現役&OGタカラジェンヌの情報、舞台評、動画つきインタビューなど宝塚歌劇関連の話題をお届け。 ⇒詳しく
オスカルやアンドレが3頭身に!ブログ「ベルばらKidsぷらざ」では、Kids最新情報のほか、読んで楽しい連載が満載です。会員サイトでは「ベルばら」の魅力を宝塚歴代スターに聞く動画つきインタビューも!

« 春野寿美礼、哀愁を身にまとい 花組『アデュー・マルセイユ』 | トップページ | テンダー・グリーン »

2007年9月29日 (土)

榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー

踊る春野を堪能 花組『ラブ・シンフォニー』

花組宝塚大劇場初日(9月21日)
グランド・レビュー『ラブ・シンフォニー』

(⇒『アデュー・マルセイユ』初日レビューより続く)

 『ラブ・シンフォニー』は、タイトルのなかにある「愛」をテーマに中村一徳が作・演出したレビューで、花組としてはかなりカラフルで弾けた印象が全編に溢れているが、そのことで下品にはなっていないし、いい意味でエネルギーを感じさせる舞台になっている。

0709hanas1
↑クリックすると拡大写真を表示

 プロローグは、オーソドックスなタカラヅカ調でゴージャス。音符や楽器をイメージしたステージに春野寿美礼が登場するだけで、そこは音楽の世界になる。相手役の桜乃彩音、そして真飛聖壮一帆愛音羽麗未涼亜希と主要メンバーが次々に登場。やがて全員が揃うというゴージャスなオープニングだ。

0709hanas2
↑クリックすると拡大写真を表示

0709hanas3
↑クリックすると拡大写真を表示

 その次のシーン「ラブ・ゲーム」は、いきなり色が変わり、クラブでギャンブルに興じる男たちのダンスで始まる。現れた幸運の女神・桜乃を自分のものにしようと男たちは争うが、クラブの男S・春野が女神を射止め、ルーレット上でデンジャラスなダンスを踊る。このシーンの振付はANJUこと安寿ミラで、春野桜乃のセクシーな絡み合いや、男たちのキレとバネを感じさせる動きなどが、ユニークかつ洒落たセンスで楽しめる。またクラブの女たち、鈴懸三由岐花純風香舞城のどか花野じゅりあの、アダルトなダンサーぶりからも目が離せない。花組の女性ダンサーの中心にいた鈴懸花純は、これで退団なのが寂しい。

0709hanas4
↑クリックすると拡大写真を表示

0709hanas5

 アダルトな濃いシーンのあとには、一服の清涼剤のような「花の愛」。この部分は花盗人に扮した真飛聖が芯になっていて、その周囲で踊るのは花組娘役たち。花の精Aの桜一花野々すみ花も可憐さと、真飛聖のソフトな甘さを感じさせるファンタスティックな仕上がりだ。

0709hanas6

0709hanas7
↑クリックすると拡大写真を表示

 場面が変わりラテンの焦熱的なリズムが満載の「ラテン・シンフォニー」桜乃彩音が蝶の歌手になって登場すると、その周りを囲むように蝶の男たち、愛音羽麗未涼亜希華形ひかる真野すがた望月理世白鳥かすが朝夏まなと望海風斗が歌い踊る。そして華やかに蝶の男・春野寿美礼が登場。さらに真飛聖壮一帆も加わり、よく知られたラテン・ナンバーに乗せて賑やかに花組全員による群舞や総踊りが続く。その「ラテン・シンフォニー」の締めは、銀橋での愛音羽麗によるソロナンバーというのが新鮮だ。

0709hanas8
↑クリックすると拡大写真を表示

0709hanas9

 この『ラブ・シンフォニー』では、春野寿美礼は歌よりもダンスでフィーチュアされていて、“踊る春野寿美礼”を堪能させてくれる構成だが、この「スペイン交響曲」のシーンも、KAZUMI-BOY振付によるスパニッシュが春野以下全員の圧倒的なエネルギーで踊られる。とくに後半の群舞はファナティックなくらいで迫力満点。そこから一転、太陽のなかに佇む春野寿美礼1人の姿へと移るが、それはまるで集団のなかから1人旅だっていく春野の姿のようで、心を揺さぶられる。

0709hanas10
↑クリックすると拡大写真を表示

0709hanas11
↑クリックすると拡大写真を表示

 フィナーレは、再びプロローグと同様にオーソドックスなレビュー・テイストに戻る。朝夏まなと望海風斗がロケット・ボーイとして登場するラインダンスから始まり、桜乃彩音を中心にした娘役のダンスナンバーは清楚で優雅。
 続いて定番の男役による黒エンビの群舞。中心を踊る春野の黒エンビ姿も、これが見納めと思うとひときわ目に眩しい。後継者真飛聖壮一帆とともに、紳士・淑女を率いて踊ったあとは、相手役桜乃とのデュエットダンス。エレガントな2人の踊りに、絵莉千晶の影ソロが美しい。

0709hanas12

 最後は華やかなパレードのなか、春野寿美礼が銀色の総スパンで降りてくる。退団を意識してか春野寿美礼の羽根は白一色で、そのシンプルな美しさが別れにふさわしい。

 このレビューは、春野寿美礼のサヨナラでありながら、歌声よりも踊る姿が印象的で、それが少し物足りないという声も聞かれたが、花組生が一丸となって踊るシーンは、春野寿美礼の最後の公演をよりよいものにという出演者の熱さが伝わってくる。その熱さと観客の温かさに包まれて、フィナーレの春野寿美礼が見せた、本当に幸せそうな笑顔が印象的だった。(文・榊原和子/写真・岸隆子)

0709hanas13

--------------------
◆宝塚歌劇花組公演◆
ミュージカル・ピカレスク
『アデュー・マルセイユ』-マルセイユへ愛を込めて-
作・演出/小池修一郎

グランド・レビュー
『ラブ・シンフォニー』
作・演出/中村一徳

・宝塚大劇場公演(⇒宝塚歌劇団公演案内へ
 公演期間:9月21日(金)~10月29日(月)

・東京宝塚劇場(⇒宝塚歌劇団公演案内へ
 公演期間:11月16日(金)~12月24日(月)

《関連情報》
■《初日&イベントレビュー》スターの見せ場満載 「TCAスペシャル2007」第2部
■《初日&イベントレビュー》宝塚レビューを振り返る 「TCAスペシャル2007」第1部
■《初日&イベントレビュー》春野“愛を彷徨する”男好演 桜乃は華やかさと可憐さ演じ分け 花組『源氏物語 あさきゆめみしII』(その2.出演者編)
■《初日&イベントレビュー》春野寿美礼の魅力で見せる舞台 花組『源氏物語 あさきゆめみしII』評(その1.全体編)
■《インタビュー》『源氏物語 あさきゆめみしII』春野寿美礼さん・桜乃彩音さん(後編)
■《インタビュー》『あさきゆめみしII』主演 春野寿美礼・桜乃彩音対談(前編)
■《インタビュー》『舞姫』主演 愛音羽麗さん ― 美しい物語の余韻を残したい
■《初日&イベントレビュー》愛音羽麗、まっすぐにひたむきに 植田景子の美が彩る花組バウ公演『舞姫』
■《公演情報》妖しく美しい春野寿美礼の光源氏に期待 『源氏物語 あさきゆめみしII』制作発表
■《初日&イベントレビュー》身も心も満たされ決断 春野寿美礼退団記者会見
■《初日&イベントレビュー》春野寿美礼初日会見『明智を宝塚的に華やかに』-明智小五郎の事件簿/TUXEDO JAZZ
■《初日&イベントレビュー》荻田+春野寿美礼の“男役の美学とスパイス”が隠し味『TUXEDO JAZZ』
■《初日&イベントレビュー》乱歩作品にふさわしい春野“危険”な匂い『明智小五郎の事件簿―黒蜥蜴』
■《初日&イベントレビュー》春野・桜乃花組主演コンビが2007年新春鏡開き
■《初日&イベントレビュー》真飛聖主演のサイコ・サスペンス 花組『MIND TRAVELLER』
■《初日&イベントレビュー》スター春野寿美礼の魅力全開!『うたかたの恋/エンター・ザ・レビュー』
■《初日&イベントレビュー》華やかで感動的だった『宝塚舞踊会』

投稿者 宝塚プレシャススタッフ 2007/09/29 18:01:00 榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー | | トラックバック (1)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/165303/16608059

この記事へのトラックバック一覧です: 踊る春野を堪能 花組『ラブ・シンフォニー』:

» 『アデュー・マルセイユ』と『ラブ・シンフォニー』 トラックバック Blogタックル
■おささんの最後の公演に行ってきた。いやー、やっぱあの人は最後まですごかった。だって、最後まで誰とも絡めないし、彩音ちゃんは結局最後まで結ばれなかった(笑)。どんなやつやねん(笑)公式ページはこちらですよー。 ■しかも、今回のはおもしろかったよ。小池な....... 続きを読む

受信: 2007/10/08 9:31:16