公演がいよいよ幕を開けた。
　演目は、約30年前に上演された名作の再演『バレンシアの熱い花』と宙組10周年を記念したショー『宙 FANTASISTA!』で、宙組メンバーのフレッシュな魅力が印象的な２作品。

　初日の朝早くから行われた通し舞台稽古では、宝塚大劇場よりひときわ華やかさを増した大和悠河・陽月華の新主演コンビを中心に、芝居はそれぞれ役を深め、ショーはいちだんとエネルギッシュになっていた。
　そんな舞台稽古を終えたあと、宙組の新主演男役大和悠河の会見が行われた。まずは大和から挨拶がある。

　「本日は通し舞台稽古をご観劇いただきまして、ありがとうございます。今日の初日からがんばりたいと思いますので、よろしくお願いいたします」
　
　続いて記者からの質問が飛ぶ。

──まず宝塚大劇場で１ヶ月半、お披露目公演を終えられての感想を。
　「あちらの初日に感じたのですが、宙組が誕生して10周年ということもありますし、新生宙組ということをあらためて感じまして、「あ、今日からいよいよ新しい宙組が始まるな」と。
　私が先頭を切って、宝塚らしい舞台をこれから作っていきたいなと初日にすごく思って、その思いのまま大劇場公演を過ごすことが出来ました。今日、東京公演に来て初めて（全部を）通すことが出来たんですが、私は東京出身なので、この（東京宝塚劇場の）舞台でこうして、新たに東京公演のお披露目が出来ることを、あらためて嬉しいなと思いました。」

──両作品の見どころとや大和さんのおすすめのところなどを。
　「『バレンシアの熱い花』は、やはり再演希望が多かったというだけあって、それぞれの登場人物たち、３組のカップルに、それぞれ見せ所が合って、恋に苦しんだり悲しんだり喜んだり、という思いをそれぞれ吐き出す場面があって、そこが素晴らしいと思うことと、あと「瞳の中の宝石」という有名な主題歌があるのですが、それを主人公たち３人が歌詞を変えて歌うというのもとても宝塚的で、まさしくこれが宝塚という作品なので、初めてご覧になるかたにも「これが宝塚なんだ！」と思ってもらえると思います。
　『宙　FANTASISTA!』は、先ほども言いましたが本当に宙組10周年、これから始まります！というショーだと、私は思うのですけども、王子様が誕生してそれぞれの星を廻って行くという、そういう形になっています。土星の場面で私の扮する王子・FANTASISTAが死んで、また再生してくる場面がありますが、そこで歌っている歌詞が、藤井大介先生が思いを込めて書いてくださった歌詞で、ひたすらに前を向いて羽ばたいていこうという歌詞になっているので、そういう歌詞をみんなで歌えることが本当に嬉しいです。「これからの宙組をよろしく」という思いがこもっているショーです。どちらの作品も楽しんでいただけると思います。」

──相手役の陽月華さんとのコンビの感触と、これからの大和悠河率いる宙組のアピールポイントを。
　「陽月華は、何が飛び出してくるかわからない魅力をすごく持っていて、大劇場公演、また東京公演のお稽古と、どんどんお芝居も変わってきているので、私自身刺激される部分もあります。そういった意味で、これだけの回数の公演をやってきても、毎日新鮮に彼女とならできるなあと思っています。
　そして宙組のみんなは、とにかくパワフルですね。全員で歌ったり、踊ったりというのは昔から得意だったんですが、それプラス、１人ずつがとてもたくましくなって、それぞれが輝いていて、本当に頼もしいなと思いながら、私はそのなかで、みんなに支えながら、（主演を）させていただいております。」
　
　金色に輝く衣装に負けない笑顔を見せて、真っ直ぐに抱負を語る大和悠河。猛暑のなか、若々しく爽やかに新生宙組がスタートを切った。（文・榊原和子／写真・吉原朱美、舞台写真・岩村美佳）

---------------------
◆宝塚歌劇宙組公演◆
ミュージカル・ロマン『バレンシアの熱い花』
作・演出／柴田侑宏　演出／中村暁

コズミック・フェスティバル『宙　FANTASISTA!』
作・演出／藤井大介

・東京宝塚劇場（⇒宝塚歌劇団公演案内へ）
　公演期間：2007年8月17日(金)～9月30日(日)

東京宝塚劇場公演より

《関連情報》
■大和悠河、翳りのない輝き　宙組『宙 FANTASISTA!』
■華やかな大和、ヒロインらしい陽月　宙組大劇場公演『バレンシアの熱い花』
■大和悠河の持ち味いきる青春活劇『A/L アール―怪盗ルパンの青春』